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第二話 異世界にて生きる道は

第三話です。

『ふむふむ…なるほど、そういうことでしたか。』


「そういうことでした。」


あの後、暫く放心状態だった俺は、5分ほどして再起動。

鈴ヶ谷副総統に、現況を説明していた。


『…いかがしますか?もし、総統閣下が本国に戻りたいというのであれば、強襲揚陸艦の猿投か三国辺りに乗っけて、特戦群かスペツナズ辺りを送りますが…』


「いや、まぁ、本国には戻りたいが…猿投や三国はともかく、スペツナズはいるか…?」


『なにをおっしゃるんですか!もし総統閣下の身に何かあったら…私は…』


あ、泣かせちまったぁぁぁぁぁ!しまった…海白崎みさざき中将に怒られるッ…!


あ、因みに海白崎中将と言うのは、本名海白崎 夏那子(みさざき かなこ)、国防海軍の東南アジア方面軍パラオ基地第六艦隊の司令官をやっている人物のことね。おけ?


「あー、待て、分かった分かった。泣くな。それでいいから。」


『…グスッ…では、何時迎えの部隊を出しますか?』


よし、泣き止んでくれた…。


しかし…何時迎えに来て貰うか…迎えに来て欲しくなったら、こっちから連絡するか…。


「じゃあ…迎えに来て欲しくなったら、こっちから連絡するから…そん時にはよろしく。」


『…了解しました。それと、総統閣下にお願いが…。』


お願いかー。


「ん?なんだ?」


『国防空軍と国防海軍に出撃許可を出していただけませんか?周辺地理を、ある程度、把握しておきたいのです。』


確かにそれはやっておいた方が良いかもしれないな…。


「なるほどな…確かにそれは一理ある。…分かった、許可しよう。」


『ありがとうございます。』


「それで、お願いと言うのはそれだけか?」


『はい。これだけです。』


「そうか…それじゃあ、また連絡する。」


『はい、それでは…あ、そうだ。』


「ん?」


『帰ってきたら私とデートして下さい。』


「ブフォ!」


副総統からのまさかの爆弾投下。


ってか、え、なに?デート?は?


「…なぜ、またそんなことを?」


『なんとなくです。後、総統閣下のことが好きだからです。』


「…は?いやなんで?マジで?」


『マジです。』


「えー…何その展開…唐突すぎない?」


『愛さえあれば問題ない!』


「君そんなキャラだっけ!?」


『と、倉吉少将に言われたので。』


「だろうねぇ!ってかまたあいつかよ!」


倉吉少将と言うのは、本名倉吉 遥馬(くらよし はるま)。国防陸軍本土防衛軍西部方面隊第四師団司令をやっている人物(変人)のこと。おけ?


「まぁ、分かった…要するにデートすれば良いんだろ。おまえと。」


『はい。そうですよ。』


「ハァーーー…」


『え、なんですかそのため息。』


「いや、何でも無いよ…」


と、その時、部屋の外から足音が聞こえてきた。


「あー…誰か来たみたいだ。じゃ、迎えに来て欲しくなったら連絡するって事で。じゃあな。」


『はい、それではまた…(ブツッ、ツーツー』


そして、電話を切ると同時に、部屋のドアがノックされた。


コンコン、と言う声と共に聞こえてきたのは、


「蒼月君…起きてる…?」


クラスメイトの四ノ宮涼華の声だった。






━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━





「ごめんね?こんな時間に。」


「いや、別に構わないけど…」


俺は、部屋のドアがノックされたあと、四ノ宮にドア口で応対した。


何でも、異世界に来て、いきなり家族などに会えなくなってしまったショックからか、中々寝付けなかったので、眠気がくるまでの間の話し相手として、俺が何故か(・・・)呼び出されたらしい。



