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97th SNOW 神童・雪宮霜乃

今回も霜乃さん大活躍回です。

死力を振り絞るかつて天才・神童と呼ばれた雪女の実力、お見せします。


全盛期は氷華より強いんでね。


さて、登場人物紹介、久しぶりにやります。

今回は今作最大の悪役、土岐昼茂を紹介します。


土岐昼茂(ときひるしげ) 65歳 陰陽師一族現当主 173センチ 69キロ 好きな食べ物 イカの塩辛


今作最大の悪役にして、全ての元凶。

悪のカリスマと言っても差し支えない人物で、ΩやΣ、馬仙院教の金銭的支援を行っていたのも昼茂である。

普段はボランティア団体を運営したり、観光業を経営していたりなど、表向きでは好人物ではあるが、性格は苛烈且つ卑劣漢そのもの。

雪女一族を滅ぼそうと企んでおり、雪子の妹と叔母を殺した張本人で、晴夜を殺そうとしていたのも自らに不都合であるから、とのこと。

過激派からの狂信的な支持を得ている一方、穏健派からは嫌われている。

今回の戦闘では自らが過激派の軍を率いている。

 一見戦闘が有利に運んでいるように見えた霜乃たちだったが、雪子の侍女は、全員ワケありの雪女ばかりなのだ。


長期戦には向くとは言えず、長時間戦えるのは現在冷奈だけという事実。


霜乃は出来る限り早くケリをつけたかった。


(時間がない……!!! でもまだこれだけいる……!! 使えるかは分からないけどやるしかない!!)


霜乃は義眼の妖力を強め、閻魔眼を出す力を絞り出した。


「よし……いける!! 『閻魔眼』解放!!」


霜乃はここで最大妖力に達した。


そして中央広間に立つ。


「これで一気に決める!! 雪女超広大凍結術……!! 『氷獄の世界(ニブルヘイム)』……『大嵐流(ランページ)』!!!!」


強烈な暴風音と共に、空気が凍てつく音が木霊する。


陰陽師の精鋭部隊はこれになす術なく、断末魔の悲鳴を上げながら次々と倒れていく。


しかし、これだけでも霜乃に残された時間は残り30秒ほど。


だが、霜乃は最後まで手を緩める気はなかった。


「召喚獣……『双頭龍(ゴルディバルディ)』!!! 更に『不思議の国の暴龍(ジャバウォック)』を召喚!!」


霜乃は本気だった。


通常は召喚獣を2体以上を同時召喚するのは身体に負担が大きく掛かるほど、雪女にとっては危険極まりないことだった。


だが、霜乃はそうは言ってられないほど危機感を感じ取っていた。


だからこその全身全霊、全力投球で残り残された時間をこれに賭けるしかない。


(ヤバい……!! そろそろ切れる……!! だけど……!! 妹と御当主様の御子息様を守れなくて……!! 何が神童だ……!! なんのためにこの眼を使ったと思ってるんだ……!! このためでしょ!!)


霜乃は思い切り歯を食いしばる。


「アアアアアアアアァァァァアアアアアアアアァァァァ!!!!!」


霜乃の咆哮がフロアに響き渡る。


それと同時に召喚獣の妖力も倍増する。


まるでそれに応えるかのように。


召喚獣は陰陽師の精鋭部隊を、強烈な氷のレーザーで壊滅状態に追い込んでいく。


だが、時間切れが来てしまった。


霜乃の眼から色が消えた。


それと同時に召喚獣2体は粉々に弾けてしまったのだ。


更に絶望的な事態が襲いかかる。


「クソッ……!! まだ……こんなに……!!」


霜乃は両膝を突いて見渡すと、まだ数百人はいるだろう、部隊の連中がフロアを囲っていた。


他の侍女たちも時間切れを迎えたようだった。


「ッッッ……!! どうすれば……!!」


諦め切れないが、諦めるしかない状況だった。


しかし、まだ希望はあった。


冷奈だけは冷静だった。


「霜乃さん……顔を上げて。まだ諦めていい場面じゃ……ないですよ。」


「冷奈さん……!!」


そして冷奈がそう言ったのと同時に、北側から陰陽師を薙ぎ倒して雪子が到着した。


「御当主様!!」


「チッ……来るぞ!! 撃て、撃て!!」


陰陽師たちは次々に術を放っていくが、雪子は軽く左手を振っただけで術を掻き消した。


「……皆の者、よくここまで耐え忍んだ。あとは……ワシに任せよ。」


雪子は不敵な笑みを浮かべ、左手をフワッと握り、魔法陣を生成した。


「『氷結領域(アイスフィールド)』……『棘氷山(ニードルバーグ)』。」


雪子はまた、フワッと左手を開く。


すると。


ズガガガガガガガガガ!!!! という音と共に、陰陽師を下から貫いた。


「凄い……!! これが御当主様の……!!」


「ワシの力に呆けている場合ではなかろう!! 奴らの狙いは晴夜じゃ!! おそらく別働隊が来るであろう!! そうなる前に氷華と晴夜を逃がせ!! 賊どもはワシが倒しておく!!」


