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20世紀第四シーン 権力闘争
「こら、わし等は堅気だ。この酒井言う若衆にうちんとこの社長が襲われたんで、ちょっと組長に話しに来た。さっさと通すんだよ。いいか?わし等は話合いに来たと伝えろ」
山根が、奥に通すように言うと、金城は、5人の護衛と共に奥に入った。勿論、石橋総業㈱が堅気などと誰も思っていないし、5人の命知らずの顔も、既にこの業界では浸透している。それぞれの腹に拳銃も持っているのも分っている。ただし、一度も殺傷沙汰が無いと言うのも、石橋総業㈱のやり方で、その必要があれば、宝山会傘下の者が必ず動いている。直接金城が出向いた事は、大きな威圧感もあるが、すぐその場での殺傷沙汰にならないと言う事である。
「親分さん、この若衆を知ってますよね」
「知らん!わしは、ここの組員でない!」