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20世紀シーン3 吉永帰還
金城は、ピストルを受け取り、そして銃口を石橋に向けた。まばたきもしないで、金城を見つめる石橋・・そして、
「分りました。石橋・・オーナーにこの命預けます」
「よっしゃ・・頼むで・明日又迎えに来る・・金城、今晩は喜美に背中を流して貰い」
石橋の本性はまだまだ見えないが、あっと言う間に彼は、表社会から裏社会までその俊敏な回る頭で、掌握しつつあった。金城は、不気味な予感を持ちながらも、石橋に付いて行くのが自分の道のように思えて来るのだった。
翌日、石橋が最初に訪れたのが、この界隈で、尤も勢力の大きな宝山会であった。組長は、安来寛治朗と言った。




