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ニテイル 2
「君ら、イイもん持っているのに、自ら空回りする傾向にあると僕は見ている。」
「そりゃ、誤解だぜ。
アイツの場合は、例えば、昨年の夏、地元の夏の祭りのステージで、素晴らしいフラダンスのショーを見て、最後に独壇でトリを飾った女性を『たぶん、彼女、普段は、ダンス教室の講師だと思うけど、この先、生活だいじょうぶかな・・ハアハア、いつしか、踊りだけでは生活できず、彼女は、路頭に迷う時が来るんじゃないかな・・・・。』みたいだけと、俺は一切、そんなふうにステージは見ない。」
彼を語るクダリの俺のモノマネが、ツボだったらしく、笑いを止めるのに必死で、それでも俺は言われた。
「だから、君も、もっともっと肩の力を抜け、ってことだよ。
僕が、そう言って君は決して、もうメチャクチャなことをする人でないと僕は思うし、・・あ、ドリンク、空じゃん!なんか頼んできなよ。」
「いや、今日は、もうカロリーオーバーなんだ・・・。」
【おわり】