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仕事

 俺が仕事を選ぶ際の基準は、ただ一つだった。顔を隠す、又はマスク着用可の仕事である。

 面接でも

「この不細工な顔さえ隠せる仕事なら何でも一生懸命します!」

 と宣言した。

 そんな俺の熱意に押されたのか、今の仕事はマスク着用可の警備員だ。ちなみにマスクをしているのは俺だけである。


 今も後輩と道路整備の際に必要な交通整理に立っている。

「あ、あの」

「ああ、そのコーンはこっちに立てて」

「あ、ありがとうございます」

「車が来るから気をつけてね」

「はい」


 この後輩は橋本薫はしもとかおるだ。

 女の後輩を指導しろと言われたときは「俺の顔を見たらすぐやめますよ!」と上司に辞退を懇願したが、マスクもあるし大丈夫、わがままいうな、と怒られた。

 そんなこんなでよく一緒に仕事している。

 最初は俺の顔にビクビクしていたが、今ではすっかり打ち解けている。慣れって怖いな。


 仕事が終わり、解散となると、

「あの、先輩、この後よかったら食事でも……」

「いやいや、家で食べるから、大丈夫だよ」

 後輩だもんな、先輩と交流するのも嫌々ながら仕事のうちだと考えているんだろう。とてもいい子だ。でも後輩に無理な負担を負わせることはできない。後輩が気をつかってくれるなら、その意を汲み取るのも先輩の仕事だ。

「じゃあな、バイバイ」

「は、はい。さよなら」

 今日も平和な一日だ。



新ヒロイン登場です。

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