表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

9/95

柏原財閥

 私は柏原かしわらさくら、柏原財閥の娘。

 住んでる屋敷は部屋が20以上あり、どの部屋にもエアコンが2つ以上ある。別荘も十数件あるので、合計するとエアコンを100台以上所有している。


 最近熱くなってきたのでエアコンをつけると、寝起き時に少し手足がしびれるようになった。これは一言文句でも言わないといけない。

 そう思い一度電話をかけたときは、冴えない女が出た。

「エアコンをつけると冷えるわ。何とかしなさい」

「お客様、エアコンはお部屋を冷やすためのものです。温度を上げてください」

 馬鹿かこいつは。あきれて、受話器を置いた。


 いらいらして部屋を歩き回る。すぐに、この会社のエアコンをもう使わないという選択肢を思いつく。エアコンを全て買い替えてもいいが、それだと数百万円かかる。私の1か月のお小遣いにものぼる。

 ここは我慢だ。もう一度電話をかけよう。

 二度目に電話をかけたときに、出会ったのだ、運命の男に。

「もしもし、こちらエアコンのご相談を承っております、担当者、一之瀬隼人と申します」

「エアコンをつけると冷えるわ。何とかしなさい」

「ご迷惑をおかけして申し訳ございません。日中は問題なく、寝るときにつけっぱなしにしておくと、朝起きた時に体が冷えて、手足がしびれる、ということですね」

「そうよ」

 やっぱり分かるじゃない。全く、あの女のオペレーターはクビにすべきね。

 その後も会話はスムーズにいき、翌日の寝起きはとても快適だった。

 女との電話でたまっていたストレスもなくなった。電話だけでこんなスッキリした気持ちになるのは初めてだった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