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第七話 王都警備部隊

皆さん、明けましておめでとうございます!


今年も宜しくお願いします!



新年一発目、どうぞ!

「なんて大きな船だ…」

 

「いや、そもそも船か?」

 

「船じゃないなら…要塞?」

 

「いや、要塞は流石にないだろ…」

 


 

ザワザワ…ザワザワ…


 

今、アルセイア王国王都シェルフィーグの港では数百人の野次馬が集まっていた。

 


「野次馬ばっかですね…。」

 

「…だね。」

 


空母『あまぎ』の艦橋では、浦地司令と五十子艦長の二人が会話していた。

 

と、そこで一人の士官が艦橋に入ってくる。

 

 

「司令。相手側が代表者を出せ、と…」

 

「…仕方ない。行こう。」

 

「いいんですか?」

 

「いや、行かなきゃダメでしょ。」

 

「…お供します。」



そんなこんなで、港に降りることになった。

 

 

 

 

 

 ━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

 

 

「アルセイア王国軍、王都警備部隊港方面部隊長、グレイル・レクスドネルです。」

 

イギリス系の顔立ちの金髪の、中世の兵士といった出で立ちの人物に自己紹介され、一瞬戸惑うが、素早くふたりは切り返す。

 

「ウィストレル皇国国防海軍、大陸派遣艦隊司令の浦地 翔二等海将です。」

 

「同じくウィストレル皇国国防海軍の、大陸派遣艦隊旗艦、空母『あまぎ』艦長、五十子 玲音一等海佐です。」

 


するとグレイル・レクスドネルと名乗った人物は、一瞬困惑したような表情になるが、すぐに表情を戻し、容赦なく質問を投げかける。

 

「…貴方がたは、なぜ我が国にいらっしゃったのか?それが聞きたい。」

 

だが、ここで浦地はとんでもないミスに気付く。

『あれ?よく考えたら外交官は?外務省から派遣された外交官は?』と…

そう、つまりは外交官がいないことに今更気づいたのだ。

 

「…えーっと、あー…それはですね…」

 

「それは?」

 

だが、一応浦地も理由は知っていた。

だが、外交官でない自分が言ってしまっていいのかどうかわからなかったのだ。

 

 

と、そこで突然後ろの方からドタバタという音が聞こえてくる。

 

耳を澄ますと、うっすら怒声も混じっていた。

 

「ちょ、なんだこの子供!」

 

「誰だよ子供をあまぎに乗せたやつ!」

 

「私は子供じゃないから!?あなた達ちょっと失礼すぎるでしょ!?」

 

「ほらほらー飴ちゃんだよー」

 

「わー、アメちゃんだー…って行くかボケェ!よるな触るな近づくなあっちいけロリコン!」

 

「YESロリータ!NOタッチ!」

 

「マジではっ倒すわよ貴方達!」 

 

「そんなことさえ御褒美だ!」

 

「こいつらもう嫌だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

訂正。ドッタンバッタン加えてボコバキしていた。あと怒声というよりかは後半もう悲鳴だった。

 

「ととっ…行き過ぎる所だったわ。」

 

そして浦地の横で一人の幼女g「幼女じゃない!」…失礼、淑女が止まった。


ってか地の文に突っ込み入れないでくだs「貴方の秘密ばらすわよ。」…なんで知ってんすかアンタ…ってか色々思い当たる事がありすぎる。


 


閑話休題(んなことは置いといて)

 

 

 

 

彼女の名前は岸田きしだ もえ

見た目は小学生高学年にしか見えないが、中身、もとい外交手腕は本物で、第三次世界大戦になりかけた際には、上手く立ち回り、ギリギリのところで各国との連携を図り開戦を防ぎきったと言われている。

ちなみに真の年齢は公表されていないが、第三次世界大戦時から逆算して四十代に到達してもおかしくないとされる。しかし、真実は誰も知らない。

また、幼い容姿は数十年前の国防軍のとある実験の実験台になったせいだとされているが、本人が昔のことをかたくなに話そうとしないので、良くわかっていない。

 


それはさておき、浦地の隣で止まった彼女は、スーツをピシッと着込んでいて、身長が大きければ、さぞ似合っていたであろうと思わせるかっこよさを持っていた。

 


「私は、ウィストレル皇国外務省から派遣された、岸田 萌です。宜しくお願いします。」

 


今までの一連の流れをなかった事のようにして、こちらに問いかけてくる岸田に、一瞬頭がついて行かなかったのか、惚けてしまうが、グレイルは戸惑いつつ、「よ、宜しくお願いします…」と頭を下げた。


 

「…それで貴方がたは我々に聞きたいことがあるのではないですか?」

 

「え、あ、はい。何故貴方がたが我が国にいらっしゃったかです。」

 

なんとか正常に戻ったグレイルは先程浦地に聞いた質問を繰り返して、岸田話す。

それを聞いた岸田は一瞬逡巡したような素振りを見せ、肩にかけていたバックから何枚かの紙を取り出しかけて…再びしまった。

 

「分かりました。お話しましょう。ですが場所を変えていただけませんか?」

 

「わ、分かりました。」

 

そう言うと一瞬考えるような素振りを見せ、

 

「では、我々の詰所でも良かったですか?あそこなら人払いもしやすいですから…」

 

と、提案した。

 

岸田それに対し小さく頷きながら、

 

「分かりました。」

 

と、短く答えた。

 

 

 

 ━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

 

 

 

「では、説明しましょうか。」

 

 

あの後、「一応」ということで陸戦隊の兵士二名が岸田達の護衛についてきた。

 

岸田ははっきり言って「いらないのではないか」と思っていたが、万が一もあるため付き添いを許した。

 

そして今は、詰所にあった硬いソファーに座り説明をするところだ。

 

「まず、我が国がこのような形で突然貴国を訪問することになったことについては、申し訳なく思っています。ですがもちろん理由はあります。」

 

「…その理由とは?」

 

そこで岸田が一度、出された紅茶を飲み、口を湿らせる。

そして再び語り出した。

 

「…先日、我が国の領海内で、他国どうしの武力衝突がありました。」

 

「…………!」

 

その言葉に一瞬目を見開くグレイルだが、またすぐに表情を難しい顔に戻す。

 

「この武力衝突は、我が国の警備組織である、海洋安全管理局所属の艦船が武力を持って制圧しました。ここまでは良かったのですが…」

 

「………が?」

 

「その際拘束した兵士が多く出ました。その兵士の返還について貴国と話し合いの場を持ちたく、今回のような事態に陥りました。」

 

「…つまりは一種の捕虜返還交渉という訳ですか?」

 

「…受け取り方によっては、ですが…」

 


それを聞いたグレイルは、腕を組み考え込む…が、一瞬の逡巡のうちに、口を開いた。

 

 

「…流石に、そこまで行くと我が国の外務局の管轄でしょう。王城に連絡し、直ぐに外交官を回してもらいますから、少々お待ちください。」

 

「…分かりました。」

 

 

すると、グレイルは部屋の奥の扉から出て行った。

 

 

「…ふー…なんとか行けそうね。」

 

残された部屋で、溜息を吐きつつそんなことを呟く岸田。


 

 

 

アルセイア王国との会談は、円滑に進んでいたのだった。


そう言えば、皆さんはお正月、どのようにお過ごしになられましたか?


私は家族と過ごしました。

大晦日に、諸事情により諭吉先輩が吹っ飛んだので金欠なうです。



それではみなさんさようなら。



感想お待ちしています。

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