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第十話 制圧 1

私学の受験が終わったので投稿。


号令とかはむちゃくちゃです。更には短い。中途半端に終わってる。


三拍子揃って今回ひどめです。

『目標視認……距離、2万!間違いありません、『浜名』です!』

 


艦内に響く見張り員の声に、『冬島』艦橋には張り詰めた空気が流れる。

 

 

「…対水上戦闘よぉーい!!」

 

「対水上戦闘よぉーい!」

 

 

『冬島』艦長の満嶋みつしま 成人なりひとの号令を、副長の旗瀬はたせ 真衣まいが復唱する。

 

 

「……各部配置良し…対水上戦闘用意良し!」

 

「……1分30秒…まずまず、だな…」

 


1分半で戦闘用意を完了し、満嶋は特にそれを褒めることも、貶すこともなく聞き流す。


 

『CICより艦橋。『浜名』との距離、1万9千』

 

「……速力上げ、第一戦速」

 

「了解…速力上げ!第一戦速!」

 

「第一戦速ー!」

 

 

それまで原速航行していた『冬島』は、第一戦速に急加速して、『浜名』に接近する。

 

 

(…シーホークでは怪我人が出た…つまりは、『浜名』は撃てるということだ…これは厄介だぞ…)

 

 

満嶋はそう考えていた。

実際、制圧されているとはいえ、学生艦を沈める事は出来ない。

相手が撃ったりしないのであれば、まだやりようはあるが、シーホークが機銃で容赦なく撃たれたという話を聞く限り、主砲も容赦なく撃たれる可能性が高かった。

 

今回は『あの部隊』を投入するとの話だが、そもそも、どうやってあの艦に乗り込むのか。それが満嶋には気になっていた。

 

そして、その不安は的中する。

 

 

『……『浜名』に発砲炎!発射弾数二!』

 

「回避!おもーかーじ!!」

 

「おもーかーじ!!」

 

 

号令と共に、『冬島』の巨体がゆっくりと右に曲がり始める。

 


『砲弾、本艦の左を通過!!』

 


艦内に響くCICからの報告に、ひとまず胸をなで下ろす。

 

が、

 

 

『『浜名』、再度発砲!数二!』

 

「とりーかーじ!」

 

「とりーかーじ!」

 

 

再び号令と共に、『冬島』はその巨体を左に滑らせる。

全くもってきりがなかった。

 

だが、この後『冬島』は主砲で、相手の主砲を封じ込むことになっている。

 

その時は着々と近づいていた。

 

 

 


 

そして数分後、遂に『冬島』は主砲を起動する事となった。

 

 

「…対水上戦闘、主砲攻撃よぉーい!」

 

「了解!主砲攻撃よぉーい!」

 


号令が出されると、艦首に設置された『冬島』の5インチ単装砲が、『浜名』の方を指向する。

 


「目標を『浜名』第二、第三主砲塔に設定!」 

 

『了解……目標設定よし。主砲攻撃用意良し、発射弾数二発。撃ちぃー方ぁーよぉーい』

 

「…主砲撃ちぃー方ぁー始め!!」

 

『撃ちぃー方ぁー始めぇー!』

 


ダンッ!……ダンッ!

 

間隔をあけて、二発の五インチ砲弾が発射される。

 

そして、発射された砲弾は、真っ直ぐに『浜名』の後部二基の主砲塔に向かって飛翔し、命中した。

 


「…学生艦の主砲塔が自動化されてて助かったな…」

 

 

満嶋は小さな声でそうボヤく。

 

実際、『冬島』の砲撃によって、『浜名』の後部二基の主砲塔は、完全にひしゃげており、これが第二次世界大戦時のような人力装填の主砲であれば、確実に死人が出ていたであろうことは、容易に想像できた。

 

また、唯一の懸念事項であった主砲塔内部の弾薬の誘爆は、『浜名』が砲撃した直後に行うことにより、主砲塔内部に弾薬がない状態で破壊した為、なんとか防ぐことが出来ていた。

