僕が捨てられた日の話
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僕が捨てられた日の話
(恐いよ………寒いよ………お腹空いたよ………ママ………どこ?)
ここは何処なんだろう?
あの日、見たこともない大人が何人も来てママは抱いてた僕をその大人達に渡して言った。
「もう必要ないから捨ててきて」
どうして?
「今度こそちゃんとした子供を産んでみせるわ」
そう言って自分のお腹を愛しそうに撫でるママ。
今までは僕しか子供が居なかったから仕方なく忌み子の僕を育てていたって………
忌み子って何?
ママに聞きたかったけど、眠くて眠くて微かに聞こえるママの声が今まで聞いた事がないぐらいに冷たくて。
僕の目から涙が零れた。
ここ何処?
目が覚めると周りは木ばかり。
側には一枚の毛布。
僕がいつも使っていた毛布。
それしかなかった。
ママ。
僕の事がそんなに嫌いだったの?
なんとなく分かってはいたけど………
でもそれならママ。
はじめから優しくしないで欲しかった。
僕は泣いた。
泣くことしか小さな僕には出来なかったから。
ママ。ママ。マーマ。
声をあげて泣くことだけはしなかった。
声を出してはいけないとなぜか思ったから。
僕は毛布を抱いて泣きながら歩いた。
とにかく何処かに隠れろって誰かの声が聞こえたから。
周りを見ても誰も居ないけど、その声に従った。
その声はママの偽りの優しい声とは違って、本当に優しく暖かかったから。
その声が僕に告げた。
辛くても少しだけ待っていろって。
必ず両親を与えるからって。
両親?
ママとパパ?
本当に?
声が僕に言う。
約束しよう。お前を心から愛して、可愛がってくれる優しい両親を迎えに行かせるからって。
うん。分かった。
僕、待つよ。
恐いけど、寒いけど、お腹空いたけど。
待ってるから。
お願い。
早く来て。
僕のマァマとパァパ。