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ちびマの冒険  作者: 秋野空
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女神しゃまのクエストの話~その9

女神しゃまのクエストの話~その9



エルフさん。お名前はリードリンデさん。

なんで彼がスラムの元締めをしているのかと言うと


「元奴隷ね」

「はい。この国では100年程前に奴隷と種族差別が禁止されたので、解放されました。ですが私の故郷は300年前に滅ぼさ、一族は散り散り。生きているかも分かりません。戻る場所もない私にはここしか身の置き所がなかったのです」

「なるほど。で、結果として長命な君はここの元締めに就任したと」

「覚えはないんですけどね。まぁ相談にのったり魔法で色々やっていましたから、致し方ないかと……」


それでも最近は精霊さんが減っていて得意な精霊魔法が使えなくなったので、水不足を解決することも出来なくて困っていたらしい。


そこに僕達のお家から何十年ぶりかのお水が流れてきて、スラムの人達もこれで少しは生き延びれると喜んでいたのにおじちゃん達のせいでお水が止められたと知って暴動?が起こっているって。


「パァパ」

「みなまで言うな。セバスに命じてすでに流れは再開させている」

「ありがとうございます」

「精霊も後で少し解放しますね」

「…………は?」

「私達の家では現在、沢山の精霊が生まれています。ただまだ幼くて外に出すのは危険な為に庭にとどめているのです」


うん。僕達のお家と言うかお庭はマァマの力の影響でとっても自然が豊かになってるから、精霊さんもいっぱい生まれてるんだよ。


それにパァパが言うには女神しゃまの使徒である僕が居るから、この世界生まれの精霊さんには、とっても居心地がいいだけでなく、成長もしやすい環境になってるんだって。

だから普通なら精霊さんの成長にかかる時間も短縮出来るとかで、僕は今その為の力の使い方と制御の仕方をパァパに習っている所なんだ。


早く生まれた精霊さんの何体かはもう外に出ても大丈夫ぐらいには成長してるけど、純粋培養だから外に出すのは心配でマァマがとどめていたの。


でも目の前にいるエルフさんなら精霊さん達に無茶なことをしないだろうから、今度お家に来てもらって精霊さんと契約をしてもらう事になりました。


「重ね重ね………ありがとう……ございます」


エルフさんにとって、この世界が瘴気に犯されていくのをただ見守ることしか出来なかったのが、悔しくて悲しい事だったようでお目々に涙が溢れていた。


「………エルフしゃん。女神しゃまが『ごめんなさい』って………異世界人の召喚を阻止できなかっただけでなく、世界樹も守れなくて……」

「それは違います!世界樹を守るべきは我が一族の使命でした。それが…………瘴気を操るあの男の前ではなすすべもなく………」


なんと!目の前のエルフさんは世界樹の護り手の一族だったとは!!


あ、そう言えば最後の天狐を看取ったって言ってたっけ。


この世界の天狐は、世界樹から産まれて世界樹と生死を共にする種族だから世界樹が切り倒された事で、天狐も死んじゃった。


でも新しく生まれた僕は世界樹とは関係ない所で生まれたし、今ある世界樹はマァマの力で生まれたから今までの天狐とは違うので仮に世界樹が切り倒されたとしても僕は大丈夫なんだって。


もっとも女神しゃまより遥か上の世界の神しゃまの使徒であるマァマが生んだ世界樹を切り倒せる存在なんて、そうそう居ない。

と、言うより切り倒せるのはパァパぐらいで、マァマ大好きなパァパがマァマが悲しむ事をするわけないから、この世界の世界樹は安泰です。


女神しゃまによると300年前に召喚された異世界人さんは、元の世界でもやらかしてたらしくて、元の世界の神しゃまに疎まれてたらしい。

そんな時に別の世界であるミュールフェリスから召喚されて、これ幸いと押し付けられた。


ミュールフェリスの方が下の世界だったから、どんなに頑張っても女神しゃまには回避が出来なかったのもこの世界の崩壊が早まった一因。


で、アトールって言う神しゃまが管理してた世界なんだけど、パァパが苦労したって言うぐらい酷く歪な世界でしかもパァパが派遣される前に自分の世界を放棄して逃げ出そうとしてたらしい。


その逃げ場に選ばれたのがミュールフェリス。


だからアトール信仰が盛んになっちゃった。


どうも何度か降臨したっぽい。


ぽいっていうのは女神しゃまに感知されない様に自分の神殿内に顕現していたからで、すでに世界を崩壊から守る為に手一杯だった女神しゃまには防ぐ事も、地上に顕現する事も出来なくて後手後手に回ってしまい結果として、信仰が失われちゃって上の世界の神しゃまに泣きついたっと。


こういうのを踏んだり蹴ったりって言うんだよね。


女性にそんな酷いことするなんて、男の風上にも置けないってパァパが怒っている。


僕は絶対、そんな酷いことしないからねパァパ。


女・子供・年寄りは護るものなんだよね?


