IF回 ヒロインに占ってもらったら
※本編とは別の世界線です。
1 南愛の占い
雑誌とにらめっこしてる愛が眉間にしわをよせている。俺の顔をみると
「むむむ……顔に死相が出てますね」
と言われた。
「ええ? 俺もうすぐ死ぬんですか?」
一度死んでるからあまり未練はないが、ちょっとまだ早い。
「でも天秤座の運勢は悪くないわよ。特に金運がよくて、今月中は最高潮……とあるわ」
「最近危ない仕事をしているからな。ちょっと嬉しくないかな」
家電アドバイザーで荒稼ぎしたくない。
「心穏やかにすれば安産間違いなし……だって!」
それ女性用の記事じゃね?
2 橋本薫の占い
「顔に死相が………………出てません!」
「あ、そうなんだ。良かった」
何を言い澱んだんだ。
「この雑誌によると、先輩の天秤座は……はうう、恋愛運が最悪です。変な女性に絡まれるって書いてます」
「ええ、何それ」
「でも大丈夫です! まだ月星座があります!」
「俺の星座は天秤座だよ?」
「月正座は自分の正座とは違います! 先輩の月星座は……おとめ座です! おとめ座は……はうう、やっぱり恋愛運が最悪です。複数の女性にアタックされて修羅場のなか命を落とすとあります」
やめてくれ。
3 ???
「ふむ、顔に死相が出ていますね」
「ですよね」
うん、この顔じゃしょうがないよね。
「でもあなたを愛してくれる人を、そう、いま目の前にいる人を愛してあげることができれば、これからずっと長生きできますよ。ふふふ。あ……」
「ど、どうしたんですか」
「どうやら悪い虫がついているようですね。最近女性と何かイベントがありませんでしたか」
「ええ、そうなんです。実は――」
「分かりました。もう大丈夫です。これから悪い虫を払ってあげますね。駄目ですよね、隼人さんに手を出す害虫は駆除しなきゃ。私が一番愛して、そう、愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛しているんですから。占いにも出ていますよ、あなたが私を愛する限り幸せになれるって。あなたは私だけのものなんだから、邪魔する奴はこ
4 柏原さくらの占い
「……!」
聞こえねえよ。ここは空気が無いからな。
「……!」
ん? 何だ? 指をさしながら、無重力のなかスマホを俺のほうに飛ばしてくる。
画面には「あれが木星です」とある。
おお、あれが木星か、確かにでかいな。
スマホを返すと、画面に再度文字が入力される。「星の位置から、一之瀬さんの仕事運は上昇気流にあるといえます。あと顔に死相が出ています」
ついでみたいに言うな。
こ、こ、コペンハーゲン(平和な世界)




