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柳田。

俺には、柳田という友達がおり、

そいつは名前の如く、何にでも柔軟に対応できるヤツというか、物腰柔らかで根っから朗らかなヤツだ。

ただ、そんなに頻繁に会うことはなく、会った時、俺は俺で、おおよそ、その時、それなりに生活していて、柳田は、どんな感じか？みたいなことを俺が聞くと、〈それなりのこと〉が返ってくる。

俺は、彼と血縁関係はないし、何週間も生活空間をシェアした経験もないが、

はっきり言って、俺の彼への興味は、近況を確認した後、そこそこ消える。

だがしかしだ。

彼は、俺の知らないところで、めっちゃモテテいたり、実は優雅極まりない生活を送っている、ということが０パーセントではない、とドコか俺に思わせるヤツで、

でも、やはり、しかしながら、

今の俺がシラーっと、さりげなく、

「いつでもいいんで、今度、飯でも、どうよ？」と誘い、近々、会う予定になっている者は、

彼では、なかったのである。