打開のために
二章が始まりました。
稚拙な文章ですが読んでくださってありがとうございます。嬉しいです。
「はあ」
空港の警備員の仕事、保安検査を受ける列の整理をしながらため息をつく。
「どうしたんですか、先輩。ため息なんかついて」
今日は橋本も一緒だ。
「いや、最近オペレーターの仕事のほうでさ、俺にばっかり電話してくる女がいるんだよ」
「女ですか」
「ん? いや性別はどうでもいいんだけど、とにかく仕事に関係ない話ばっかりでさ。仕事の邪魔になるって言ったら、上司に彼女の相手をするのがお前の仕事だ、とか言われちゃってさ。まあうちのお得意様だから仕方がないのかもしれないけど」
「それは迷惑ですよね」
「ああ、そうなんだ。なぜか俺のシフトも把握してるみたいで」
「よければお仕事終わり、お話聞きましょうか?」
「あはは、ありがとう。気をつかってくれるのは嬉しいけど、大丈夫だよ」
そう言うと向こうから人が流れてきたので、俺は誘導に向かった。
「あはは、ありがとう。気をつかってくれるのは嬉しいけど、大丈夫だよ」
相変わらず先輩はつれない。もしかして嫌われているのかな、と最近先輩のことばっかり気になる。
それになんだ、その女。先輩にばっかり電話をかけるって。もしかして先輩に気があるのか? 関係ない話って、じゃあ何の話をしているんだろう。
ああもう、このままじゃだめだ。打開のために何かアクションを起こさないと。
よし。寄れば文殊の知恵というし、ここは友達に相談しよう。
少し話が動き出します。