73/125
20世紀シーン3 吉永帰還
頬に大きな傷のある、見るからに一般人とは違う迫力のある風貌をしていた。
「おう、石橋の・・今日は何事で?」
「今日はね、親分さん、うちとこの石橋総業㈱を任せる金城を紹介に上がりました」
「ほう・・金城さんか。よろしいに・・」
金城を値踏みするような視線で眺めた後、安来は、にやっと笑った。金城の部下にはもと任侠の者、真田と言うものが居たが、力ずくで組み伏せた事があった。真田も体が大きく、相撲崩れの男であったが、この安来のような性根が少し座っていないような男では無く、かなり組み伏せるのには往生したが・・そんな事を思いながらも、金城はまばたきもしないで、視線を安来から外さなかった。




