IF回 ヒロインが課金するかしないか迷ってるとき
※本編とは別の世界線です。
1 南愛の課金
「私は無課金を貫くから!」
常々そう言っていた彼女であったが
「あのね、友達がね、2万円も課金しててね、ランキングもね」
課金厨の友達の影響を受けたからか
「もうすぐ給料日、ボーナスだなあ、服も、カバンも、時計も、靴も、化粧品も、今は欲しいものないし」
資金が潤沢になって
「……怒らないで聞いてほしいんだけど」
なぜか申し訳なさそうな目で
「ボーナスも入りどうしても欲しいやつがあるので5400円だけ課金しました。ごめんなさい」
と謝ってきた。なぜ謝るんだ?
「別にいいじゃないか。自分のお金を自分の趣味、楽しみに使うのはいいことだぞ」
「でもでもでも、たかがゲームのデータだよ? 5400円もあれば隼人とのデート1回分じゃん。おいしいパンケーキも食べれるし。ああ、とうとうやっちゃったな」
彼女はとても後悔していた。
「一念発起で課金したんだからもっと楽しめよ。落ち込んでるじゃん」
「だってさー、たかだかゲームのデータにさー」
といいつつ、スマホをポチポチしている。そのたかだかゲームに今も夢中じゃねえか。
「ちなみに何てゲーム?」
「刀剣乱舞」
あ……
2 橋本薫の課金(覚醒前)
「ゲームに課金するくらいなら先輩に課金します! 好感度アップアイテムをゲットです!」
「そんなのねえよ、というか既にマックスだよ」
「えへへ~」
いちゃいちゃらぶらぶ
3 橋本薫の課金(覚醒後)
かおるはスマホをポチポチしながら何かつぶやいている。
「包丁、手錠、首輪、鎖……うーん、手錠と鎖は4つくらいいるかなあ」
「結構物騒だね」
「うん、でもこれくらいしないと逃げられちゃうから。恥ずかしがりやな性格の男の人って大変だよね」
はあ、と彼女はため息を一つついた。
しかしどんなゲームなんだろう。
「何に使うの?」
「普通に、監禁したり、素直にさせたりするためにかな。あ、あと睡眠薬と媚薬も買っておこうっと」
「へ~面白そうなゲームだね」
「え?」
「え?」
4 柏原さくらの課金
「キャーーーーーー!!!」
なんだなんだ。
「私の推しメンが……隼人君が……」
どうやら推しメンが死んだようだ。
キッと厳しい目をした彼女は
「この私の推しメンを殺したことを後悔させてやりますわ」
と涙ながらに宣言した。
その後彼女は、ゲーム会社の株式の公開買付けを行い、株式を100パーセント保有し、代表取締役に就任した。
「それで、隼人君はどうなったんですか」
「生き返りました。さらにイケメンになって」
そりゃよかった。




