裏ダンジョンの話~その1
久しぶりに少しだけ連載再開します。
「あの時はありがとうございました」
今、僕達の前にはダンジョンで会ったFランクのお兄ちゃんとお姉ちゃんが頭を下げている。
うん。事情知らない人達が驚いてるから、止めようね?
「気にするな。こちらも利があってしたことだ」
「いや、でも」
「とにかく、この話は終わりだ。俺達は用があるから失礼する」
そう僕達がギルドに来たのはギルマスさんに呼ばれたから。
「一緒にそこの二人も来い」
「チッ」
パァパ。舌打ちなんかしたらお兄ちゃん達が可哀想だよ。
ほら。畏縮してるじゃん!
「一緒、行く」
お兄ちゃんとお姉ちゃんのズボンを引っ張って、無理矢理歩かせる。
「え!あっ!ちょっと!」
こんな時にも身体強化の魔法は便利です。
やり過ぎるとズボン破れちゃうから注意が必要だけどね。
あのあとすぐに二人がちゃんと歩くって言うから僕はマァマに抱っこされて、ギルマスさんのお部屋にお邪魔しました。
机の上には何枚かの書類と見たことない機械が置いてある。
「先ずはパーティー名『銀狐ファミリー』。ランクアップするからギルドカードを提出してくれ」
「いらん!」
「いや、あかマ。いらんってお前な」
「仮登録の息子はランクアップしないのに、俺達親が上がったらクエストに連れて行けなくなる。よって、いらん!」
「そう言う事か。しかしだなこれは決まりで」
「なら冒険者ギルドを止める」
「はぁ?止めてどうするんだ?」
「薬師ギルドに登録する。一家全員。【薬学】スキルを持っているのでな」
パァパは攻撃系の魔法薬をマァマは回復系の魔法薬を作るのが得意で、僕はまだ初級ポーションしか作れないけど、スキルは修得してる。
「マジか!?」
「で、どうする?ちなみにちびマも表ダンジョンで討伐はしてるぞ?」
「マジか!?」
パァパが僕のギルドカードをギルマスさんに渡したら、ギルマスさんが頭抱えて唸ってる。
「5才だよな?5才でこの討伐数?」
「言ったろ?俺達の一族は魔法が得意だと」
「それにしても………5才だよな?」
「既に【薬学】スキルまで修得してるなら、将来有望です。手放すべきではありません!」
ギルマスさんのお隣に座っているサブギルドマスターさんが興奮しすぎて、ちょっと怖い。
カードには僕が倒した魔物・動物の名前と数が登録される様になっていて、それは専用の機械で見れるんだって。
そうしないと他の人が倒した魔物・動物を拾った人が嘘ついて提出したりするからだって。
拾うの?魔物・動物の死体を?
討伐対象になっているのを知らないで倒して、荷物になるからって捨てていく人がいるから、拾う人もいるんだって。
う~んと。そういうのってやぶへび?
「ハイエナ」
あっ!そうだ。間違えた!
ありがとうパァパ。
「ああ、その通り。ハイエナって言われて冒険者の間じゃもっとも嫌われる行為だ」
「それでも他の魔物や動物と縄張り争いで負けた無事な素材を剥ぎ取る行為は、禁止していません。10才で登録したてのFランクにとっては、いい小遣い稼ぎですからね」
「もっとも討伐の記載がないから、ランクアップの対象にはならないがな」
つまり沢山、拾っても自分の力で倒してないからランクアップが認められないって事だ。
うん。納得。
じゃ、僕は?
「息子ならその辺りクリアしてるな」
「そうなんだが。そうなんだがな…………俺の一存では決められん!すまんが、王都のグランドマスターに連絡して、なんとか出来ないか頼むから冒険者ギルドを止めるのだけは勘弁「やだ」いや、やだって………」
「返事がくるまでは待っていよう。で、話はそれだけか?」
パァパ強い。
ギルマスさんまた頭を抱えちゃったよ。
「本題はこちらです」
ギルマスさんが復活する前にサブマスさんが、お話を進めてくれた。
ようは僕達に裏ダンジョンをもっと調べて欲しいんだって。
すでにご領主しゃまには連絡してあるけど、危険度がまだ分からないから、存続か破棄かが決められないらしい。
この町の周辺には存続してる下級ダンジョンが多いから、初心者からDランクぐらいの冒険者には危険も少なくて稼ぎがいい町。
Cランク辺りにいくとちょっと物足りないってレベルなんだって。
あれ?お兄ちゃん達と一緒にいたのCランクじゃなかった?
