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107自警団  作者: フユルト
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学園都市:ユグドラシル

また近いうちに更新します…(´・ω・`)

学園都市:ユグドラシルは、今から約100年前に設立された。それ以前は、人々は剣や弓といった“原始的”な武器を手にとって、自分達に敵対する魔物を狩っていた。


しかし、魔導工学の発達によって全てが変わった。


魔導工学というのは、少々小難しい原理があるのだが簡単にいえば空気中に存在している魔素を魔力に変換し、その魔力を様々な物事に使用できるようにする為の道具や魔法陣、回路などを作成する学術だ。


その発達により、絶えず明かりを灯すことができるランプなどのインフラや、医療関係などに貢献した。


今までは、魔石を媒介にした火や水を生み出す魔道具などが使われていたが、魔石の大きさは魔物の種類や個体によって異なり、あまり効率的ではなかった。しかし、大気中の魔素を魔力に変換して使用すれば、魔石が手に入らなかった時でも、たとえどんな所にいても使用することができる。


そして、魔導工学が貢献したもので一番大きいのはやはり兵器開発だ。


従来では、人によって魔力量の違いがあり、魔法を使えない人間の多くは剣や斧といった近接武器で戦う人が多かった。だが、魔導工学によって生み出された兵器の多くは魔力が少なくても使用することができる。それによって、接近することなく安全に魔物を倒す事が出来るようになった。


そうして、魔導工学のさらなる発展の為に、そして戦力の育成の為に設立されたのが、学園都市:ユグドラシルなのだ。


そのユグドラシルの中でも、最強と恐れられている部隊があった。


その部隊の名は、107自警団。


メンバーは主に学園に通う女子生徒で構成されていて、その人数はたったの5人と、学園都市が保有する軍隊約15万に比べるととても少ないのだが…実際に107自警団と軍隊が衝突した場合、ほぼ107自警団の圧勝に終わると言われている。それ程までに、彼女達は強力な力を持っているのだ。


そして、107自警団団長であるイオナと、副団長のスカーレットは、自分達の活動拠点である学園の一室に向かっていた。


「はぁ…それにしても、私達がこの学園都市に居るっていうのに、良くあんな事できるわよね」


「まぁ、被害が出る前に倒せたから別にいいと思う…」


イオナの返事に、スカーレットは「そういう事じゃなくて…ハァ…」と、頭を抱えてため息をつく。


「そんなにため息つくと、ハゲるよ?」


「まだそんな年じゃないわよッ!?」


「怒ると白髪が…」と言うイオナに対して、スカーレットは終始怒ったりため息をついたりとしていた。


イオナにしてみれば、からかっている訳ではなく真面目に言っているので、スカーレットにとっては余計にたちが悪い。


そんな感じのやり取りをしているうちに、自分達の部室に辿り着いた2人。その扉には、107自警団と書かれた表札があったのだが…いつもと違い、何故か可愛くデフォルメされた107自警団メンバーのステッカーが扉に貼られていた。


「イオナ…このステッカー、誰が貼ったか大体予想がつくんだけど…」


「…うん、私も」


イオナが、ステッカーを貼った犯人が居るであろう扉を開ける。


そこには、テーブルで一生懸命絵を描いている少女がいた。


幼い顔立ちに、腰まで伸ばした銀髪と深紅の瞳、服装はイオナ達と同じ白を基調とした学園の制服なのだが、首や手首足首にブルーライト色のラインが入った首輪のような物がつけられていた。


「あ、イオナ、お帰り〜っ」


そう言って、少女は椅子から飛び降りてイオナめがけてジャンプ、イオナは少女を優しく抱きとめる。


「ただいま、“グリューナフ”」


「私、良い子にしてたよ…褒めて、褒めて♪」


イオナは、「うん、良い子」と言って優しい手つきでその髪を撫でると、嬉しそうに目を細める少女…グリューナフ。


「…いや、勝手に扉にステッカー貼ってるから良い子では無いでしょ…ハァ」


スカーレットの力ないツッコミは、ほのぼのした雰囲気を展開している二人には届かなかった。




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