修行懇願
リオ達の修行です
「失礼します」
扉の前でそう言いリオがシンディの部屋へ入る。
「あらリオ。どうかしたの?他のお友達も一緒みたいだけど」
「お願いがあってきました」
「お願い…?」
リオの真剣な眼差しを見てシンディの表情も変わる。
「私達に……バーストの修行をしてくれませんか」
「バーストの……?」
意外といった表情でリオを見る。
「この前の戦い、あたし、まったく役に立てませんでした。特進クラスでいい気になってたけど…全然でした。あの時、煉がやられた時、怖かったんです。失っちゃうんじゃないかって…」
涙声になりながら話すリオ。シンディは無言で耳を傾けている。
「あの時は、煉がバーストを解放してくれてたまたま助かりました。でも、あたし達は守られるだけは嫌なんです!守れる存在にもなりたいんです!!」
「………」
「煉があたし達を大事に思ってくれてるように…あたし達も、煉が大事なんです」
「……分かったわ。修行してあげる」
「本当ですか!?」
「でも、生半可じゃないわよ。下手すれば、死ぬからね」
死ぬ、その重い言葉がリオ達の胸に突き刺さる。
一瞬表情が引きつるが、
「構いません」
「ビシビシお願いします」
「覚悟の上でござる」
「ここまで来て退けないよ」
「……やります」
5人の覚悟を聞いたシンディは静かに笑った。
「いいわ。あなた達には、3時間でバーストを修得してもらうわよ」
「3時間!?いや、そんな短い時間で出来るんですか!?」
ライズが驚きながらシンディに詰め寄る。
「ええ、ああそれと勘違いしないでね。実際の修行期間は、3週間よ」
「はあっ!?」
ますます意味が分からないのか、リオがおかしな声をあげる。
「あたしのエレメントを使って、3週間の修行期間を3時間に短縮するのよ」
「短縮って……んなこと可能なんですか?」
ライズが納得しない様子で聞く。
「可能よ。あたしのエレメント、《タイムエレメント》を使えばね」
「タイム…エレメント?初めて聞くでござるが、どのようなエレメントでござるか?」
「時間を操る、とでも言おうかしら。時の流れを早くしたり遅くしたり。まあ完全に止めることは不可能だけどね。今回の修行では、1週間を1時間にしたのを3セット。だから約1ヶ月の修行よ。質問は?」
「はい質問」
ウェドが手を挙げる。
「バーストって…たった1ヶ月くらいで修得できるものなんですか?」
「まあそう思うでしょうね。まあ、気持ちの持ち様で出来るものよ。お話はここまで。後はあなた達で頑張りなさい。3時間後、楽しみにしてるわよ」
シンディが指を弾くと、リオ達の意識が闇へと溶けていった。
「頑張りなさい。あなた達には素質があるから」
優しく言ったシンディは部屋を後にした。
次回バースト修得なるか?