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crazy good  作者: タロト
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良い子達。

田中正人 この物語の主人公。生物教師。

     「模範クラス」1年1組担任。


吉原里美 1年1組。ポニーテールで髪が纏められ、整った顔立ちと聡明そうな眼を持った少女。


深山草太 1年1組。角刈りの、ガッシリとした体型の少年。

一限目 数学

「で、あるからして、cosθを用いてここの長さが求められるので‥」


初老の数学教師が解説している。


向かうは至って真面目な生徒達。

姿勢も正しく、居眠りをしたり私語をしたりする生徒もいない。


その様子を廊下から見守る俺の名は田中正人。

二十七歳で、今年で初めてこのクラスの担任となった。


生物教師であり、二年からは理系の生物選択者しか生物を教えなくて良く、実質一年生の生物基礎が主な担当だ。

よって、少し暇だったのと、心配だったので今授業風景を観察している。


「じゃあ、高嶺さん、ここを解いてみなさい」

「はい!」


元気の良い返事。

スタスタと優雅に歩いた後、黒板の前で立ち止まる。


「先生。」

「はい、何でしょう?」


疑問など明らかに無さそうである。


「解法が少なくとも三つはありますが、どんな解き方が良いか、指定などはありますか?」

数学教師に緊張が走ったのが分かる。


「とりあえず、今までに習った範囲でお願いします‥。」


やっぱり、と思い、ため息をついた。


このクラスはずっとこんな調子である。

休み時間は教え合い学習。

授業中は真面目。

昼食は、食の恵みに感謝しながら世間の時事について討論。

帰りの会では、その日の反省を各自述べながら、日々精進する始末である。


真面目すぎる。


このクラスが恐れられる所以である。


そして俺は学校中から恐れられた、この恐るべき一年一組の担任である。


もうすぐ学年で合宿があり、そこで親睦が深まる手筈ではあるのだが、もうこのクラスだけは何十年も共に戦ってきた戦友のような信頼感で繋がっている。


俺抜きで。


強すぎる。まだ不良生徒ならば、注意が出来る。指導が出来る。


こいつらには、一体何が出来るだろう。

例えるなら、陶芸を作ろうとした所に、もう完成された、それも一級品が届き、そこに加工してくださいと言われた様なものである。




...無理じゃん。




次はホームルームである。

もう既に嫌な予感がしたまま、教室へ向かった。



二限目 ホームルーム

「それでは、学級委員をやりたい人!」


ハイ!!!


と、全員の手が挙がる。


もう全員で学級委員やっちゃえよ、と言いたくなるのをグッと堪える。


「じゃあ、ジャンケンでいいんじゃね?」

もう丁寧語も忘れてしまった。


「確かに、それは公平性がある!」

「よし、それで行きましょう!」


パチパチパチパチ


ノーベル賞受賞を祝うかのような拍手。


辞めてくれ…。


結果、高田 徹

   原田 美咲

の2人がクラス委員になった。


皆さん、ここまで読んで来た中でこうは思わなかったであろうか。

名前覚えにくっっ!と。



確かに、他の漫画や小説では、名前が面白かったり、短かったりで覚えやすいであろう。

だが、この小説では、名前が普通すぎて覚えきれない。



だが、安心して欲しい。


このクラスの唯一の弱点。

それは、


基本的にキャラ的個性が無いのである。

このクラス役員決めで分かったと思う。


そう、彼らは全員がほぼ達してしまっているので、姿形以外は完全にキャラが同じなのである。


こんな事を考えている中でも、もう既にクラス役員が決まり、合宿に向けてスローガンが決められている。

黒板が覆い尽くされる直前に、アイデアはピタリとやみ、無難なone for allに決まった。



自己紹介かな?



クラスに自習を任せて、俺は颯爽と職員室に逃げ帰った。







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