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107自警団  作者: フユルト
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プロローグ

不定期更新ですぅ…(´・ω・`)

……………今から17年前、それは起こった………


「とうとう完成するぞ…!!」


暗い部屋の中には、大量の円柱状の水槽が並んでおり、その殆どが赤色に染まっている…しかし、その中の一つだけ水色の光を放っているものがあった。その水槽に両手を当てて喜びの声を上げる男が一人いた。


その水槽の中には………膝を抱えて眠る青い髪をした小さな少女がいた。


「実に長かった…“コイツ”を完成させるのにどれ程の“実験材料”を消費したか。だが、コイツの価値に比べればそんなもの大した価値ではないッ!!…お前もそう思うだろう?コード:107」


男は天に両手を突き上げて、狂気を感じさせる様な笑みを浮かべると、水槽で眠る少女に話しかけるが、勿論返事はない。


「さぁ、早く起きろコード:107…今やお前は、この世界最強の生命体となっているッ!!誰がどんな能力を持っていようと、お前の前では全てゴミ同然となるんだ…クヒヒッ、楽しみだなぁ…」


男はそう言って白衣のポケットに片手を突っ込んで部屋を出ようと、ドアノブに手をかける…が、後ろから「ピキピキッ、バキリッ…」という音に思わず歩みを止めて、振り向く。


「…これは、想定外だな…まさか■■を引き■■でいるとは…」


男が最期に目にしたのは、ボコボコと沸騰するように泡をたててひび割れていく水槽と、その中にいる少女の怒りに満ちた表情だった…




それから17年後の現在…




ビルの上をかなりのスピードで駆ける二人の武器を持った少女が居た。


「スカーレット、タイミングは任せる…」


深い青髪を腰まで伸ばした少女は、自分の相棒である深紅の瞳と髪をした少女…スカーレットと共にビルから飛び降りる。


飛び降りた真下には、サイを巨大化して二足歩行させているような怪物がいた。


「了、解ッ!!【武装解除】」


スカーレットと呼ばれた少女は左腕を突き出してそう言うと、腕にクロスボウの形をした黒い金属に深紅色のラインが入った機械チックな物が現れる。そして、深く息を吸って怪物に狙いを定める。


「【レッド・ガレッド】」


その言葉と同時に、クロスボウに装填されていた矢が赤い閃光を纏ってターゲットに着弾した瞬間、怪物の頭を消し飛ばす。そこから黒色の結晶のような物が姿を現していた。


青い髪の女性は肩に背負っていた狙撃銃を構え、黒い結晶へ銃口を向けて、トリガーを引いた…





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