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プロローグ
夢......
夢というものは
いつも唐突だ
夢は好きな時に現れるわけでない
勝手に現れて、勝手に消えて行く
そして私たちは夢の存在を
目が覚めてからは忘れてしまう
そんな儚い存在なのである
しかし、時に夢というものは
残虐かつ非道なものにもなる
......正夢もその一つだ
夢で見たことが現実で起きてしまう
ある歴史上の人物は
正夢で自分が殺されてしまう夢を見た
一週間後に暗殺されてしまった
なんて事例もある
夢は私たちに希望を与えてくれる
しかし、それは一部の話である
夢は......
なくてはならない存在なのかもしれない
だが、そんなことでいいのだろうか
私は夢は存在しない方がいい
むしろ無くしてしまったほうがいいだろう
誰かが辛い思いをするのなら
私はその存在を
消してやりたい......
そう、人間の身勝手は
仮想世界までも壊してしまうだろう......
「ワタシハ......ユメヲ......ヒツヨウトシナイ......」
私は永い眠りから目を覚ました
頭が痛い
ドサッ
私はそのまま床に倒れこんだ......