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8th SNOW ポルターガイスト一網打尽大作戦

今回は前回後書きで話した通り、垢里文香について紹介をしていきたいと思います。


垢里文香(あかざとあやか) 26歳 普段は夜の仕事 AB型 11月19日生まれ 163センチ 3サイズB88W60H88

妖怪「垢舐め」の半妖で、Σのムードメーカー的存在。舌の長さは2mをゆうに超える。

エキゾチック系美人で茶髪のセミロングが特徴。

戦闘能力は低く、戦いには不向きだが、長い舌は妖魔を感知するときに大いに役立ち、調査隊として、Σでは活動している。

夜の仕事なので、いないことも多いが、その分昼のうちに情報を集めるので北川からはなくてはならない存在として信頼されている。

 一方、怜緒樹と佐久間は、というと。


ショッピングモールの時計屋で調査をしていた。


怜緒樹は佐久間に問う。


「……副隊長。こんな閑静なところに付喪神がいると思いますか…?」


佐久間の方はあっけらかんとしていた。


「いやあ……どうだろうね。商品の全てにポルターガイストを発生させる能力がある、というのなら、、取り憑いていてもおかしくないからね。この時計屋も例外じゃないよ。おそらく。」


「……被害総額は、、この時計屋も餌食になっているとしたら店側も破産になっていてもおかしくない気もしますが。」


「万が一に備えて妖怪保険にでも入ってんじゃない?」


佐久間は冗談なのか、現実にあるかわからないもので被害総額の話を笑い飛ばした。


怜緒樹は真面目にやれ、と嗜めた。


「副隊長、真面目に調査してください。早いところ祓わないと今後心霊スポットと言われてそれこそこのショッピングモールが閉店する事態にもなりかねませんから。妖魔の影響が及ぼすのは悪影響しかないんですから。」


「ハハハ、小鳥遊くん、ごめんごめん。………! ……そういってたら来そうだね……。そろそろ。」



 佐久間は身構えた。


そして怜緒樹も探知した。


こちらに来る、と。


すると、幾千もの時計が浮かび上がって来た。


「副隊長、迎撃しますか? 思ったよりポルターガイストの数が多いですが…。」


「できる限りは迎え撃つよ……。ただ、北川くんの指示を待たないと作戦がフイになる可能性がある。」


「……わかりました。」


「んじゃ、、行くよ。結界術『閃光乱気弾(せんこうらんきだん)』。」


佐久間の札から放たれた光の弾丸は浮かび上がった時計に向かって発射され、そして命中した。


命中した時計は効力を失い、床に落ちた。


そして、怜緒樹もポルターガイストに対して力を解放して迎え撃った。


「鵺の力、『虎』解放!! 刻印術『タイガークラッシュ』!!!」


勢いよく飛び出した怜緒樹は浮かび上がった時計に向かって拳を繰り出した。


バチャコーーーーーン、という金属音とガラスの割れる音と共に時計は落っこちた。


しかし、まだまだたくさん残っている。


キリがない、そう二人が思ったとき怜緒樹のスマホが鳴った。


どうやら相澤からの着信だったようだ。


怜緒樹は電話を取る。


北川からの指示だろう、そう思った。


「ハイ、こちら小鳥遊。」


「ああ、レオさん? 相澤です。今結構物が飛んでるだろ? 戦況として。」


「そーだけど、早よ要件言えや! どうすりゃいいんだ私らは!」


「移動しながらでいいから指示を伝えますよ! できれば副隊長にも聞こえるようにスピーカーにしてください!」


相澤にそう言われてスピーカーに切り替えた。


そして相澤経由で北川の指示が飛ぶ。


「一階のエントランスホールへ行ってください! そこで氷華と晴夜と一緒に一網打尽にしてください!!」


「りょーかい。そのかわり、付喪神の状態も教えてくれよ。」


「はいはい、仰せのままに。」


「繋ぎっぱなしにしとくぞ!? 逐一報告頼む!」


そう言って怜緒樹はスマホをポケットにしまった。


そして佐久間に声をかける。


「副隊長! さっき指示がありましたが、エントランスホールへ向かいましょう! そこで一網打尽にしろと、隊長は仰せです!」


「わかった。合流すればいいんだね? 雪宮さんと晴夜と。」


「話が早くて助かります。では行きましょう!」


そして佐久間と怜緒樹は追ってくるポルターガイスト物を佐久間の結界術で撃ち落としながらエントランスホールへ向かっていった。




 一方、先に指示を貰っていた氷華と晴夜もエントランスホールへ向かって移動していた。


今いるのが3階。


エレベーターも動いていないし、階段を使うにも非常用しかなかった。


そうなればエントランスホールまでは遠い。


止まっているエスカレーターを階段のように使いながら二人はエントランスホールまで駆け出していた。


そしてポルターガイストは二人に容赦なく襲いかかってくる。


物が襲ってくるたびに土煙が舞い散り、視界を遮ろうとする。


走りながら晴夜は氷華に話しかける。


「雪宮さん、なんとかならない? 正直今は温存しないといけないのは僕も承知済みだけど……。」


「邪眼がなくても造形物くらい作れるわよ! もう! 失礼しちゃうなあ!!」


「ごめんごめん、ちょっとからかっただけだよ。」


「ハア……。あっきれた。よくこの緊急事態で私をからかえるよね。……ちょっと足止めするよ。アレを。『氷芭蕉(ひょうばしょう)』生成。行くよ……雪女扇術『北風突風(きたかぜとっぷう)』!!」


