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ハードル

いつも読んでいただきありがとうございます。

 人に何かお願いするときに、聞いてもらえる方法を考えたことがあるだろうか。

 一つ、こちらからハードルを下げてやるという方法がある。例えば、彼女にセックスをしたいと言っておいて、相手が断れば、え~じゃあ胸だけでいいよと言って相手が何か文句を言う前に触ってしまう。ちょっとだけ、という言葉も忘れない。相手も、まあ胸ならいいか、もう触られちゃってるし、となる。

 特に、何度も同じお願いをして相手に「断ってばかりで申し訳ない」と思わせておき、ここぞというときに少しハードルの低いお願いをすると、効果は絶大だ。

 しかし、私は少しずつ感覚を麻痺させる手段が好きだ。


「今日は家電や家具の掃除と調整をしてもらいます」

「……意外と普通ですね」

「何か?」

「いえいえ、仰せのままに」

 愚かな。既に毒牙にかかっているとも知らずに。

 なんて哀れな子羊なんだろう。

 ふふふ。


 一緒に部屋を見て回り、隼人さんが掃除や整備をしているのを見る。

「ちょっと、ごめんね、どいてく……いた! ちょ、やめて!」

 途中、隼人さんがサイベリアン(シベリアネコ)に馬鹿にされていた。

「ニャルゴ~グルルル」

「ごめんなさい。ごめんなさい」

 ああ、ネコも序列の高低は分かるんですね。


 休憩がてら、一緒にお茶を飲む。私はダージリンティーを。彼は水がいいと言ったので、セバスがエベレストの頂上でとった雪溶け水と、オホーツク海の氷河を削った氷を入れた、冷たい水を与える。


「今日はここまでにしましょう。」

 5時になったので彼を解放した。まだ屋敷の10分の1も終わってないが、最初はこんなものでいい。

 これから徐々に感覚を麻痺させていってあげるわ。


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