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67th SNOW それぞれの思惑

この回は蝿崎と氷華が対峙する回になりますが、最初の方で馬仙院教陣営の思惑を描きたいかなと思っております。

 「Σ」陣営が蝿崎を捕らえるという話をしている頃、蝿崎と桃悦が教団の事務所内で食事を摂っていた。


今後の方針についてだった。


「教祖様、霰塚家と雪羽の安否についてなんですが……」


蝿崎から切り出す。


「ここまで連絡が取れない、ということは……おそらく()()()()だろうね。」


桃悦は、推測ではあるけれども、と付け加えて蝿崎に語る。


そしてこう続ける。


「正直に言って……雪女の力を僕は舐めていたかもしれない。雪宮氷華もそうだが……おそらく霰塚家は別の雪女に始末されたと見よう。」


桃悦はスープをひと啜りしながらそう語った。


「……では、どうしますか。雪宮氷華をこちら側に取り入れて……()()()()()()()()()()()()()()という計画のはずですが、続行致しますか。」


蝿崎は桃悦に指示を仰ぐ。


桃悦は少し考えて結論を出した。


「それは勿論だ。おそらく精神的には回復しきっているはず。それに……彼女からは僕らの正体はもうバレきっているだろうと思う。霰塚家を大体的に粛清するってことは、つまりそういうことだろう。」


「……そうでないことを祈りますが。」


「おそらく彼女を捕らえるのは……一般の信者を使えばいいのだろうけれど、彼女の実力はまだ僕らも把握しきれていない。ただ考えられるのは蝿崎、君ほどの実力はないと思うよ。だから君に命じるよ。『雪宮氷華』を捕らえて連れてこい。ただし絶対に殺すな。いいね?」


「仰せのままに。」


そう言って、蝿崎は立ち上がる。


食器を片付けた後、自分の部屋へと戻っていった。


(さぁて……どうなるかな。これで上手くいけば……全てが僕の思いのままになる……ククク……)


桃悦は、氷華を捕らえた後を想像して、ほくそ笑んでいたのだった。



 一方氷華は、イヤフォンジャックを右耳に取り付け、いつでも援軍を呼べる体勢を整えてから本部を出発していった。


蝿崎が多摩市内にはいるのはまず間違い無いだろうが、いかんせん見当が付かない。


かといって、事務所に乗り込むようなバカな真似は絶対にできない。


電車で多摩市に戻っている最中、どう倒すかを考えていた。


もし仮に普通の人間のような出立ちだったらそれこそ見分けがつきにくい。


スマホに保存した馬仙院教のポスターの顔写真を時折眺めて顔を幾度となく確認していった。


やがて多摩に到着し、蝿崎の捜索を開始した。


歩くこと1時間、晴夜ほどでは無いにしろ、ある程度長身の男を見つけた。


特徴的な長髪に、黒い革ジャン、ネイビーのダメージジーンズを履いた男だ。


それも本屋にいて、バイクの雑誌を立ち読みしていたのだ。


氷華も気付かないふりをしながら、ファッション誌を立ち読みし、時折顔をチラチラと見て、怪しげな男のことを観察した。


ある程度若く、整った顔立ちをしている。


少し頰長の顔ではあるが、氷華はスマホの写真を改めて見てそれが蝿崎だということを確認した。


その後、氷華は遠く離れた小説が陳列されているコーナーへ行き、イヤフォンジャックを起動し、北川と連絡を取る。


「こちら雪宮。ターゲット『蝿崎五月』を発見しました。これから彼を尾行します。」


『了解した。機を見て仕掛けろ。』


「分かりました。任務続行します。」


氷華はその後、本屋から出て行く蝿崎に気付かれないように尾行していったのだった。



 そこから一時間半、蝿崎と氷華は歩いた。


氷華も蝿崎を見失うことなく捉えていた。


やがて公園に入って行った蝿崎。


何を探しているのかは気になるところではあるが、人気のない公園だ、環境の都合が良すぎる。


氷華はここしかない、と思い、蝿崎に接近した。


「貴方が蝿崎さん?」


背後から急にかけられた、やや高めの女性の声に蝿崎はピクッと反応した。


「何故俺の名前を____」


知っているんだ、と言いかけたところ、氷華の氷の剣が蝿崎目掛けて振り下ろされていた。


蝿崎は咄嗟に白刃取りで受け止めた。


「……これを止めるなんて……やるね、蝿崎。」


「……貴様が雪宮氷華か。まさか俺が奇襲を受けるとはな。」


蝿崎も氷華も、牽制の言葉をかける。


「教祖様に貴様を捕らえろと命じられている。そちらも向かうなら俺も全力で迎え撃つ。」


「ええ。私もそのつもり。貴方を捕らえるよう言われてる。ただ……私は()()()()()()()()()。」


氷華は邪眼第一段階を解放し、剣を生成し、構えた。


氷華にとっては霰塚家をたぶらかした張本人、そして倒すべき相手「馬仙院教」のナンバーツー。


ある意味で雪羽の仇だった。


(はらわた)が煮え繰り返る想いだった。


蝿崎はゆったり構える。


「この俺を殺す、か……冗談も大概にしておけ。お前では俺に勝てない。」


冷静に煽る蝿崎だが、氷華はこの挑発には乗らない。


「冗談で剣を構えるバカが何処にいるっていうのよ。覚悟なさい、蝿崎。」


剣を構えるが、同時に氷華はこう、考えていた。


(正直言って……コイツの能力は何も分からない……ただ霰塚家が何も出来なかった相手だから強いのは確か……全力で行かなきゃコイツには勝てない……)


そして同時に地面を蹴り出した二人。


氷華と蝿崎の戦いが始まったのだった。

次回は蝿崎の能力初披露回になります。

まあ、バカ強い能力なんで、氷華は大苦戦することになります。

お楽しみに。

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