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お仕事?

 それからというもの、彼女から頻繁に電話がかかってくるようになった。電話はなぜかすべて俺に回される。

 もちろんスキルが発動するので、瞬く間に問題は解決する。しかし、「炊飯器の水の量」とか「冷蔵庫内の食べ物の配置」ならまだよかったが、「こたつで食べるみかんは美味しいですよね」とか「床暖房で寝ているサイベリアン(シベリアネコ)がとても可愛いんです、一度見に来ませんか」とか「どんな女性の服がお好きですか?」はどう考えても家電の問題ではない。


 上司に

「関係のないことをお話するお客様も対応しなければならないことは分かっています。しかし、彼女は関係ないことばかりで、本来の仕事ができません」

 と言うと、ガシッと肩をつかまれ、さとすように

「いいか、よく聞け。彼女はな、うちの家電をいくつも、それこそ数百個レベルで購入してくださっている上客なんだ。柏原様のご機嫌だけでこの会社が回るといっても過言ではない。お前のここでの仕事は柏原様のご機嫌をとることであり、これも立派な仕事だ。しっかりとこなせ」

 と、のたまわれた。

 電話でエアコンの相談に乗るはずなのに、女性の相手をしろって……。自分の存在意義を問われ、俄然やる気がなくなる。

「はあ……」

 このスキルの使い方間違ってないかな。

 ため息をつくと、また電話が鳴りだした。すぐに受話器をとる。今度こそ彼女でないことを祈りながら。


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