「世界樹の護り手だったって事は聖域に住んでいたって事だよな?」

「はい。ですがかつての聖域は世界樹が切り倒された後に瘴気が溢れて、生き物の棲めない土地になりました。もっともあの男にとっては、居心地の良い場所になったらしく………アトール神殿を建てて、そこの初代神殿長になり、好き勝手に暮らしていたようです」

「………名前は?」

「一度も名乗らなかったので知る者はおりません。自身を表す時には『アトールの使徒』と名乗っていた様ですが………先程の話を聞く限りにおいては頭に自称と付けるべきですかね」

「………だな。しかし、自分で押し付けってか、捨てといてちゃっかり乗り換えようとしてたとは…………あいつの罪状追加だな」

「まだ消滅されてなかったの?」

「一応、再教育中らしいけど多分、今回ので消滅決定かな」

「そうね。迷惑な存在はとっとと排除しないと」


おぉ。マァマが静かに怒ってる。


「まぁ崩壊の方はなんとか目処がついてる。新たな世界樹も無事に成長しているし、あとは」

「女神ミュールフェリスの信仰を取り戻して、この子が大人になればね」

「はい。不甲斐ない私でも何らかのお力にはなれましょう。どうかよろしくお願いいたします。新たな天狐様」


あ、そう言えば名乗るの忘れてた。


「あー………今更だが、俺の名前は『あかマ』」

「私の名前は『しろマ』」

「僕、『ちびマ』」

「……………変わったお名前ですね………」

「この世界に居た天狐は真名を隠していなかったのか?」

「…………聞いた覚えはありませんが………普通は隠すものなのですか?」

「隠すと言いますか………私達の真名は使徒になった際に仕える神に捧げましたので……」

「我が君に仕える天狐は俺達しか居ないから名前が無くても不便には思わなくてな、ただちびマの成長の為にも地上生活を余儀なくされて名前が無いのは不都合だから付けたんだが………やはりもっと真面目に考えるべきだったか?」

「僕、しゅき」

「私も気に入っているから、他人になんと言われても改名するつもりは無いわよ?」

「あー…………うん、まぁ俺も割りと気に入ってるかな………」


世界で一つだけの名前って威張れるもんね♪


「…………息子が前向き過ぎて辛いってか痛い」

「後ろ向きよりは良し」

「確かに!あ、それと冒険者ギルドで『銀狐ファミリー』でパーティー登録してるから何かあったら連絡よこせ」

「よろしいので?」

「家には結界が張ってあるし、常に家にいるとは限らないからな」


うん。そのうちダンジョンに行くからね。


「わかりました。ではもし私達でもお役にたてる事がありましたら、なんでもお申し付けください。スラムの元締めは伊達ではありませんから」

「そうだな。いま必要なのは最近、起こってる行方不明事件について情報が欲しいのと」

「女神ミュールフェリスに祈りを捧げてくださいな。それが女神のひいてはこの子の力となりますので」

「それは喜んでいたしましょう!………ただ出来ましたらミュールフェリス様の神像をいただけませんか?その方が皆に説得しやすいかと」

「お前さんだけでも祈ってくれれば問題ないが」

「祈る姿を見て誤解されたくはないので」

「う~ん………でもな………」

「パァパ。僕、ばんがる」

「あ?…………あー。頑張るね」


う?………あれ?僕、頑張るって言わなかった?


「仕方ない。教えてやるから頑張って造れよ?」


うん。そうだ!同じ造るなら聖域でマァマに見せて貰ったご本に載ってたみたいな………

えっと噴水がいいかな♪

あれなら見つかっても壊されたりしないよね?


アトール信仰してる人達って過激な人が多くて、他の神しゃまの神像を見つけると異教徒って言い掛かりつけて壊して回るって聞いてるし、噴水なら大丈夫だよね?


「おみじゅんとこでダーってするのつくゆ」

「…………お水の所でダー?」

「うっと………ふ・ん・す・い」


言えた!


「………一文字ずつ区切らないと言えないなんて………なんて………可愛いのかしら♪」


あう!マァマ。

エルフさんの前でスリスリしないで恥ずかしいよ。


「なるほど、噴水とは考えたな。それならついでに」


パァパ。お顔が黒いよ?











あれから僕はパァパの指導の元、女神しゃまの神像を魔法で造りあげた。


細部にまでこだわったお陰で魔法制御の能力が上がって、前よりもずっと早くそして精密に魔法がうてるようになりました。

うん。頑張った。


噴水として造った神像はパァパが浄化の魔石を組み込んだ事で直接、噴水のお水を飲んでも大丈夫になった。


たとえ毒物混入されても噴水から出てきたお水なら安心だから、お水を汲むときは噴水の像に感謝の祈りを捧げるようにってエルフさんが言った事で、スラムの人達はいつでも安心してお水が飲める事に感謝して大人も子供も必ずお祈りを捧げてくれるようになった。


女神しゃまの名前を言わなくてもそっくりな女神しゃまの像を介してちゃんと女神ミュールフェリスしゃまの力になった事で、僕の出来る事が少し増えました。


それは回復魔法。

まだマァマと一緒じゃないと上手く扱えないけど、擦り傷ぐらいは自分で治せる様になったから、パァパと訓練中におった怪我は練習の為にも自分で治してる。


もう少しするとスキルレベルが上がって打ち身や捻挫も治せる様になるからってパァパとマァマの神しゃまから「人体の不思議」って絵本をもらいました。


はじめに見たときは怖いって思ったけど、読んだ方が回復魔法の精度が上がるって言われて、怖々読んでます。

でもこれはまだミュールフェリスには過ぎた知識だから外に出してはダメって。


出来たらエルフさんには教えたいんだけど………


そしたらマァマが神しゃまと相談してくれて、僕が大きくなって女神しゃまの力がちゃんと世界中に行き渡るようになったら開示していいって♪


うん。僕、頑張る。


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