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変夢奇譚 ~くだらない夢のよせ集め~

オンナ (変夢奇譚 ~くだらない夢のよせ集め~ 第16夜より)

作者: Ak_MoriMori
掲載日:2022/06/26

変な夢を見た。


  私の前には、美しいオンナが立っていた。

  はちきれんばかりの笑顔で、こちらを見つめている。

  私は恥ずかしくなり、視線をはずす。


  オンナは、なにも話さない。

  なにも話さずに、笑顔のまま、私の横に座る。

  そして・・・わたし達は・・・これから・・・。


  というところで、目が覚めた。

  いや、目覚めてしまった。

  夢だが、非常に惜しい・・・。


  あのオンナ、いったい何者なのか?

  少なくとも、現実世界の私の周辺には、あのようなオンナはいない。

  なぜ、私は、あのオンナの夢を見たのだろうか?


  いろいろと考えを巡らせる・・・。

  もしかしたら、その昔、出会ったオンナかもしれない。

  いや、もしかしたら、これから出会うオンナかもしれない。

  俗な言い方をすれば、運命のオンナ、赤い糸で結ばれたオンナ・・・。


  勝手な妄想がどんどん膨れる・・・。

  

  だが、残念なことに、あれからオンナの夢を見ることはなかった。

  私はその代わり、ますます、妄想に(ふけ)った。


  そんな時、私は、現実の世界で、あのオンナを見つけた。

  

  なんと、オンナは、はちきれんばかりの笑顔で、私に向かって大きく手を

 振っているではないか!

  私も手を振り返そうと、胸の高さまで上げたものの、そこでやめた。


  オンナの動きは、止まっていた・・・。

  笑顔は、張りついたまま。

  手は、上げた状態のまま・・・手を振っているかのように見えるだけ。

  動きが、完全に止まっている。


  なぜなら、オンナは、立て看板だったから・・・。

  オンナは、何かのキャラクターの立て看板だった。


  私はまわりを気にし、誰にも見られていなかったことを知り、安堵した。

  そして、口元を歪ませる。笑いが漏れる。


 「お前、サミシイ人間だぞ・・・。」


  オンナは、まだ、はちきれんばかりの笑顔を私に送っている。


  私の胸に熱いものが、なぜかこみ上げてくる。

  失恋とは違う・・・。

  だが、あの熱い想いが・・・。

  このような形で失われてしまったことが、無性(むしょう)に悲しかった。


  私は、一体何に恋焦がれていたのだろう?

  自分の妄想にだろうか?


  私は、涙をこらえた。

  だが、鼻水が流れ出るのを止めることはできなかった・・・。


そこで目が覚めた。


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