力の説明
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「ん……ふう…」
煉は、見覚えのある天井を見て目が覚めた。
「ふう、逆戻りか」
周りを見ると、ライズ、十蔵、ウェドがまだ寝ていた。
「…無事で良かった」
ライズ達の寝顔を見た煉は安堵の息を吐く。
そして状況整理の為に、
魔龍との戦いを思い出す。魔龍に絶体絶命の状況に追い込まれた煉は、自身も感じたことのない力を覚醒させて魔龍を圧倒。見事に切り伏せた。
「やっぱしあの力、気になるよな~」
「あら、じゃあ教えてあげようかしら?」
「おう、助かるわ………って!?ばあさん!?」
あまりに普通に喋っていたので気付かなかったが、いつの間にかシンディが横に座っていた。
「あら、気付かなかったの?」
「気付くか普通!!もうちょい普通に現れろ」
「これでも普通よ?」
「どこがだよ!!」
煉はつっこみのしすぎで半端なくばてていた。
「で、あの力のこと、教えてくれるって言ったよな?」
ようやく本題に軌道修正する。
「そうそう。本当に驚いたわよ。まさか煉が《バースト》を発動させるなんて」
「バー、スト…?」
聞き慣れない言葉に煉は頭に?を浮かべる。
「《バースト》は、エレメントと契約した者が、最終的にたどり着く、究極解放術のことを呼ぶわ」
「究極解放術?」
「簡単に言えば、煉の今までの限界が二次解放。で、バーストはそれを越える力を与えるの。その証拠に、ほら。右手を見てみなさい」
シンディに言われるままに煉は右手を見ると
「あ?エレメントサークルが、解放になってる」
「そ。バーストを解放したらエレメントが進化するのよ。つまり一次解放してない状態でも二次解放並の力を使えるわけ。だから、解放をすれば今までの約10倍の力を使えるわ」
「マジかよ……?」
「あと、バーストの際に、刀持ってたでしょ?」
「ああ、まあな」
「あれはあんたの炎が具現化したものよ。その人間が一番使いやすい形に変化するの」
「つまりあの刀が俺の使いやすい形だったってわけか」
煉は自分の右手を見ながら言う。「そうゆうこと、以上が説明よ。何か質問は?」
「ねえ」
簡潔に答えた。
「分かったわ。じゃあお大事に」
「ああそうだ。ばあさん」
煉がシンディを呼び止める。
「親父と兄貴が言ってた事の意味、やっと分かったよ」
それを聞いたシンディは少し笑って出ていった。
「俺も寝るかな?」
そう言って煉はベッドに倒れてまぶたを閉じた。
「寝たかな?」
「そのようでござる」
「じゃあ行こうか」
煉が寝た事を確認して、ライズ、十蔵、ウェドが起き上がる。
どうやらシンディが来た時から起きていたようだ。
ライズ達は煉を起こさぬように部屋を出て、隣の部屋のリオ、美紀を起こしに行く。
「お~いリオちゃん?起きてるか~い」
ライズが部屋のドアを叩きながら中のリオに話しかける。
「ん~?起きてるわよ。なんなら隣の話も聞こえてたわよ」
「おっ!話が早いねリオちゃん。俺が何言おうとしてるか分かる?」
「分かるわよ。すぐ行くわ」
しばらくしてリオと美紀が出てきた。ライズ達と合流し、シンディのところへ向かった。
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