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[四]

土曜日・・・


私にとって

人生最悪の日になってしまった・・・・


それは

講義中におきた・・・・


私が講義に耳を傾けていると・・・


『・・・すいません・・足元のボールペンひろってくれませんか?』

私は拾い上げ渡した

『ありがとう』

人懐っこい笑顔を男は返すと・・・

『隣座ってもいい?』

『どうぞ』

わたしは微笑みもせずにそう応えた


この講義とってるけど・・・見たことないな・・この人・・

そんなことをゆっくりと考えながら・・

まぁ。。。結構この講義取ってる人いるから

それででしょう!

と自分の中に結論をだし・・・

ノートをまたとり始める・・・・


『菜生ちゃんだよね・・・?』

ふいに声をかけられる・・・

男に視線を合わせる・・・・


私の名前を知っている。。。ということは。。。。

知り合い???

覚えがない・・・・・

誰だったけ・・・・


短髪のすっきりした印象の顔

たぶん・・・・殆どの同世代の女の子なら

心惹かれる容姿・・・・・


目立つタイプだし・・・

名前くらいは・・・・

覚えてそうだけど・・・・・


ぼう・・・と

考えていると・・・


顔が近づいてきて・・・・


え・・・・・


え・・・・・・・・・・


え!!!!!!!!!!!!


私の唇がしっかりと

その人の唇に触れた・・・・・


・・・まって・・・・・


・・なにが・・・・・


・おきたの・・・・?


・・・・・・・


・・・・


・・




・・・・・・・・・・・・



・・・・・ん?・・・・・




次の瞬間。。。。


私は雄叫びを

あげていた。。。。。。




ファーストキスを

なんで

いきなり

奪われなくちゃ

いけないのよぉ!!!!!!!!!!


人生最悪だわ・・・・・・・



その上・・・・

コンパがあるなんて・・・・


待ち合わせ場所に行くと

沙織だけがきてて・・・


『ごめん!今日帰らせて!!頼む!』

そう、沙織に言うと・・・

沙織の言葉を聞かずに

足早に店を出ようとして・・・

人にぶつかる。。。。


『すみません・・・・』

顔を上げると・・・

昼間の

キス魔だった。。。。。。。。


沙織とキス魔に連れ戻された私は

コンパに・・・・


ただでさえ落ち込んでるのに

落ち込みの原因がいる

コンパに・・・・


参加していた・・・


あ〜・・・最悪だわぁ〜


『俺、四藤海よろしく!』

やっと

キス魔の名前を知った



わたしは・・・・

名前も知らない男に!!!

ファーストキス奪われたんだわぁ〜!!!!!!


沙織にそう告げると・・

『あはは〜☆まだ先があるんだからそれくらいいいんじゃない???』


だめだ・・・

完全に出来上がってる・・・・


『何怒ってるの?』

海が私に声をかけてくる


怒って当然!!!!


『キスしたでしょ。』

本当は話もしたくなかったけど・・・

そう応えた・・


海は笑いながら

『キスなんか海外じゃ挨拶みたいなもんだよ』

そう言ったので

思わず・・・

『ここは海外じゃない!!!』

ちょっと強めに声が出てた・・


海は真顔になって・・

『ごめんな・・・そうだよな』

そう謝った・・・・


あれ・・・・

この人・・・・・

そんなに悪い人じゃ・・

ないのかな・・・・・・

そんなことを感じていると・・・・


『菜生がかわいかったから、思わずキスしたくなった』

ふと

そんなことを言われたので

顔が熱くなってしまった。。。


真っ赤な顔の私を見て満足げな表情・・・・


やっぱりこいつやな奴!!!!


『ごめん!沙織!わたし帰るわ!』


私は足早に店を出た・・・


店を出て

ポツリ

ポツリ・・・・


すぐに雨が降ってきて・・・・・


わたしはなんだか

この雨に

自分を

洗ってもらいたくて・・・・


そのまま

立ち止まったまま

雨の落ちてくる


空を・・・・


見上げていた。。。。。



身体の熱を取るような

雨・・・


降り注ぐ雨・・・・


雨音の中・・・


ひとり・・・・


ひんやりとした感覚が

心地よくて・・


突然

降りだした

雨が

私だけに・・・・


一人分のスペースを

作ってくれたような

気がして・・・


何かを

思い出すかのように・・


ゆっくりと

ゆっくりと。。。。


この感覚を

ひとつひとつ

確かめながら・・・


雨は・・・


涙がつたうのを・・


雨は・・・

優しく

ぬぐってくれるから・・・


だから私は

そのまま

流れる涙を止めずに

雨の生まれる場所を

探すように・・・



空を見上げたままでいた・・・



ふいに・・・・


蒼い傘で

視界が

いっぱいになった・・・


ゆっくりと視線をおろすと・・・・


海が立っていた。。。。。


『風邪ひくぞ!』


わたしは・・・


『雨にうたれたい気分なの・・・』


そう呟いて

海の傘を手でよけた・・・


海は無言で傘を閉じると

その傘を

電柱に

ポンと

立てかけて・・・・


振り返って・・・・・・






『・・奇遇だな!俺も今!雨にうたれたかったんだよ!』





そう言ってにかっと笑った。。。。。


そのあと・・・・


無言のままで駅まで

私たちは

ただ

歩いた


私から視線をあわすこともなく

ただ

歩いて。。。。


改札に私が入るのを見とどけると


『じゃあ!あの店戻るから!またな!』


そう言って海はまた雨の中を走っていった・・・


なんて日なんだろう・・・


でも・・・


あいつ・・・

やっぱりそんなに悪い奴じゃない・・・か・・・・


そんなことを考えていた・・・


・・・・?・・・不思議・・・・・・・。


ずっと陸のことばかり考えてたのに

あいつのこと

すこしだけ

考えてる。。。。


そう感じた後・・・・




あたりまえか・・・・

ファーストキス

奪われたんだもんね・・・・・


考えないほうがおかしい!



ふと・・・・

陸のことが気になって・・・


陸・・・・見てたかな・・・・?

陸・・・・ごめんね・・・・

陸・・・・私が好きなのは・・・


陸だけだからね・・・・・・


私の心が陸でいっぱいになっていた。。。。。。




[五]へ続く


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