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20世紀第四シーン 権力闘争
山根組と、石橋総業㈱はこうして、やっと手を結んだのだった。抗争勃発から3年の月日が流れていた。勿論、石橋と言う人物は、四方八方にアンテナを張り巡らし、着々とその外堀は埋めて行っており、山根がそうせざるを得ない、飲まざるを得ない状況を作って来ていたのである。そんな事は、まだまだ彼のやっている事の一端に過ぎない事である。
「何やと!山根組は山根組長が引退、解散して、新地に山根興業㈱を設立したやと?」
宝山組の安藤組長が、突然旧山根組に降って沸いたような出来すぎた話に、飲んでいた杯を壁に投げつけた。見る見る怒りの表情に顔色が染まって行く。