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ファンタジーなんて・・・・・・

 ......rrrr......Pr.......rrr.......。

 夢。

 そう、これは夢である。

 中学3年生。

 こんな年齢になってみれば分かることも増える。

 これが現実ではないと。

 目の前に在るのは異世界じみた建造物や、未知の生物、人が空を飛んでいたりするような、そんな分かりきったファンタジーではないが、それでも分かる。

 これは現実では起きえることではないのだと。


 人は未知な現象に遭遇したときどのような行動を起こすのだろう。

 呆然とする。ショックで気絶する。恐怖で逃げ出す。

 どれも違う。

 人は未知な現象に出くわしたとき、考えるのだ。

 その時考えるのは多種多様、千差万別。

 あるものは、大切な家族や友人。

 あるものは、知的な探求。

 あるものは、自分の保身。

 そして、あるものは。


 中学3年生になる春休み。

 僕はこれまでの人生で無いような極限の集中状態にあった。

 人が、突然身体中から赤く染まった血液を噴出したのだ。

 何の変哲も無い道端で、何の予兆も見せず、彼は身体中から血を噴出している。

 見も知らぬ男。ここらでは見ない服装。いや、そうではない。

 もっと適した表現があるはずだ。

 ローブ。

 よく漫画やイラストで使われるような、異世界の住民が目立たないように着るローブである。

 まるで何処ぞの魔法使いですか? と言われてもおかしくはない服装である。

 職務に真面目に取り組んでいる警察が見たら、真っ先に職務質問であろう。

『君、年齢は? こんな時間に何やってるの? その格好は? ちょっと署まで来てもらっていいかい?』

 などと、質問されたあげく半日ほど拘束されるのではないだろうか?

 いや、考えすぎか。所詮ただの服装。訝しげに見られ、奇異の視線に当てられるだけだろう。

 そんなものなのだ。今の時代、そんな個人の服装で職務質問などを受けるのは、夜間に制服で行動する学生くらいのものだろう。

 魔法使いのコスプレ。そう思われるくらいなのだ。

 だがそんな魔法使い男。仮にこの男を『魔男まだん』と呼称しておこう。

 魔女ならぬ魔男である。

 我ながら中々のセンスだと思う。いや、そうでもないか。素晴らしいセンスだと言っておこう。

 

その魔男だが、彼が道端で急に血を噴出したら国民を守る警察はどう動いてくれるのだろうか。

『大丈夫だ! 君の安全は私が守る!』

 と言いつつ、自慢のドヤ顔をぶら下げて助けに構えるのだろうか。

 ないない。

 ヒーローになれる人間は選ばれている。そんな事は今時小学生だって理解している。

 理解できていないのが、いわゆる『厨ニ病』と呼ばれる勇者になれるのだろう。

 だが、そんな勇者も年を経るにつれて只人にもどっていくのだ。

 あぁ哀しきかな勇者。姫を守れない勇者には用は無いということなのだろうか。

 

まぁ、だがしかし。

 そんなヒーローが現れることは無い。

 万が一、人が現れた場合、その人は逃げるのだろう。

 それが大多数の人間なのだ。

 救急車を呼ぶという考えが出来るのは、一部の傍観者くらいだろう。

 自分の身の危険など考えない。自分の中に『自分を見るもう一人の自分』がいる傍観者くらいのものなのだ。

『どうする? 救急車でも呼ぶかい?』

 そうだな、それが適切な判断だろう。

 例え魔男が既に息絶えていたとしても、だ。

 魔男はその身体の下で、大きな赤い水溜りを作っている。

 その出血量から察するに助からない。もとい、既に息絶えているだろう。

『警察に事情聴取も考えとかないとな』

その通りである。何しろ第一発見者なのだから。


とりあえず連絡しなくては、と携帯を取り出し連絡をとる。

「お掛けになった電話は現在電波の届かない所におられるか、電源が入っていない為かかりません」

「・・・・・・え」

おい待て。

僕は携帯に電話したんじゃない。

119。いわゆる緊急通報用電話に電話したんだぞ?

何故繋がらない!?

僕の携帯の電波は十分通話に可能なレベルであるにも関わらず、繋がらないだと?

そんな馬鹿なことがあってたまるか。

なんのための携帯電話だ、なんのための119だ!

ふざける―――――!!

突如訪れた鼓膜を破かんとする轟音が大地を伝い、身体を震わせる。

それと同時に顔にびちゃっとした水のような感触。

何事かと音の方角を確認した僕の顔にはさぞ驚愕で満ちていたことだろう。

「なん・・・・・・だと」

更新速度はあまり早くありませんが可能な限り早くしたいと思います。

ENDまで付き合っていただけると幸いです。

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