氷華が作った扇子から放たれた突風はポルターガイストを一時的に吹き飛ばした。


そしてその隙に氷華と晴夜はエントランスホールに向かって走り出した。



 

 そして4人はエントランスホールへ到着し、一網打尽することにした。


あのポルターガイストを。


氷華も『邪眼』を解放する。


そしてドライアイスで武器を生成した。


だが、今度は土蜘蛛戦で見せた剣ではなく、長いハンマーを生成していた。


「雪女って、いろんな武器を作れるんだな。すごいよ。」


「関心してる場合か! 陽陰君!! ホラ来るよ!」


会話しているところにポルターガイストが襲いかかる。


氷華はハンマーを長めに持ち、薙ぎ払った。


そして晴夜も式神を呼び出した。


ただ、コレも前回とは違い、『一反木綿』を呼び出した。


式神は倒した妖怪を捕らえ、自分の配下に使役することができる。


晴夜は複数の式神を扱える時点で陰陽師としての実力も優秀なのだろう。


そして召喚された一反木綿はその長い身体を活かしてポルターガイストを絡めとり地面へ次々と叩きつけていく。


一方佐久間、怜緒樹サイドも負けてはいられない。


佐久間は陰陽師の結界術を存分に発揮する。佐久間は晴夜と違い、結界術を主体に戦う陰陽師だ。


「結界術『春雷直下(しゅんらいちょっか)』」


ほとばしる雷が札から放たれ、金属製品に向かって移動する。


そして大規模な稲妻の光とともに金属製品の動きが止まった。


怜緒樹も鵺だけが使える技「黒雲」を繰り出した。


黒雲の素は炭素でできており、隠れるときにも使えるし、拳や脚に付着させ、威力を強化することもできる。


また、炭素でできているので、当然ダイヤモンド級にも、炭が燃え尽きた後の状態にすることまで、さまざまな硬度に調整することも可能だ。


「刻印術『ダイヤモンドタイガーキック』!!」


思い切りジャンプし、空中で放たれた回し蹴りは、次々と吹き飛び、物のドミノ式が空中で行われたかのように効力を失っていった。



 だが。



 一向に本体が掴めない。


このままでは埒があかない。


どうするべきか。


「……さあどうするか……。本体も一緒に来てるはずなんだけど、数が多すぎるねえ。流石に。」


佐久間は飄々としながらも戦況を語る。


「このままだと日が経っちまうな……。手っ取り早く本体を掴めりゃいいけど、そんな甘いもんじゃねえな。付喪神は。」


怜緒樹は夜明けになれば付喪神の効力は停止すると判断したが、今日中に倒さなければ閉店も覚悟しなければいけない。


ハッキリ言って焦っていた。


「せめて止まってくれていれば、、相澤さんも本体を特定するのも楽になるはずなのに……。」


晴夜は嘆いていた。


正直()()()()()()()での任務だ。


陰陽師の札だけでは効力に限界がある。


北川と相澤の指示を待つ前に道具が全部襲いかかって来たらもうどうしようもない。


何か手はないのか、考えていると、氷華が案を出した。


私に任せろ、といった目で。


「私に考えがあります。私の力で()()()()()()()()()()()()()()()()()()、本体の動きを止めるんです。」


なんと空気中の7割もの含有率を誇る窒素を液体になるまで下げて付喪神の動きを止めようというのだ。


そうすることで特定もしやすい。


だが、問題はあった。


邪眼の活動限界だ。


発動してから既に3()0()()()()()していた。


「雪宮さん、そうはいっても、時間との兼ね合いもあるだろ? ましてやこのショッピングモール全てを凍らせるなんて君が持つかどうかの次元にまでなってくる。たしかに合理的だけど君に負担がかかりすぎる。」


晴夜は危険すぎると判断して止めようとする。


だが、氷華の意思は固かった。


石のように。


「手っ取り早いこと特定して倒すにはコレが一番早い。だからいの一番に30分分の力を使って液体窒素になるまで術てを凍らせるよ。本体を仕留めるのは、、怜緒樹さん。任せますよ。」


「あい分かった。無理だけはすんなよ。氷華。」


そうして、氷華は邪眼のパワーを、眼の制限時間分の残りを全て使った上で空気中の温度をどんどん下げていった。

結構ダイナミックな一手が最後に出ましたが、付喪神みたいな姿を現しにくい敵に対しては案外有効な一手だと自分は思います。次回、決着がつきます。


そして前書きの方で隊長を紹介したいと思います。今後は慎重に書き進めていくことになりますが、よろしくお願いします。他の作品も同様に書いていきます。

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