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第四話 行動開始

やっと学校がひと段落したので投稿。

あの後、ヘリで横須賀から総統官邸に移動した俺は、二人と別れ、執務室に入った。


そこには鈴ヶ谷副総統が待っていた。


「総統閣下!遅いですよ!何をやっていたんですか!」


「悪い悪い、少し話し込んでしまってな。」


「話し込んでしまったって…はぁ、もういいです。分かりました。今回は許します。でも次からは気を付けて下さいよ。」


「分かってるさ…」


苦笑を交えながらそう返す。鈴ヶ谷副総統がご立腹な時は、素直に誤った方が早いのだ。

一度、ゲーム内で彼女を怒らせたことがあるのだか…あのときは、体感3時間は説教された覚えがある。キツかったなぁー…。


その怒らせた理由というのが、職員の目を盗んで専用機のM.C.F.モビルコンバットフレームで、前線視察と言って、中東対テロ戦線で、味方に混じって暴れ回って、囲まれて死にかけた事なのだが、あのときは「ほんとにいい加減にしてください!ご自分の立場をお考えにならなれてください!もし、総統閣下がお亡くなりになられるような事があったら…!」と言われまくった。しかも後半涙目だったし。

なんかね…うん。言いしれない申し訳なさが湧いてきたね…。



「それで…何か変わったことはあったか?」


「…それが…」


「なんだ?何かあったのか?」


「…はい。実は先ほど報告があったばかりなのですが。」


「?」


妙に言いよどんでるな…よっぽどいいにくい事なんだろうか?


「先ほど、北部航空方面隊司令部から連絡がありまして…領空侵犯機への警告任務で領空侵犯機一機を撃墜したと…。」


「…撃墜だと?墜おとしたのか?」


「はい…どうやらそのようで…」


もし本当に撃墜しているのならば、戦争になりかねないのではないだろうかと思うのだが…


「…防衛省は許可したのか?」


「『攻撃を受けた以上、自衛権を行使して反撃するのは当然のことだ。』と…」


「…攻撃を受けたのか?」


「はい…」


攻撃を受けたのであれば、こちらにも言い分はある。


「領空侵犯機の機種は?」


「それが…ドラゴンだそうです。」


「…は?ドラゴン?」


いやまあ、ここは異世界なんだし、それ位いてもおかしくないんだろうが…



「ただ…警告にあたった要撃機のパイロットによると、人が背中に跨っていたとかで…」


「…その人物の脱出は確認できているのか?」


「いえ、できていないそうです。そのため、すぐに海軍の大湊鎮守府の第五艦隊、並びに空軍の海難航空捜索隊、マリガーの第二管区海上管理本部の三つに捜索命令を出しました。」


「さすが…仕事が早いな。」


「この程度ならば当然です。」


「…それもそうだな。」


ここまでしっかり捜索命令が出ているのであれば、そうそう問題はないだろう。


後はこれからどうするか、だが…せっかくだ。状況を知るためにも、各閣僚に緊急会議の招集をかけよう。

 

 

 

 

─────────────────

 

 


 

「それでは只今より、緊急閣僚会合を開始いたします。」

 

 

その一言と共に、会合が始まった。


今回の会合に参加しているのは、俺と鈴ヶ谷副総統以外に、

 

武井たけい 海斗かいと 総務大臣

明日葉あしたば 太一たいち 官房長官

柳井やない 愛美あいみ 法務大臣

今川いまがわ 洋太ようた 外務大臣

棚神たながみ 咲夜さくや 財務大臣

宇良山 みつる(うらやま みつる) 防衛大臣

七内しちない 玲二れいじ 文部科学大臣

羽田はだ 善一郎ぜんいちろう 厚生労働大臣

谷井たにい 香織かおり 農林水産大臣

桃谷ももたに 恵一けいいち 経済産業大臣

櫛田くしだ 光輝こうき 国土交通大臣

中野なかの 悠季ゆうき 環境大臣

山谷やまたに 瑠夏るか 国家公安委員長

 

以上13名だ。

 