と言うわけで、今俺達は城の中にあるテラスに来ている。


俺達は、とりあえず、いくつか置いてあるテーブルの一つに腰かけた。


対面にイスが置いてあるので、すわると必然的に四ノ宮の顔が前に来る。


彼女の顔は、月明かりに照らされ、どこか神秘的だった。



「そう言えばさ…」


「ん?」


「蒼月君と、こうやってゆっくりお話しした事って無かったよね。」


「え?あー…確かに、そう言われてみればそうだね。」


根本的に住んでる世界が違うからね!とは流石に言えなかった。

言ったら無駄に傷つきそうだし。


「…ねぇ。蒼月君は、さ。異世界に連れてこられちゃって…怖くない?」


俺はとっさに、顔をふせる。


動揺した表情を見られたくなかったからだ。


そして、俺は、ポツポツと絞り出すように、声を発した。



「…まぁ…怖くない、と言えば嘘になるかな。でも。」


「でも?」


「せっかく、異世界に来るなんて、普通なら絶対出来ないような体験が出来たんだから、ラッキーだなー、なんて思ったりしてる。」


そして、一生懸命強がった。


「…強いんだね、蒼月君は。」


「別に…別に俺は、強くなんかないさ。ただ、どうにもならないからって、諦めてるだけだよ。」


「ううん。そんなことないよ。」


ふと、目の前のイスから四ノ宮が立ち上がるのを感じる。


それに気付いた俺も、顔を上げる。



彼女は、テラスを囲う、凝った装飾が施された柵にもたれかかっていた。



その姿は、さっきとは段違いに、神秘的で、美しく、そして、







女神のようだった。








そして、彼女が口を開く。







「もし、この世界から帰れるときが来たら…」





その時は、私と───────────







彼女がそこまで言った瞬間、突然の風で、彼女の声はかき消された。



でも、なんとなく、想像がついた気がしたのは、多分、



気のせい(・・・・)なんだろうと思った。








━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━






結局、その後四ノ宮とは少し喋った後、すぐに分かれた。


俺も自分の部屋に戻り、ベッドに潜り込み、そのまま眠りについた。





━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━



そして翌日。


俺達は、メイドに案内された食堂で、朝食をとっていた。



相変わらず、クラスメイトの俺を見る目は変わらないが。



昨日、王女様に聞いた話によると、今日から早速、剣術や魔法の訓練を始めるそうな。


だが、俺はもうあっちに帰る気満々なので、適当に自分は戦力になれないからとか言って、王城を出るつもりでいる。


副総統への電話も既に早朝、大体、午前四時半ぐらいに済ませてある。


まぁ、電話したら、もう電話に備えて、強襲揚陸艦の三国率いる第四揚陸隊群を王国の近海に展開済みですと言われたときは、流石に驚いたが。



そんなことを考えていると、王女様が食堂にやってきた。



「皆様?昨晩はゆっくり眠れましたでしょうか。…昨日にもお話しした通り、今日から早速、剣術の訓練を受けていただきます。」


よし、今だ。


「あー…すいませんちょっと良いですか?」


「はい?なんでしょう?」


「自分は…その…はっきり言って…あまり、戦力になら無いと思うんです。」


「それで?」


「自分はこの城を出て、勇者から外れても良いですか?」


「…わかり…ました。」


よし、作戦成功。


「ですが、わが国の面目を守るためにも、お金や、剣をお渡ししたいのですが…」


金はともかく、剣は…いや、まぁ貰って損はないはずだし…一応貰っとくか。


「わかりました。じゃあお願いします。」


すると、王女様はお付きのメイドに命じて、剣と貨幣の詰まった巾着袋を持ってきて貰って、それを俺に渡してきた。


「少ないかも知れませんが…」


「いや、これはだけあれば十分です。」


俺は踵をかえし、食堂の出入口に向かう。


「待たないか、蒼月君。」


だが、白良木先輩に呼び止められる。


「本当に行くつもりなの?ここに残ろうとかは思わないのかい?」


「…まぁ、昨日の夜に覚悟はしましたから。」


「……そうか。わかったよ。君がそこまで言うのならば、私は止めはしない。」


「蒼月君…」


四ノ宮もどこか悲しげな瞳で此方を見てくる。


でも、それでも、俺は、




一歩を踏み出した。






━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━




所変わって城下町から少し離れた場所。


一応、鈴ヶ谷副総統が言っていたポイントはここら辺だったはず…



そうして、突っ立ちながら暫く待っていると、バタバタバタ…と言う音とともに、機体のテールブームに蒼丸が描かれた、UH-60JA多目的ヘリが近づいてきた。


まわりにはAH-64D アパッチ・ロングボウが展開している。


すぐにホバリングにうつったUH-60JAからロープが垂らされ、兵士が降りてくる。


「蒼月総統閣下ですか!?」


ヘリのローター音に負けないためにか、大声で話しかけてくる。


俺も負けじと、


「ああ、そうだ!」


と大声で答えた。




━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━



その後、俺はヘリに乗り、三国まで戻った。



「お待ちしておりました、総統閣下。第四揚陸隊群司令の高橋たかはし 洋一よういちです。」


「強襲揚陸艦三国の艦長、川嶋かわしま 弘樹ひろきです。」


「ああ、ご苦労だった。すまないな、迷惑をかけて。」


「いえ、これも我々のつとめですから。」


「本土まではどれくらいかかる?」


「はっ。大体5日、かかっても一週間程度です。」


「そうか。わかったよ、ありがとう。」



そして俺は、三国に乗って、本土まで帰るのだった。

なんとか、余り時間を空けずに、あげることが出来ました。


プロットというものを最近になって知ったのですが。


プロットってなんぞや。



と言うレベルで分かりません。

本当にプロットってなんですかね。





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