crazy story《クレイジーストーリー》
異能バトル物の小説に挑戦しようと思い、
僕も書いてみました。
バトルはいつか書きたかったのでちょうどいい機会。
なので、書きました。読んでくれると嬉しいです。嬉しすぎて飛び上がります。
では、どうぞ
僕は能力者だ。
そう知ることができたのは、ちょうど三日前のことだ。
家にいて、テレビを見ていたら出来てしまっていた。
能力が出来たから適当に名前をつけた。
『破滅音』(クレイジーボイス)という能力名にした。まぁ、名前を見たらわかると思うが僕の能力は音─────────つまりは、声を操る能力だ。
それほどに強い能力ではない。
まぁ、能力を発見した道筋が堕落なものだった。音楽番組を見ながら、好きな歌をちょっとだけ上手い感じで歌ったのだ。
そしたら、ジャ●アンばりの物凄い美声が出たのだ。うん、感動して泣いたよ。
そうやって、僕は自身の能力が声にあることを知った。
だが、ぶっちゃけようか。
『知ったからなんなのだ?』
別にこの世には闇の組織もないし、ましてや悪の親玉なんていない。
敵のいないこの世の中で僕みたいな能力者はどうするのだろうか?、と。
そのため、物凄い暇だ。暇を持て余している。暇を操る能力者にでもなりそうなくらいに。だから、僕は今日、喧嘩する。
僕と同じ能力者が近所にいるのだ。
ソイツは友達で、ある意味は親友で、
そして、地元では最弱の能力者だ。
●●●
「おー、やっときたか」
「あれ?僕が指定した時間より来るの早くない?」
「別にいいだろ。どうせ喧嘩なんだしよ」
「まぁね」
僕と、ある意味の親友さんは、近くの空き地にきた。空き地はとても広い。というか、これは空き地ではないと思えるくらいだ。
野球のグラウンド三つ分は面積はあり、
数十個の黒いコンテナが規則正しく並んでいる。
右から横に四列ある。四列の一列には縦に
二十個程度のコンテナがある。
少し頭のなかで数を数えようとした。
四列×縦に二十個=八十個のコンテナ。はい、計算終了。
一個一個のコンテナはでかい。
いい障害物になるだろうな。
「さてと、始めるか」
「その言いぐさは、なんかエロイからやめろ」
「俺にそんなきはねぇよ!ってか、なんだそれ!!」
「うるさい。黙れ。」
「お前が吹っ掛けたろ!」
ある意味の親友さんが何か喚いている。
無視する、スルーする。
「じゃあ、ハジメッ」
僕は即座に始めの合図をした。
だが、二人とも動こうとしない。
「……………………」
「……………………」
「戦わねぇの?」
「うーん。……そっちが先制攻撃でいいよ」
「OK」
では、仕切り直し。
各人構えをとる。ちなみに、僕はノーガードな構え。両手はぶら下げている。
ある意味の親友さんはボクシング成り立てのような感じで拳を構えている。
両拳を胸の前に出している形だ。
「じゃあ、、いくぞ!」
「どうぞ…」
ある意味の親友さんが走ってきた。
ある意味の親友さんの性格は猪突猛進で単純明快だ。ボクシング成り立て構えのまま短距離走並みの速度で走ってくる。
ドンッ!という効果音がよく似合う光景だ。
そして、数秒単位で、ある意味の親友さんは僕の懐まで到着した。
オラッ!と大きく声を出しながら、下から上に突き上げるように殴るアッパーを僕の腹目掛けてしてくる。多分、本気の一発だろう。
ただ、一つ注意をしておこう。
僕のステータスのことだ。
僕は主人公ではなく、能力持ちのただ中学生程度の男の子だ。つまりは、アッパーなんてもの、ましてや、『殴られる』ということに経験がない。つまりは、この攻撃に反応はできないのだ。
「……っ」
腹に目一杯のアッパーを喰らった。
何かをリバースしそうな感覚に刈られる。
それと同時に呼吸が少ししにくくなるように追撃として、腹から空気が抜けていった。
酸素の供給率が上がり、呼吸が困難になる。
ゴハっ、という声が僕の口から出た。
そう、だがある意味の親友さんは失念していた。僕の能力を。
「───────────ッ!!」
僕は、腹の中にある酸素が駆り出される声と同時に出る痛みを表す声に、自身の能力を付加させた。
『破滅の音』の力を出したのだ。
「ッ!!ぎいいいい!」
先ほどもいったが、ある意味の親友さんは僕の懐、つまりは至近距離にいる。アッパーを僕に食らわせたことで若干の行動停止状態にある。そして、殴られたくの字に折れ曲がった僕の体の口の辺りには、ある意味の親友さんの右耳があったのだ。
至近距離で完全発動している僕の『破滅の音』を喰らったのだ。
ある意味の親友さんは次の攻撃を忘れて自分の耳を押さえつける。
そこに続けて僕は能力を撃ち込む。
