はっ・・・・・・厨ニが
Prr......rr.. ......rrr....
音のした方角。
それは、先ほどまで大きな血溜まりをつくり、息絶えていた魔男の方角のはずだっだ。
そうはずだったのだ。
あの鼻腔を悪戯に刺激し、吐き気を誘う生々しい大量の血の臭い。
道端に出来た赤い水溜り。
身体を覆う決してそんな色ではなかった赤に染まったローブ。
その全てが消えたのだ。
まるで何事も無かったかのように。
さも、こう在ることが当然だといっているかのように、消えた。
あ・・・・・・れ。
なん・・・・・・で。
おかしいだろ?
人一人が消えたんだぞ。
一体どうやって?
死体くらいは簡単だ。
爆音に驚いてるうちに回収すればいい。
だが、その下に広がった大量の血溜まりはどう説明する。
あの短い時間でどうやって・・・・・。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
・・・・・・は?
ソレは起こった。
突如にして腹部を貫いている円錐状の・・・・・石?
視認してから身体中に走る激痛。
叫び声すらもでない。
ひたすら嗚咽だけ喘いでる。
「くっ・・・・・・ハアッ!・・・・・・ぅぐっ・・・・・・!」
「まだ生きているのかい。存外、しぶといな」
「だ・・・・・・れだ」
「・・・・・・君が私を知るにはまだ早い」
「な・・・・・にが」
だめだ。思考が激痛によってグチャグチャだ。
「致し方ないか。心配しなくていい。もうすぐ目覚めるだろう。全ては夢だったという形になる。だが、ふん・・・・・・そうだな。それだけではつまらん。贈り物を授けようじゃないか。」
ギギギッ。とまるでロボットのようにしかまわらない首を、声の主へと向けようと必死にもがいてみるが。
それを嘲笑うかのように奴は、僕の上着のポケットに入れた。
と、同時に耳元で囁く。
「・・・・・・。・・・・・・、・・・・・・。」
「・・・・・・はっ。厨・・・・・・ニが」
数秒前、身体を貫いていた石柱が三本追加され、身体の各所を貫いていた。
Prrrrrrrr.......Prrrrrrrr