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7th SNOW 佐久間の正体と氷華の初任務

今回は前回ポッと出てきた「Σ」副隊長、佐久間について話そうと思います。話の中で。また、前回後書きで述べたように、氷華の「Σ」としての初任務がありますので、どういった内容か刮目していってください。

また、ここで前回話した通り、今回は晴夜を紹介します。


陽陰晴夜(はるかげせいや) 6月6日生まれ 17歳 B型 189センチ80キロ 好きな食べ物:生八つ橋


ダブル主人公の一人。妖魔討伐組織「Σ」の新人隊員。由緒正しき陰陽師の末裔で幼い頃から修行をさせられて育った。テスト前に東京の支部に呼ばれ、京都の支部から氷華のいる高校に転校。編入成績はかなり良かったとのこと。

端正な深い彫りの顔立ちをしており、女子からの人気は絶大。だが、本人は彼女が出来たことがなく、童貞で、修行させられていたせいか友人もほぼいない。運動能力も高く、運動部から幾度となく誘われるが、跡を継ぐとして全て断っている。

父:月久の名義でマンションを借り、一人暮らし。母の顔は知らないという。料理も簡単なものならそれなりに出来る。

陰陽師の腕はなかなかのモノで、あらゆる式神を呼び出すことができ、封印術にも長ける。また、味方の攻撃力を上げるまじないも得意にしておりどちらかと言えばサポート寄りの戦闘スタイル。

普段は人当たりがよく、ナルシストな部分は本人にはない。だが、天然な部分があり、他人と多少会話がずれることもしばしば。また、女子からの人気があることは自覚しているが、愛想を振り撒くだけにとどまっており、本当に自分のことが好きなのかを読めない等々、超鈍感イケメンの部類でもある。

 まさかこんなところで佐久間先生と会うなんて______氷華はただただ驚いていた。


そして、同時に晴夜が初日氷華に明かした「教師のコネ」と言った意味がわかった。


佐久間先生のことだったのか、と。



 佐久間光圀(さくまみつくに)


氷華と晴夜の通う高校の化学教師で、現在49歳。


年齢を感じさせないイケオジで生徒や他の教師からの信頼も厚く、前述の通りイケオジなので、バレンタインには女子からチョコを貰うこともしばしばあり、それもかなり多い。


だが、典型的な研究家で、密かに変人扱いされているというのもまた事実だ。また、演劇部の副顧問という顔もある。


そんな佐久間がまさか「Σ」の、それも「副隊長」という名誉職に就いていようとは……晴夜を今日、担当していたのも佐久間先生だったのか? 憶測が頭をよぎる。


 氷華は佐久間になぜここにいるのか、を問うた。


佐久間は、


「まあ、僕は別に来なくても北川くんが進めてくれるだろうからいいんだけどね。今日は晴夜くんを送っただけにすぎないさ。それに、晴夜くんからの情報が、僕に興味をそそらさせてくれた。だから北川くんに今日どうするか聞きにきただけだよ。」


「そ……そう、だったんですか……。」


なるほど、それでわざわざ……。


すると北川も佐久間のことについて話し始めた。


「最初は佐久間をΣの二代目リーダーにする予定でいたんだが、佐久間が自分にはリーダーは向かないっていって、無理矢理俺に押し付けたのが経緯だ。本当なら、リーダーをするだけの実力も人望も、俺より持ってんのは佐久間の方なんだよ。」


「そんなに、、凄いんですか…?」


氷華はピンと来なかった。


たしかに生徒や先生からの人望は厚い。


だが、裏の顔は研究熱心で、探究心も強いド変人だったからだ。


それなのに本当に実力があるのだろうか…。


氷華に疑問がまたよぎってくる。


すると、晴夜が話し始めた。


「副隊長は僕の父さんと幼馴染同士で、今も交友関係があるんだ。だから僕が東京に異動になったとき、父さんが真っ先に連絡をして、東京の不動産屋さんを紹介したのも副隊長なんだ。」


「そんなに凄いんならなんで早く言わなかったの? 陽陰君。」


「君次第でそれを言おうかどうかを決めていた。今こうやって君がΣに入ってくれたからこうやって話せる。」


そして二人の会話に相澤も割って入ってきた。


「まあ確かに……Σのメンバーの素性は明かせねえよな。政府非公認だから、機密情報を守るのは当たり前だろ?」


「そうですね……。僕は隣の席がたまたま隣で、霊力も目立つくらい強かった雪宮さんだったから話せましたけど、そうじゃなかったら明かすこともなかったかなと思いますね。」


そうして、氷華は話題を変えた。


「北川さん……なんで佐久間先生より年下なのに呼び捨て、、なんですか?」


「あー、、本人が許容してるからな。年齢主義が嫌いなタイプで、地位主義的なところがあるからな。佐久間は。俺も最初は佐久間さんって呼んでたさ、そりゃ。けれど、俺がリーダーに就くにあたって気を遣わせたくないから佐久間の方から俺に呼び捨てで呼べ、って言ってんだよ。」


確かに理屈は納得だ。


だが、これから佐久間をどう呼べばいいのか…氷華は複雑な気持ちだった。


「僕は今まで通りでも、『副隊長』って呼び方でもどちらでも気にしないよ。けれど、学校ではちゃんと佐久間先生、って呼んでくれれば僕はそれでいいから。」


まあ、細かく考えても仕方ないよね……氷華はそう考えることにした。



 そして、北川から任務の伝達が入る。


「これからお前らには、渋谷のショッピングモールに行き、そこに住み着いている妖怪を討伐してもらう。相手は『付喪神(つくもがみ)』だ。事前に晴夜と文香でそこを調べてもらっている。」


