楽しいキャラシ作り
戦闘技能
筋力:7
体力:12
器用:13
敏捷:3
魔:14
一般技能
魅力:16
意志力:8
学力:7
洞察力:6
発想力:6
運:13
HP:24
MP:14
と、こんな感じのステータスになった。
「ステータスは全て3d6。HPは体力値の2倍。MPは魔力値そのままです。うーん、なるほど、筋力が低いですね。あと敏捷がピンゾロ出た時は笑いをこらえるのが大変でした」
「笑いそうになってたんですね」
「3d6振ってピンゾロはほとんどないですよ。ちなみに先ほども言いましたが、3d6とは6面ダイスを3個振るということです。1d6なら6面ダイスを1個。3d10とかだと10面ダイスを3個とかですね」
「はい」
「今日は6面ダイスしか持ってきていないので6面ダイスの時だけはこれを振りましょう。それ以外の場合はアプリを使います」
「そんなにいろんな種類のダイスがあるんですね」
「そうですよ。お店とか行くとすごく多くの種類のダイスがあります。しかも宝石みたいに綺麗なやつとか」
そう言いながら先輩はスマホで写真を見せてくれる。確かに透明で水晶のようなサイコロが写っていた。
「ステータスの話に戻りましょうか。筋力と敏捷が低くて、器用と魔力が高いので魔術師タイプっぽいですね。あと一般ステータスは、魅力と運以外は低めですね。この人は魅力と運だけで今までの人生を乗り越えてきたのでしょうか」
「なるほど。こうやってステータスを振ってみるとそのキャラクター像が目に浮かびますね」
「そうなんです。キャラシ作成しているだけでも結構面白いんですよ。じゃあ今度は彼、または彼女がどういう人物か決めましょうか」
「彼女? 女性キャラでもいいんですか?」
「もちろんです。TRPGはなんでもありですよ。その作品にもよりますが、人間だけでなく動物やモンスター、ロボットなんかでもいいです」
「へぇ、ホントに自由なんですね」
「じゃあまずトライアングルファンタジアの世界観を話しますね。とある海域に三つの大きな島がありました。伝説では、かつて神と魔王が戦い、神の流した血と魔王の流した血が固まりそれぞれ島となり、神と魔王の血が混ざりあって出来た島と三つが存在しています。
神の血で出来た島を「イルファス」と。魔王の血で出来た島を「ザクリス」と。混ざり合って出来た島を「ラシュクール」と呼ばれています。神の血で出来たイルファスは安全ですが、ラシュクールには少し魔物が、ザクリスには多くの魔物が住んでいると言われています。近隣諸国の人々はザクリスの魔物たちから安全を得るために、イルファスとラシュクールに兵隊や傭兵などを送り込んでいるという設定ですね。それを知った上で、どういうキャラクターにしますか?」
「ところで、異世界転生とかでもいいですか?」
「異世界転生ですか。ぜんぜんいいですよ。面白いと思います」
「筋力も敏捷もないので、おそらく運動をほとんどしてこなかった俺みたいなオタクで、でも少し手先が器用で、なぜか魔力を保持しているみたいな」
「面白いと思いますよ。それに自分とかけ離れたキャラをロールするのも楽しいですが、初めは自分に近い感じのキャラにする方がロールしやすいと思います」
「ロール?」
「演じるってことですね。このキャラになりきるってことです。TRPGの醍醐味ですね」
「なるほど。ネトゲのアバターになりきるみたいな感じですね」
「まさにそうですね。じゃあ現代日本から何らかの理由でこの世界に転生してきた高校生? ということにしましょうか。名前はどうしますか?」
「名前、ですか、、、」
「なんでもいいですよ」
「鳳凰寺 快斗とか」
「ぷっ、、、いいんじゃないですか?」
「いま笑いましたよね?」
「いえ、笑ってません」
「絶対に笑いました。やっぱり変えます。山田太郎にします」
「なんで急に役所の提出書類の書き方例の名前みたいになるんですか」
「えぇ、もうじゃあ山田快人にします」
「はいわかりました。じゃあさっそくシナリオを始めていきましょうか」
「よろしくお願いします」
こうして新たなるキャラクター、鳳凰寺快斗改め山田快人が生まれた。