「ハイッッッ!!!」


戦闘面を雪子に任せて、他の侍女は怪我人の手当てを、霜乃は氷華に無線で連絡を取る。


「氷華……!? 聞こえる!?」


『お姉ちゃん!? どう!? そっちは!!』


「御当主様が今相手してるけど……!! おそらく別行動の奴らが氷華のところに来るかもしれないから……!! 晴夜くんと一緒に逃げて!!」


『分かった!!』


霜乃は無線を切り、氷華と晴夜の無事を祈りながら治療に加わった。


(氷華……!! この戦いはアンタに賭けるしかない……!! 行きなさい、氷華……!! 私はここまでよ、だけど……アンタなら絶対に昼茂を討てる!! それで絶対に……晴夜くんと結ばれなさい!!)


霜乃は氷華の勝利を確信したような顔で、続行していくのであった。





 一方、氷華は、というと。


「お姉ちゃんから今連絡が入った! ……逃げよう! 2人で!!」


「それはいいけど……!! どうやって!? ここ、窓もないんだよ!?」


「大丈夫……()()()()()()()逃げ道は用意してる!!」


氷華は天井に手を伸ばし、ヒッチを解錠し、そこから梯子を引っ張り出した。


ガチャン! とセッティングし、氷華は晴夜の荷物を持ち、我先に登る。


「なるほど……!! そういうことか!!」


「ホラ! 時間ないから早く!!」


晴夜も氷華に促され、梯子を登っていき、天井裏に避難した。


と、その時。


ドタドタドタ!! という音が聴こえてきた。


危機を察知した氷華は梯子を蔵い、ヒッチを閉じた。


精鋭部隊が突入した頃には、もぬけの殻という状態になっていた。


「!? ここじゃなかったのか!? 晴夜は!!」


「間違いないはずですが……!!」


慌てている精鋭部隊を尻目に、氷華は晴夜と天井裏を這いながら逃げていく。


「危なかった……!! 晴夜、とりあえずルートは確保してる! 今はとにかく逃げるよ!!」


「氷華……!! 今、僕がどうのって……!!」


「いいでしょ、今は!! とにかく後で話すから!!」


掛け合いをしながら2人は逃亡劇を図っていくのであった。


その頃、晴夜の部屋では。


雪子が到着していた。


「案の定来ておったか……やはり警戒しておいて正解じゃったのぉ……」


冷酷な声で精鋭部隊に近づいていく雪子。


晴夜の部屋は密室そのものだ、天井裏に梯子があることを知らない彼らはもう逃げられない。


「クッ……!! 構えろ!!」


精鋭部隊は一斉に構えるが、雪子は動じない。


余程の力量差がないとこうした余裕というのは生まれることがない。


「辞めておけ。お主らでこのワシに叶う道理などあるわけがない。それに……お主らは()()()()()()()。」


「は??」


「……爆ぜよ……雪女瞬間凍結術『生命の凍結(ライフコールド)』。」


雪子が左手の人差し指と中指を交差させたと同時に、マリオネットの糸が切れたかのように、精鋭部隊は次々に倒れ伏せた。


そのカラクリは、体内に侵入させていた極小のフロンガスを心臓に凍結させ、それを一気に解き放って一瞬にして彼らの命を奪ったのである。


なんとも恐ろしい技だ。


「ワシの息子に手を出す輩は……何人(なんぴと)だろうとワシが殺す。」


雪子が彼らの屍を見下ろしているその顔は、怒りが滲んでいたのであった。




 その頃氷華は。


天井裏にある戸から屋敷を脱出しようとしたその時だった。


「嘘……でしょ……??」


絶望的な光景を氷華は目の当たりにしてしまった。


精鋭部隊が庭に集結していたのであった。


氷華と晴夜は、生死の岐路に立たされてしまうことになった。


だが、この後意外な展開を迎えることとなるのである。

次回は静岡パートです。

五話分を予定してますので、長めに取りたいと思います。

次回は陰陽師の内部事情を紹介します。

次回もお楽しみくださいませ。

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