僕がちびマになった日の話~その1
全部で3話です
僕がちびマになった日の話~その1
…………side
「…………何処?どこに隠れているの?私の可愛い坊や」
声が聞こえる。
ここだよ。僕ここにいるよ。
でも声が出ない。
喉が渇いて、お腹も空いて。
体はもうずっと前に動かなくなった。
今は目も開けられない。
優しい声に問いかける。
マァマ?
「聞こえたわ!こっちよ。あなた。早く」
「それらしい人影は見えないが…………うん?この木、根元にウロがあるな………もしかして」
開かなくなった目に眩しい光が当たるのが分かった。
優しい女の人の声と男の人の声。
前に声が言ってたマァマと、男の人はパァパ?
「ああ。待たせたな。そこから出られるか?」
動けないの。
「そんな!!」
「この狭さじゃ、腕ぐらいしか入らない。おまけに奥に入り過ぎてて腕ぐらいじゃ届かない」
「坊や。尻尾だけでも動かない?」
しっぽ?
しっぽって何?
「マジか!?」
「お尻は分かる?お尻の先にあるものよ。動かせる?」
お尻………
うん。なんとか動くかな?
頑張って動かしたけど。
「………よし。なんとか先っぽつかまえた。少し痛いかもしれないが我慢しろよ坊主」
しっぽ?の先っぽに何かが触ったと思ったら、グイって引っ張られて!
痛い!痛いよ!
おしっぽ取れちゃうよ。
。゜(゜´Д`゜)゜。
「もう少しだけの我慢だ」
痛いよ。゜(゜´Д`゜)゜。
ズル。ズルって体が外に引っ張られていく。
はじめはおしっぽの先っぽだけだったけど、今はおしっぽをしっかり握られて痛い。
今度は足を捕まれてグイって引っ張らた。
うわ~ん。゜ヽ(゜`Д´゜)ノ゜。
痛いよ!痛いよ!!
もうやだよ。゜(゜´Д`゜)゜。
「大丈夫よ。坊や。泣かないで」
ズルズル引きずり出されて体のあっちこっちが痛くて泣きたくなったけど涙は出なかった。
涙が出る前に暖かい光に包まれたから。
「もう大丈夫よ。可愛い坊や。これからはマァマとパァパがいるからね」
暖かい光はマァマ?
「パァパも居るぞ」
ほっぺたに何かが触った。
「…………キスも知らないのか?!」
「なんて事!これから沢山マァマとパァパがキスしてあげるからね」
キス?
分からないけど、暖かいね。
少ししてから続きを投稿します。
予約時間は今日の18時です。