裏ダンジョンの話~その3
「さて、やるか」
今回は4階から探索開始。
目標は15階だって。
それより更に下に向けて拡がっているけど、探索期間として3日間。
明後日のお昼にはギルドに一旦、報告に戻る約束になってる。
生存確認の為って言われたけどパァパが毎夜、ラブコールしてやるって言ったらギルマスさんが丁寧に断わっていた。
ラブコールするの僕だよね?
普通にお喋りするのが苦手で、ついつい念話しちゃうから僕の念話レベルがどんどん上がっていてもうじきMAX。
この世界のスキルレベルは最高10だから、僕がどれだけ念話を使っているか分かる。
普通はレベル5辺りから上昇率が緩やかになって死ぬまでにレベル8になっていれば、達人・英雄クラス。
僕、異常に早くない?
パァパが言うには女神しゃまのクエスト報酬が怪しいって。
まさかそんな。
あった!
はじめにクリアした村人さんの報酬がスキルレベルが少し上がりやすいって書いてある!
あれあれ?
知らない内にクエスト増えてるけど、知らない内にクリアしてるや!
(///∇///)
うん。見なかった事にしよう。
僕、しーらない。
ギルマスさんには断られたけど、サブマスさんには是非!って言われて冗談のつもりで言ったパァパは引くに引けなくて毎晩、報告書を事務所に転送するからラブコールは勘弁してくれって謝っていた。
こういうのブーメランって言うんだよね?
あ、パァパが撃沈した。
サブマスside
おや?気がついたら机の上に見慣れない書類があった。
ああ、これがあかマさんの言ってた報告書だなと書類の端に書いてあるイラストで気づいた。
これはちびマ君がモデルですかね?
小さな可愛らしい狐のイラスト。
尻尾がフサフサで今にも動き出しそうだ。
私は彼等の顔をまだ見たことがない。
ただ天狐という種族なのは知っている。
天狐。
もはやおとぎ話としても語られる事のない幻の種族。
私が長命種の龍人のハーフで見た目は人間よりだが、寿命は龍人よりですでに250年は生きていると知ったら見せてくれますかね?
龍人の父から幼い頃に聞いた天狐様の物語。
父が言うには先代?の天狐様は女神様の力の衰えと共に儚くなられて、世界樹のある聖域から出ることが出来なくなってしまい世界樹を切り倒した愚か者のせいで亡くなったと、お守り出来なかったと死ぬまで嘆いていた。
もしかしたら今もあの世で嘆いているかも知れないが、あの世には先に旅立った母がいるからきっと「いつまで嘆いていれば気が済むこのへっぽこ!」と怒られている事でしょう。
父だけでなく父方の祖父母からも天狐様の物語は沢山、聞かされた。
天狐様は代替わりするとかで、父が知る天狐様と祖父母の知る天狐様は別人だとか。
今はどこを探しても見つからないが、私が子供の頃は天狐様の物語は本にもなっていて多くの種族に愛され読まれていた。
先代の天狐様は緑の髪に薄い水色の瞳。
そのまた先代の天狐様は赤い髪に黄色の瞳。
髪と瞳の色に共通点はないが、尻尾が2本あるというのが共通点。
天狐様たる証と言える。
そういえば天狐様の尻尾は髪と同じ色だと祖父母が言ってたな。
ちびマ君の尻尾は見事な銀色。
家族全員、同じ色だからパーティー名が『銀狐ファミリー』だとあかマさんが言ってた。
と、いうことは全員、銀髪か。
是非とも瞳の色も知りたいものだ。
私の一族はアトール等という胡散臭い神など信仰していない。
一族の墓には女神ミュールフェリス様のお姿を、刻んで死んだ後も仕えられる様にと祈る。
さて、いつ教えましょうか?
もっともあかマさんはすでに気がついて黙っている様な気がするんですけどね。
先ずはお仕事、お仕事。
今日一日で4~6階まで制覇!?
さすが天狐様。
グランドマスターには私からも推薦状を出しておきましょう。
ギルマスがキチンと皆様の種族まで書いていれば問題なくグランドマスターの権限で、ちびマ君の本登録が可能になるんですけどね。
人種で天狐様を知らないギルマスが、ワザワザ書くとも思えません。
正しい判断をお願いしますよ。
種族がハイエルフのグランドマスター様。




