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プロローグ ちょっと異世界行ってくる

3作目です。

ほかの作品もよろしくお願いします!



…照りつける夏の日差しを背に受けて、今日も我は行く。


なんてくだらない、どこか厨二チックなことを考えつつ、今日もだらだらと学校に登校していく男子生徒が、一人。


勿論のこと、俺、蒼月あおつき 総悟そうごのことである。


「あっつー…溶けそうだ…学校溶けて無くならないかなー」


今日は八月三日。悪魔の登校日で、なおかつ、最高気温四十度超えの、絶好の熱中症日和。


なので、ぶっちゃけ学校なんて行きたくなど無いのだが、行かないとなぜか俺の事が嫌いなはずの妹が拗ねるので行かなければならない。


なんせ拗ねると好きなものを買ってやるまで機嫌を直さなくなってしまうのだ。

出来る限り高校生の身分である自分は、経費を節約したいのだ。




そんな事を考えているうちに学校に着き、昇降口で靴を履き替えようとしたのだが─────


「…はぁ、またか…」


──────下駄箱の中は、草や花でいっぱいになっており、お花畑状態だった。




まぁ、この時点である程度の察しはついただろうが、実を言えば俺はこの学校でいじめられている。


勿論、全員が全員いじめてくるわけではないが、それでも、どちらかと言えばいじめてくる方が多い。


仕方なく、詰め込まれた草花をまとめて、ゴミ箱に放り込み、何事もなかったように、靴を履き替え教室に向かった。








━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━





教室に入ると俺の机は、逆さまにされ、上面には様々な暴言や悪口が水性ペンで書き込まれている。

油性ペンでないのは、証拠隠滅をしやすくするためだろう。


「うわキモっ」

「さすがキモオタ」

「生きてて恥くないのかな」

「死ねば良いのにね、あんなキモオタ」

「それなw」


周りからそんな言葉が聞こえてくるが、俺は気にしない。

か、悲しくなんてないんだからねっ!…あれ、悲しくないのに、目から汗が出そうだなぁー何でかなー?


と、そんな状況を打ち破る声が、教室に響いた。


「みんな、そんなこと言っちゃ駄目だよ!」


ふと、その声の発生源に目を向けると、そこにはクラスメイトの四ノしのみや 涼華すずかがいた。


彼女は数少ない俺をいじめない人間の一人で、ブラウンのロングヘアーで優しげな瞳を持つ、成績優秀、容姿端麗、将来有望と言った賛辞の言葉かよく似合う、俗に言う完璧美少女と言うべき生徒だ。


「そうね…弱いものをいじめることしかしないなんて…ろくでもないわね。」


後ろから追撃するように、侮蔑の言葉を放ったのは、同じくクラスメイトの天堂祠てんどうじ 真衣まい

彼女もまた四ノ宮と同様にとてつもない美少女と言え、肩まで伸ばした青みがかる程の黒髪に、きりっとした目元が、クールな印象を持たせている。


聞いた話だと剣道の腕がすさまじいらしく、所持段数自体は剣道の規定の関係で三段だか、腕前自体は八段に匹敵、少なくとも、受ければ七段は確実に受かるレベルの腕前らしい。

剣道のことなどよく分からないが、とにかく強いと言うことらしい。

また、剣道をやっているからか、トップクラスにスタイルが良い。実は読モやってましたと言われても、納得できてしまうと思う。多分。


「確かに…あんまり良くないな。」


こっちの男子生徒は、冷峰ひやみね 拓翔たくと

さっき言った、四ノ宮涼葉の幼馴染みだそうで、多分四ノ宮のことが好きなんだと思う。カンだけど。


金髪だが、まるで、アイドルのようなイケメンさで、容姿端麗、と言うのは彼みたいな人物のことを言うんだなぁと思わされる。

成績もきわめて優秀で、スポーツ万能なので、まさに完璧超人だと言える。




彼等三人は、このクラスの学級内階級制度スクールカーストの中でも最上位に位置していると言える連中で、俺みたいな最底辺近くに位置するやつとは住んでる世界が違う。



ぶっちゃけ、彼等のせいでいじめが加速している部分もあるので、個人的には関わって欲しくないと思っていたりするのだが。


「あ?うっせぇよ。誰をいじめようが俺らの勝手だろ?」

「ぶっちゃけ、チョーウザイんですけどー」


それに刃向かうは、我が校の不良代表、立川たちがわ 恭也きょうやと、美山みやま 明姫あき


立川は、性格こそ悪いが、顔はイケメンで、冷峰が正統派イケメンだとしたら、立川はちょい悪俺様系イケメンだと言える。


美山の方は、レベルの高い美人ではあるが、校則違反のメイクを平気でしてきたり、こっちは噂だが、かなり遊んでいるらしく、援助交際なんかにも手を出しているらしい


そして立川の話に戻るのだが、なんでも、立川の父親は、全国的にも有名で、警察にもかなり警戒されている、暴力団の幹部?か組長?をやっているらしい。

なので、先生達もうかつに手が出せないらしい。


「それにしたって、やり過ぎじゃないのかい?」


「あ?うっせーよ。なんでお前に指図されなきゃ行けないんだ?」


「──────ほう?なら私にならどうかな?」


ざわめきだした、教室に凛としたハスキーな声が響いた。

誰もが、その発生源に目を向ける。

するとそこには、われらが生徒会長様に生徒会副会長様(俺の妹)が立っていた。


生徒会長の方の名前は白良木はくらぎ 弥生やよい。この学校で3人目の女性生徒会長だったりする。

銀髪ロングで、珍しい深紅の瞳の持ち主。

何でも、幕末あたりで外国人の血が混ざったらしく、以来、何世代か一人に、日本人離れした容姿の子供が産まれるらしい。


因みに、なんで俺がそんなことを知っているのかと言えば、実は彼女と俺の家が隣同士で、所謂幼馴染みというやつなのだ。

そのため、昔からよく遊んだりしたのだが、さっきの話はその時聞いた話である。



そして生徒会副会長の俺の妹。名前は蒼月あおつき 紗奈さな

まぁ、美少女なのだが…いつからか、なぜか俺は嫌われてしまっている。

理由が皆目見当もつかないので、仲直りのしようも無い。

昔は「おにーちゃん♪」と言って、よく甘えてきた覚えがあるのだが…。



俺がそんなことを考えているうちに、事態は一触即発の所まで進んでいた。


あーもう収集つくのかこれ?なんてことを思っていると─────





─────床に魔方陣が浮かび上がってきているのが見えた。



最初は誰かがいたずらで書いたのか?なんて思ったが、いたずらなら、こんな精巧な魔方陣はかかない。


ならなんだ?と思っていると───────




──────突如魔方陣は光り出し、次の瞬間



































視界は、白く塗りつぶされた。






意識を失う直前、見えたのは


[能力:『第二の世界《the second worlds》』・国名、ウィストレル皇国]


と言う、俺が、唯一他者を圧倒できるゲームの名前と自分の国の国名だった。

プロローグおわり。

次回より本編入ります!

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