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魔王と勇者

 その者魔法を極めし者也。その者誰よりも人間であり続けると望んだ者也。かの者達のことを人はなんというだろう。片や魔王と呼ばれ世界を破滅させし者、片や勇者と呼ばれ自らの命に代えてでも魔王を討った者、そんなものだろう。しかしそういったものは人間が考えた『都合のいい』物語である。この世界の人間もまた相違ないものだったのだろう。現実はいつも無責任で理不尽なものなのだから―――――





--星神歴256年 火の月の1日--



 「勇者よ、いや、トウヤ、お前はこの世界に飽きてはいかないか?」

「俺がお前を倒して2年、まさか次は俺が悪者扱いされてるんだぞ?飽きたもねぇよ、こんな世界。」

「ああ、そうだな。まぁ人間は矮小なものよ、まさか魔王を倒したお前を次は標的にされるとはな。まるでお前が魔王だな。ハッハッハ」

「笑い事じゃねぇよ、もうこの城にいるのも限界かもな多勢に無勢ってな。」

「ハッハッハ何をぬかすか、お前にかかれば一騎当千、しかしお前のことだ殺せないとでも言うつもりだろうな。」

「当たり前だ。しかも殺したら俺が驚異になることをまるで証明してるみたいじゃないか。」

「確かに、まぁそんな話は良いのだよ。トウヤ、異世界へ転移する気はないか?」

「おいおい、いきなりぶっ飛んだ話だな。いや、お前は、、ラグはいつもぶっ飛んでたな。」

「フッ我のことをラグと呼ぶのはトウヤ、お前ぐらいだぞ。で?どうなんだトウヤ、翔ぶ気は無いのか?」

「だろうな、で、翔べるんだな?」

「我に不可能はないからな。」

「ならお前はどうする。」

「そうだな、互いに違う世界に翔ぼうと思っている。お前とは既に我の起源がしっかり捉えているからな。」

「なるほど、確かに俺の起源もお前を捉えているからな。だがまぁ、お前みたいに魔法は上手くないからそっち任せになるけどな。」

「そこは気にするな。お前には俺より優れるものもあるではないか。まぁいいそろそろこの城も限界だ。」

「てか、どうやってそんな大魔法発動させる気だお前

。」

「お前、城に住んでいて気が付かなかったのか?この城は魔道具と同義の力を持つ。まぁ説明は省くが、この城を媒介とし、我がお前の魔力を使ってトリガーを引く、そしたらそこはもう異世界、という訳だ。では行くぞ?」

「おう、頼んだ!」

「我が魔王城を媒介とし、我とトウヤの魔力をトリガーに設定。おい、手をよこせ。」

「あいよ。」

「では、発動する。『我が真名、ラグナロクの名において命ずる。我らを幾千の星をも越えて異なる異世界へと翔ばせ。』《ワールドトリップ&クロックストライクス》!!!」




 そして2人は異世界転移を発動させ、2人異なる世界へ翔んだ。しかしここでこの世界の人間は思い知らされる。2人が本気でなかったことを。2人の魔力によって起こされる魔力災害。聖と魔の力が合わさるとここまで魔法は昇華するのだと。だがしかし、人間は愚かで、魔族と手を取り合うこともなく、事実を捏造し、魔族を討たんとする。だがそんな話は2人には既に関係ない。もう新たな2人の生は始まっているのだから――――――


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