主要省庁はこれだけだが、他にも金融庁長官等の長官職が幾つかある。

 

因みに、もうわかっている人も多いとは思うが、総統と副総統はそれぞれ、内閣総理大臣、副総理に当たる役職である。

まぁ、持っている権限などは全く違うが…

 

「まず、報告がある方は報告してください…はい、宇良山大臣。」

 

進行役の鈴ヶ谷副総統が、最初に手を挙げた、宇良山防衛大臣を指名する。

 

「はい…それでは報告します。もう、この場にいる皆さんは把握していると思いますが…つい二時間ほど前、青森県の国防空軍三沢基地所属の、F-15戦闘機が、我が国の領空を侵犯してきた国籍不明機1機を撃墜しました。」

 

これはさっき、副総統から聞いた話だ。改めて聞くと、やはりかなりまずいことをした気がする。

 

 

 「……」「ウソだろう…」「冗談じゃないぞ!」「防衛省は何をやっているんだ…」


他の大臣からも、批判と思しき声が漏れる。

 

「質問…いいですか?」と今川外務大臣が挙手をする。

 

「どうぞ。」

 

「それでは…宇良山大臣。その国籍不明機の撃墜は、回避出来なかったのですか?」


「…部下からの報告を聞く限り、完全な回避は不可能だったと推測しています。」

 

「『完全な』が無理なだけなら、例え不完全だったとしても、回避する方法はあったのではないですか?」

 

「その時点で、警告にあたったパイロットは、『規定されている回数の呼び掛けは完了しており、警告射撃も行った後で、結果的に従う様子が見られなかった。』と言っていることから、法律に定める、『自衛権の行使』に基づいた正当な対処であったと、防衛省としては考えています。また、当該機は、国籍不明機からの攻撃を受けていることからも、それは明白です。」

 

「!?…そう、ですか…分かりました。」

 

宇良山防衛大臣と今川外務大臣の質疑応答が終わると同時に、鈴ヶ谷副総統が、他に質問はないか、全員に確認するが、結局、質問はなく、そのまま次に移る。

 

「それでは、他に報告したい方は…?」

 

「はい。」

 

「桃谷大臣。」

 

「はい。それでは、私からは現在の国内経済に関して報告させて頂きます。現在、本土、南方諸島、オーストラリア大陸、ニュージーランド島、中部太平洋諸島群、海上大型都市フロート群、何れにも、今すぐ解決すべき、という程の混乱は起きていません。ですが、このままの状況が続けば、国内経済が停滞する可能性が高いと思われます。」

 

これもまた無視出来る程、軽い問題ではない。 

 

だが、こればっかりは、自分たちの国だけで解決できる話でもないだろう。

 

となると、やはり…

 

「外地との接触か…」

 

ボロっとこぼれたその一言に、各大臣が反応する。

  

「しかし、外地と接触するにしても、どうやって…」

 

「今回の龍が飛んできた方面ならば、陸地は見つかるのでは?」

 

「仮に探すとして、どう探すっていうんだ。」

 

「そりゃー、空軍の長距離哨戒機か、海軍の艦隊で…」

 

「航続距離が足りるとは限らないのでは?」

 

「哨戒機はともかく、海軍艦隊には洋上補給能力持ちの補給艦を回せば…あるいは」

 

「補給艦自体の航続距離はどうする。」

 

「それは…」

 

「と言うか、人工衛星や月面基地と衛星軌道上にある各基地の国防宇宙軍に協力を要請すれば…」

 

だんだん取り留めがなくなってきたので、俺の鶴の一声で決めますか。

 

「と、に、か、く。」


その声で会議室は静まる。

  

「哨戒機、艦隊共にできる範囲で、陸地の捜索を行うこと。人工衛星はしばらくこの星の観測、情報収集を行うこと。宇宙軍に関しても、同様とする。いいな。」

 

「分かりました。」

 

会合はここで終了した。

 

 

方針は決まった。後は動くだけだ。


 

微笑を浮かべながら、俺はそんなことを考えていた。

あ、そう言えば感想ありがとうございました!

これからも感想よろしくです!

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