ちなみにDランクから中級ダンジョンに入れるからパァパが送った未発見のダンジョンも普通ならっていうか、ちゃんとした実力があればCランクならクリアは無理でも、そこそこいけるはずなんだって。
まぁ食料とかポーションとか余分に持ってなかったらクリアは無理だよね。
なのにお兄ちゃん達のお話によると、Cランクの3人は出てきた魔物に驚いて一度も戦わずに、逃げたみたい。
うん。パァパが使えないって言ったの分かる。
調べたらその3人は確かにCランクだけど、元々他のパーティーに入っていて寄生してランク上げた疑いが持たれてパーティーを追い出されてた。
ギルドの方にもそのパーティーのリーダーさんから警告?みたいなものがきてたけど、初心者オススメの町ミゼルなら問題もおこらないだろうと、気にとめてなかった。
逃げた人達はCランクになれたのは実力だと思っていたから、裏ダンジョンでも下級だからと高を括って入ってみたら出てきた魔物が見たことないし、自分達より強そうって思って逃げた。
それで実力あるって根拠のない自信が無くなればいいけど、多分そういう人達って死ぬほど痛い目にあわないと納得しないよね。
まぁ今回、キチンと手続きしないで勝手にFランクのお兄ちゃん達を下級とはいえダンジョンに連れて行ったのがギルドの規約違反になって、ランク2ダウンになった。
つまりはEランク。
厳しすぎって思うけど、それだけあの人達はやっちゃいけない事をしたし余罪もあるみたい。
で、すでに一度入って出てきた実績のある僕達にもう少し裏ダンジョンを調べて欲しいって、ご領主しゃまから指名依頼が出てFランクで指名依頼はまずいから、誘拐事件を解決したり裏ダンジョンの発見をした功績でギルマスさんの権限で一気に上げられるDランクにしようしたら、パァパがバッサリ切って捨てた。
⌒ヾ( ゜⊿゜)ポイッ
こんな感じ⬆
「前例がないからという理由でランク上げるぐらいなら、俺達が前例になればいいだけだろう?」
今後も実力あるけどFランクの人は出てくるだろうって。
例えば元騎士で病気や怪我で退役したけど、生活の為に冒険者になるって人とか、他にも元高ランクの冒険者さんが引退したけど事情があって復帰するとかね。
でも登録はやっぱりFランクからになる。
だけどね。過去の実績を知ってる人達から指名依頼って来ることあると思うの。
元騎士さんにだって来るかもね。
そうなった時に元高ランクさんなら過去の実績でギルマスさんの権限使えるかも知れないけど、元騎士さんは難しいよね?
将軍とかになっていれば別だけど、そんな人が冒険者になるほどお金に困るって事ないと思う。
元騎士さんでも冒険者としての実績ないならランクアップ出来ないから、指名依頼は受けられないよね?
はい。詰んだ。
ギルマスさんがついに机に突っ伏した。
パァパが理路整然と説明したから。
Fランクのお兄ちゃん達はさっきからスゲーしか言わないけど、少しは自分達でも考えないとまた同じ目にあうよ?
ギルマスさんは、ランクアップを強要しない事を条件に指名依頼を受けるというパァパの言葉に、ガックリしながらも認めた。
「お願いします。一緒に連れて行って下さい」
「断る。第一にメリットがない。第二にお前達のお守りをする義務がない。第三に足手まといだ。そして何より、俺のパーティーは俺の愛する家族しかいれない。諦めろ」
切れ味抜群のパァパの言葉に、お兄ちゃんが突っ伏した。
「そこまで言わなくても」
「私、回復魔法しか使えませんが、解毒はもちろん解呪も得意ですわよ?安全な拠点を維持する為の結界も張れます。もちろん、お料理も得意。あなたが出来るのはなぁに?」
あっ、お姉ちゃんも突っ伏した。
「子供は!?」
往生際の悪いお兄ちゃん達だね。
「僕、魔法。使う」
どうしても納得しないお兄ちゃん達をギルドの訓練場に連れてきて、パァパが派手な魔法を使えって言うから怖いけどあれを使った。
「シャンタライン」
うん。また噛んだ。
でも魔法はキチンと発動した。
前よりも威力が上がっていてビックリした。
「こあい!」
「いや、自分でやってて怖いはないだろうが」
「うっしゃい!」
怖いものは怖いんだからね!
「いい子いい子。自分の力を怖いと思えるちびマは偉いわ」
「その通りだ。力に溺れる事がないという証明だ。偉いぞちびマ。さすが自慢の息子だ」
エヘヘ(〃⌒ー⌒〃)ゞ
照れちゃうよ。
書き上がっている分だけ、毎日18時に投稿予定