あ、という僕の声に能力が付加され、それは強度の不快感を持つ『不快音波』へと変換された。これが、僕の力だ。
自分の声になんらかの音波性能を付加させる能力。
つまりは、声を『殺人音波』にも『不快音波』にも『催眠音波』にも作り変えることができる能力なのだ。
「───────ッ!!がぁ!」
ある意味の親友さんは僕の攻撃を食らいながら能力を発動した。
右の親指と中指で指パッチンをしたのだ。
甲高い音が空き地に冴え渡った。
その後、僕の腹でまたもや先ほど受けたアッパーと全く同じ痛みが舞い込んできた。
「うがぁぁぁぁぁ!」
そうだった。忘れていた。
これが、僕の友達、ある意味の親友さんの能力。
『後書き』(セカンドアタック)だ。
能力の内容としては、こうだ。
殴る・蹴るなどの物理攻撃を当てたところに
はマークがつく。このとき、マークは殴るや蹴るなどの打撃攻撃ではないと付着させることはできない。
それだけならなにも起きないが、指パッチンをするとあることが起きる。
それは、マークをつけた際、相手に喰らわせた攻撃のダメージが、マークの付着部分に再度発生すること。
つまり、この能力は、マークをつけた部分には、マークつける時に与えたダメージを指パッチンを合図にもう一度だけ起きるということである。
「が───────はぁっ…っ」
ある意味の親友さんの能力により、先ほど腹部に喰らったアッパーのダメージが再度腹部に発生した。しかも、さっきまで僕は無防備な状態だったのだ。
自身の能力を使用して攻撃しようと声を張り上げていたのだ。
そんな無防備な体にきたさっきのダメージ。
とてつもなく心身ともにこたえるだけのダメージを僕に与えていた。
しかも、ダメージ発生の場所はまたもや腹部なのだ。立て続けに二回アッパーを喰らったことになる腹部のHPは零に等しい。
「はっ!───もういっちょ!」
ある意味の親友さんは、また能力を使うために指パッチンをしようとする。
ある意味の親友さんの能力はマークがないと発動できない。ゆえにマークを剥がしてしまえばある意味の親友さんの能力はまるで意味のないものとなる。
現在、僕の腹部に付着しているマーク。
正直なところ剥がすことは容易にできるのだ。手で軽く擦れば、すぐに剥がせる。
だが、先ほど頂いた腹部へのダメージ攻撃で僕は動けなかった。
「オラッ!」
パチンっ、という甲高い音が鳴り響く。
その音に遅れてやってくる僕の腹部へのダメージ攻撃。
「─────────っっっっ!!」
強烈な痛みが舞い込んできた。身体中にそのダメージは鳴り響き、伝達し、僕の意識を体から無理矢理引き剥がすだけの威力はあった。
だからこそ、
「ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
声を出せた。腹部にダメージを喰らったから確かに空気は腹から出ていた。
声も出しにくかった。でも、出た。
大声を出しながら、僕は後ろから仰向けになるようにして地面へと倒れる。重力に従ったように素直に正直に潔く倒れる。
それでも、大声は出している。
その大声に僕はありったけの能力を付加させた。『攻撃音波』という能力を付加させた。
「っ!」
とっさやある意味の親友さんは耳を塞ぐ。
それでは駄目なのだ。この攻撃は防げない。防御不能の攻撃なのだから。
『攻撃音波』とかした僕の大声は360度球形に広がっていく。音波は音速の速度を発揮したまま音源( ボク )から半径100メートルのところまで突き進んだ。
半径100メートルの物体には音波が平等に接触し、触れていった。
「…………」
そして、二秒後、物体が破壊されていく、倒壊していく、崩壊していく音が遠くから聞こえた。
正確には『攻撃音波』と接触をした遠くの物体が破壊されていく音を耳にしたのだ。
これが『攻撃音波』の特性。
音波に接触した物体を接触したのが遅いものから破壊していく力。
ドゴッ!ドゴッ!という建物が倒壊されていく倒壊音が聞こえる。
バガッ!バガッ!という道路が破裂していく破裂音が鳴り響く。
ジャジュ!ジャジュ!という液体が高速蒸発していく蒸発音が耳に来る。
そうやって遠いところから聞こえていた音は次第に近いところから聞こえてきだして、
どんどん破壊が起こっている音が近づいてくる。
そして、
「え?……」
ある意味の親友さん"から"『攻撃音波』の起こす破壊がおきた。
ある意味の親友さんは内部から爆発するように、そのからだが周囲へと飛び散る。
「俺の勝ち……だな」
異能の喧嘩はこれにて終了した。
はい。
どうでしたでしょうか?
短編小説のために設定は深く作れず、文章もあまり上手くないかもしれません。
ただ、一言。
『読んでいただき
ありがとうございました!!』