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短くなっちゃう
共進化。生物種間の相互作用。生態系において互いに影響し合う者たちの交響曲。
「レベルを数値化して欲しい」
「現在は菌類まで支配下に置けます」
「植物はまだか。バクテリアまで遠いなあ」
仮拠点の建物跡に戻る。道すがらクロアリ、ハツカネズミ、三毛猫、ハシボソガラス、トノサマガエル、オニヤンマ、キイロスズメバチと捕獲。支配下に置いた者が触れても適用されるのでなるべく集団を狙いたい。
蟻と蜂は集団が個体と認識されるらしく、巣を丸ごと移動中。
「邪鬼対策でサイズを制限するとして、スズメバチ襲撃で何とかならんか?」
「奴らは耐毒耐病性能が高いため、物理的に外傷を与えるなどしないと倒せません」
「噛み殺すワ」
「素っ首噛み切ってやるナ」
うちのエース(今決めた)2頭のポチとタマがやる気だ。ちなみに三毛猫は最初っから念話が使えた。曰く、
「昔はシモベが貢ぎ物をくれていたそうなのだナ」
「新しいシモベにしてもらうか」
「嬉しいのだナ」
「貴様ご主人を下僕呼びとは」
「呼び方は好きにしなさい」
仲良くして欲しい。
「ジン。新しいスキルの実験をこの駄猫にするのは如何でしょうか」
「うーむ…意思疎通出来るのに試すのはちょっと」
新しいスキル。それは支配下に置いた個体同士での遺伝子の組換。例えば蟻に蜂の針を追加したり出来る。何が出来るかは相性次第だが、近い程成功率と自由度が上がるらしい。
「よし、ではまず俺自身に烏の羽根を」
「ジン?」
「指揮官は移動自由度あった方が良いでしょ」
「しかし…いえ。もしかして貴方、空を飛びたかったりします?」
「バレた?」
反対されてもやるつもり。あと呼吸性能も鳥類に習いたい。外骨格も欲しいがゾウムシをまだ見付けてない。
「失敗のリスクってある?」
「いいえ、ただ……思考は肉体に依存します。新しい感覚を掴むには時間が掛かるかと」
「そこは問題無い。その為の記憶封鎖でしょ」
何となく。これが本来のスキル使用方法な気はしていた。ダンジョンの奥のボスは強く在らねばならんからだろう
「善は急げ、やってみよう」
「シモベ、私も飛びたいのだナ」
「ぶれないなあ」
「ワたしも飛びたい」
「まって」
そーらをじゆうに