「!! それ、、私が土蜘蛛を倒した日に行ったところ、、ですか!?」


「それなら話が早いな。氷華。その通りだ。夜に人気のない時間に動いては、騒音がするくらい、物を動かしては落とす、ということを繰り返していて、朝来た時には物がぐちゃぐちゃに散乱しているとのことらしい。」


「隊長、、所謂ポルターガイスト、ってやつをその『付喪神』がやってるってことですよね?」


怜緒樹が本質を突く問いをする。


「そうだな……文香の話では、取り憑いている物を買われればその邪気は消えるのだが、買われていない商品ほど、その邪気が強くなっていって、より引き起こしている、っていうことだそうだ。」


「じゃあそれを討伐するのって、人手が必要ですよね?」


あれだけ広いショッピングモールなら、何千何万にもなる()()()()()()()()()()となるとどうしても人手がいる、氷華はそう考えた上でそう言った。


そして佐久間が提言する。


「この任務には相澤くんと北川くん以外が行くのはどうだろうか。勿論、垢里くんは仕事だから来れないしね。正直相澤くんの能力では商品を傷モノにしてしまうだろうし、北川くんも霊感が人より何十倍もあるというだけさ。晴夜くんの話だと、本体は一つの商品のどれかに隠れている。だから北川くんに今回の件は向かない。僕がこの札を渡しておくから、相澤くんが察知してくれて、北川くんが全体に指示をする、という方がこの任務には絶対欠かせないんだ、と思う。あれだけ広いとマップの探索役や、指示役は絶対欲しいからね。」


「確かにそうだな……。よし、佐久間のを採用しよう。佐久間は車を足にして、怜緒樹、晴夜、氷華を送って欲しい。相澤はショッピングモールの探索役と察知役を佐久間から預かった札で行え。俺は相澤と一緒に残ってお前らに指示を出す。」


「「「「「了解。」」」」」


そういって、6人は準備に取り掛かり、相澤と北川以外は渋谷のショッピングモールへ出発した。



 

 そして車で移動中、佐久間は氷華に自分のことを話した。


「僕は陰陽師の次男で生まれた。だから今こうやって、教師として働くことができている。それに、僕はあるものを同時に持っている。」


「? 持っているもの、ってなんですか?先生。」


「……僕も小鳥遊くんと同じ、『刻印者』なんだ。といっても、大した妖怪を埋められているわけでもない。勿論鵺でもないよ。僕は『手の目』という妖怪の刻印者だ。といっても、その死体の血を、僕に埋め込まれただけでそれ自体は小鳥遊くんと違ってほぼ出ないのさ。その分身体能力だけを引き継いだんだけど、ね。」


「たまに変なことをいうのもそういうことなんですか? 先生。」


「いや? それは昔からさ。事実を言ってるだけで、変人扱いになるのは僕自身あまり好きではないけどね。」


そうして話し込んでいるうちに、ショッピングモールに到着した。



 事前に許可は貰っていた四人はすんなり入ることができた。


しかし、明かりがない中で作業するにはかなりハードなので、気配で感知するしかない。


のだが、今回は運がいいことに陰陽師の血を引いている晴夜と佐久間がいる。


明かりを灯す術で周囲を照らした。


そして、晴夜は氷華と、佐久間は怜緒樹と共に行動することにし、付喪神を探すことにした。



 氷華と晴夜は付喪神を探りながら会話している。


「雪宮さんって、、Σに入る時お姉さんと話しした? キチンと。」


「ま、、まあ一応話したんだけどさ、、怪我しないように、ってことだけは言われたよ。あと無理するなって。」


「そっか。……なんにせよ、入ってくれて嬉しかった。確かに怜緒樹さんは格闘術は強いけど、近接戦闘以外、何も武器がない人だから、もう一人強い人が欲しかった。そこに君がピッタリ当て嵌まったけど、雪女は狙われやすい。圧倒的な力があるから若い雪女ばかり最近狙われている。君のお姉さんの件も、それに当て嵌まっていた。……僕としての本音は来ても来なくてもよかった。()()()()を組織に置いておくほど危険なものはないからね。」


「……お姉ちゃんが懸念してたのもそこだと思う。でも、私が実力を見せれば問題ないわけじゃない?」


「それはそうだよ。僕と文香さんが推薦したんだから。……シッ、来るよ……付喪神が。」


二人は物が動く気配に気づき、戦闘態勢に入る。すると。衣類や靴、金属の棚までもが浮かび上がった。


「………来るッ!!!」


二人に襲いかかる店の商品たち。だが、本体を探さないと始まらない。


「ひとまず一回逃げよう!!」


「!? なんで!?!?」


「一箇所に固めて一つ一つ迎撃する!! とにかく4人で集まらなきゃ始まらないし、付喪神も本体とものを切り離して動かすことはできない! だから一箇所に誘い込んで飛んできたものを仕留める!!」


「そ、、それはわかったけど、どうすんの!?」


すると連絡が入った。北川からだ。


「晴夜! 氷華! 一階のエントランスホールまでおびき寄せろ!! 佐久間と怜緒樹もそこに集合をかける!!!」


「「わかりました!!」」


二人は北川の指示通り、エントランスホールに二人で向かっていった。

佐久間先生は結構特殊な人なんで掴みどころがない人なんですよね……。

この次の回で実力を出させようかと思います。あと、怜緒樹の戦闘シーンも見れます。

さて、次の前書き登場人物紹介コーナーは、垢里文香の紹介です。生態が特殊な人を描くのって普通に難しいんで、頑張って設定秘話を書こうと思います。乞うご期待ください。

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