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76th SNOW ニライカナイ

これ、バスガイドさんから聞かされたなー……ニライカナイって。

「死んだものは皆海に還る」という言い伝えがね……ロマンチックでいいですよね。

 修学旅行3日目。


氷華達はタクシーで名護を回る。


買い物を楽しんだり、食事を共にしたり。


晴夜を除いてこの四人で過ごすのは文化祭以来だったので、氷華はわりかしリラックスして楽しんではいた。


そんな中で四人は運転手から思いがけない話を聞く。


「嬢ちゃん達……『ニライカナイ』、って知ってるかい?」


「ニライカナイ??」


「ニライカナイ、ってのはな……沖縄の言い伝えでな、『死んだものは海に還る』って話さ。そしてまた……『海から生まれてくる』って話なんだよ。」


「本州で言われてる『輪廻転生』とか……そんな感じですか?」


「似てるけどちょっと違うかなー……沖縄ってのは本土と離れてっから……独自の文化が形成されてんだよ。」


「なるほど……勉強になります。」


名護の町を回った後、午後はマリンスポーツを体験した氷華達であった。




 同じ時間、名護市にいた「Σ」のメンバーは。


大学のテストが近くて来れない相澤以外のメンバーが名護の視察にやってきていた。


冬菜は旅行名目で高校に休みを貰っているので来れている。


「さて……下見はこの辺か。」


ファミレスで休憩していたΣメンバー。


北川が纏める。


「なるべく平地は避けたいですよね……住宅もありますから……」


文香もペンを回しながら提言をする。


なるべく山の方がいいという風に。


「とはいえ沖縄は山の標高が低い……何処にするかも考えないといけない、且つ……氷華と晴夜が行けるような調整もしなきゃいけない……そうなると最も安全圏なのは砂浜だとは思いますけどね……」


怜緒樹はやるなら砂浜ではないか、という風に進言した。


「そうは言っても桃悦を倒すなら夜しかないですよ! 第一時間なんて……氷華さん達に合わせてたら限られるから……」


冬菜は夜でないと時間がないというのは分かっているのだが、事実スケジュールの関係上もあるので、こうする以外無い。


「……確かに山も海も行ったからな……とはいえ自然破壊は出来ない……そして人目につかないところ……そうなると……」


「今日の夜中……沖縄の海は低木があるから最低限は見えない、ってなると……自然破壊も無駄にしなくて済む、砂浜での勝負ですね、隊長……」


「ああ。文香の言う通りで行く。で、怜緒樹は先鋒隊で桃悦と当たってもらいたい。」


「任せといてください。」


時間差で3人も突撃するという風に、会議を終了した。




 

 その夜。


深夜1時となり、宿近くの砂浜で、一人の男が立っていた。


羅生門桃悦こと、石田晃良だった。


「……『雪宮さんが貴方を呼んでいる』って言われたから来てみたけど……まだ来てないようだね。」


余裕を見せながらも、なかなか来ない氷華にドギマギしている桃悦。


その頃、冷奈、氷華、晴夜は。


玄関にて二人を待っていた冷奈は、急いで車に乗るように催促した。


「私の与えられた仕事はお二方を送るだけです。それ以上もそれ以下もないです。」


「……助かります。」


「さて……戦局はどうなっていることやら……。」


3人は桃悦が待つ砂場へと向かって行った。




 ザッ……という砂地の音が聞こえる。


「おっ……来たかな? 雪宮さん……」


そこにいたのは怜緒樹だった。


私服で来ている怜緒樹ではあるが、怜緒樹は警官らしく書状を突きつける。


逮捕状だ。


「ふーん……僕を嵌めたのか……」


桃悦は相変わらず余裕の表情を浮かべ、怜緒樹と相対する。


「『馬仙院教』教祖・羅生門桃悦……いや、()()()()……複数の殺人及びその幇助、その他3種の罪、及び5つの件で()()()()()()()。」


怜緒樹は冷静に罪状を告げる。


桃悦はニヤリと笑った。


「……へえ……面白いね……本気で僕を捕まえられるとでも? ……()()()()()僕は負けないよ。」


「そっちが来るなら……力尽くでもとっ捕まえてやるよ。かかってこい。」


桃悦と怜緒樹の戦いが幕を開けようとしていた。


一方、北川達や、氷華と晴夜も現場へと急行していた。

次回から、VS桃悦が始まります。

激アツの戦いにはなりますが、桃悦の強さを戦いの序盤で引き立たせれればと思います。

次回もまたお楽しみに。

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