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11話目

-----------------------------


__ガサッ


草むらの揺れる音に反応してシャドウパンサーは顔を上げ、音の主に対して今出来る精一杯の威嚇をする。


その目線の先には______小さな、真っ白な小狐。

小狐はその場所から1歩も動こうとせず、ただお互いに見つめ合うだけの時間が数分続いた。…先に動いたのは小狐の方だった。


『何もしないから。大丈夫だよ。』


パンサーは驚いていた。姿かたちが似ても似つかない目の前の小狐からシャドウパンサーの言葉がでてきたのだから。普通、種族が違えば意思疎通などできるはずがない。

しかし、目の前の小狐にはそれが出来るスキルがあった。

シャドウパンサーは驚いたが、すぐに威嚇を解いた。普通、この状況でシャドウパンサーが威嚇をとくことなどありえないが、目の前の小狐の言葉からは嘘も敵意も感じなかった。


『その怪我を直したいだけなの。近づいてもいい?』


シャドウパンサーは静かに聞いていた。威嚇もしなかった。

小狐はそれを肯定ととって、驚かせないようにゆっくりと近づいた。


『今から、そのトラバサミをとって、その傷にポーションをかけるから、少し我慢してね』


小狐は足に近づいて、しばらくの間シャドウパンサーに噛み付いた金属を見ていたが、何かを考え込んだ後、足元からツタを生やして器用に噛み付いていたトラバサミを取り外した。

そしてポケットから緑色の液体の入った植物を取り出してシャドウパンサーの傷口に少しづつ緑の液体をかけていった。

液体のかかった傷口はみるみると塞がっていき、最後には傷一つ無い、つややかな毛並みのシャドウパンサーが残った。


-----------------------------

結局、助けてしまった。弱肉強食に背いて。

傷だらけのシャドウパンサーを見ていられなかった。

気づいたら、草陰から身を出していた。


今、私の目の前にいるのは真っ黒なシャドウパンサー。

それも、唯シャドウパンサーが目の前にいる訳では無いのだ。

目の前で()()()()()()()シャドウパンサーだ。なんならこちらに甘えてきているのか、私にも毛繕いをしてくれたりゴロゴロと喉を鳴らしてたりする。

(傍から見るとシャドウパンサーが小狐を捕食しようとしているようにしか見えないだろうけど)


……………………どゆこと!?ランクSSの魔物だよね!?もはやネコちゃんじゃん!!かわいい!

…ンッンンじゃなくて、要するに助けたら懐かれたと、そういうことでいいのかな?これは。

私の頭の上に顎を乗せて擦り寄ってくるシャドウパンサー。

………そういうことだろうね、これは。

ほんとに魔物なのか信じられなくなるほど、野生なのか疑うほど、かわいい。もう、猫だ。巨大な猫だ。グルグルと喉を鳴らして擦り寄ってくる姿は猫派の私にとっては堪らない!!


野生のシャドウパンサーが現れた

→シャドウパンサーの甘える攻撃

───かいしんのいちげき!!ズガガガガ

まほろはシャドウパンサーにココロを奪われた!


って、まてまて、つい変な想像をしてしまった……。

あ、そういえば《鑑定》して、他に怪我してるところがないか確認しないと。

外から見える部分はポーションをかけたけど、もしかしたら中の方も怪我してるかもしれないし、骨折してたら上級ポーションを使わないといけない。


___________________

シャドウパンサー ランクSS

群れを作ることは少なく、基本単独で行動する。

 影を操って狩りをする。自身が影になることもでき、影になった状態では物理攻撃は効かずスピードも実体の3倍になるといわれている。

状態:健康 テイム可能

___________________


よかった、ちゃんと健康になって………テイム可能!?

いつの間に条件解放させたの!?

落ち着けもちつけ、深呼吸して〜………ふぅ。

じゃあとりあえず、


『君は、私にテイムして欲しい?』


《言語理解》を使ってシャドウパンサーに聞いてみる。

無理やりテイムとかはしたくないし、相手の意見を聞くのが一番いいだろう。あ、テイムの意味って分かるのかな…


と思ったが意味は伝わっていたらしく、うなづいてくれた。

頷いたって事はテイムしていいってことだよね!?

仲間が増える!!嬉しいなぁ!一人は寂しいし何より怖いもんなぁ!


相手の許可も貰ったし!

「《テイム》!」

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