 

 

『…『浜名』、取舵取りました。本艦の前方に出ます』

 

「……T字戦でもするつもりでしょうか?」

 

「後部砲塔を全部潰されたんだ。T字戦じゃくて、前部の主砲の射角を取りたいんじゃないか?」

 

 

だが、『浜名』は反転せず、そのまま反対側に回り込んだ。

 

これに対して、満嶋は前部主砲も潰すように、命令を出すか思案した。


しかしここで、『浜名』は満嶋の予想を裏切るような行動をとる。

 

 

『────こちら右舷見張りデッキ!『浜名』が魚雷を発射しました!』

 

「なんだと───!?」

 

『こちらCIC!水中に推進音!恐らく魚雷です!数は4、本艦に向け高速接近中!距離、1万2千!』

 

(───酸素魚雷にしたって遠過ぎる……まさか、長距離誘導魚雷か!?)

 

 

満嶋は混乱する。

事前の情報では、『浜名』には少数の通常魚雷しか載せていないはずなのだ。

それが長距離誘導魚雷なんて代物を載せているのだ。

 

そもそも、まだ長距離誘導魚雷なんてものは、しっかりとした実用化はされていないのだ。まだ軍で開発途上のもので、『浜名』のような学生艦が載せているはずのない代物なのだ。

 

しかし、現に『浜名』はその魚雷を放っており、発射された以上、迎撃、もしくは回避なりをしなければならない。

 

幸い、満嶋は長距離誘導魚雷が、そこまで命中率の高い代物でもないことを知っていた。

だからこそ、冷静に対処することが出来ていた。

 

 

「右魚雷戦用意!対潜警戒厳となせ!魚雷攻撃用意!」

 

『右魚雷戦用意…前部VLS、ATM-132J発射用意!』

 

 

すぐさま、満島は指示を出し、CICはATM-132Jの発射準備を行う。

 

ATM-132Jとは、ウィストレル国防海軍が開発した、魚雷迎撃用魚雷である。

正式名称は『ATM-132J Torpedokiller』。

イージス艦などのエリアディフェンス艦を持ってしても防げないことがある、潜水艦等に雷撃を許してしまった場合、従来であれば艦砲や機銃などで海面を叩き、信管を誤作動させて魚雷を迎撃するが、この方法だと、成功の確率が割と低かったのだ。

その迎撃をより確実なものとするために開発されたのが、この『ATM-132J』である。

VLSから発射するタイプと、短魚雷発射管から発射するタイプが存在し、今回『冬島』はVLSから発射するタイプを使用しようとしていた。

 

 

『到達まで、残り240秒!』

 

『────ATM-132J発射用意よし!』

 

「────撃てぇーーーー!!」

 

 

号令を出したあと、数瞬の間を置いて、4発のATM-132JがVLSから発射される。

ATM-132Jの発射炎で一瞬艦橋内が照らされるが、直ぐに収まっていく。

 

その間も、発射された4発のATM-132Jは、目標地点に向かっていた。

このATM-132Jは、発射方式が少しアスロックに似ている。


ロケットで加速された4発の弾体は、数秒後には目標地点の海面にパラシュートで減速しながら着水し、一直線に目標に向かっていく。

 

 

『目標到達まで残り30秒……』

 

「頼んだぞ…」

 

 

満島は祈る様に手を顔の前で組んでいた。

 

そして─────

 

 

『命中まで10秒、9、8、7、6、5、4、3……マーク、インターセプト』

 


果たして────

 

 

『……こちらソナー手。反応消失…迎撃は成功です!』

 

「…ぃよっし!」

 


迎撃は成功した。

しかし、未だ『浜名』の確保ができた訳では無い。

『冬島』の乗員たちは、かち合わないよう回避しつつ、『あの部隊』の到着を待つこととなった。

 

 

そして10分後──────

 

続きますよー…一応。

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