120/125
20世紀第四シーン 権力闘争
「誤解は受けやすい人間ですが、山根さん、石橋の狙っているのは、こんな神戸の利権ではありません。国会です。強いて言えば国です。だから、今自分の足場はしっかりしときたい。そして、安藤さんにも分を弁えて貰って、必要以上に望むなと言う事をアピールしたいんですよ」
「条件は・・わしの引退でっか?」
「はい・・そうなれば、宝山会も手出し出来ないでしょう」
「分った。どうせ、今のままではジリ賓や、それに宝山会が牛じる勢力に押されて、いずれ若い衆にも血を見る事になったやろ。わしは、石橋さんより、金城さん、あんたを信じた。わしは、吉永を組を解散し、山根興業㈱に改名し、社長を任すつもりやった」
「え・・吉永?」