63rd SNOW 想いの成就、初めてのキス
ホンマにタイトル通りになりますね。
さて、ここからが本番だな。
俺の持論になりますけど、恋愛ものは付き合ってからが本番だと思ってるんで、しっかり書きたいと思います。
壮大な伏線もあるしww
氷華に好き、と言われた晴夜は戸惑っていた。
晴夜は鈍感すぎるが故に告白クラッシャーと中学時代と京都時代の時に言われており、生憎お付き合いしたことがない。
だが、これは本気なのだろうか……晴夜も氷華のことが好きだったので、無下にするわけにもいかなかった。
「本気で僕が……好き、なんだよね……? 氷華……」
「他に誰がいるの!! ……もう……この鈍感……!!」
氷華は真っ赤な顔で晴夜を見上げる。
そして独白する。
「……仕事仲間とか……クラスメイトとかじゃなくて……純粋に……晴夜を、男の子として……好きなの……」
晴夜は照れるしかないし、心音が異常に高まるのを感じた。
こんな可愛い子に、面と向かって好きと言われて舞い上がらない男はいないだろう。
氷華にとっては本当の意味での初恋の人。
男子が苦手だったからこそ、晴夜のガツガツしないところに惚れたのだろうか。
晴夜は一応確認する。
「そ……その……う、嬉しいんだけどさ、氷華……一応聞くけど、僕の何に……惚れたの……?」
なかなかOKを貰えない氷華はヤキモキしている。
荒くなりかける吐息を深呼吸に戻す。
「……初めて会った時は……その、変な人だな……って思ってた……だけど……一緒に過ごしていくうちに……晴夜の謙虚さもそうだし……それに……私なんかに対してもすっごい気を遣ってくれるし……だから……私の彼氏は……恋人は……晴夜しか考えられない、って私の中でなって……そこから、かな……それに……」
「それに……?」
「………私の……初めて……男の子が……好きになったの……貴方だから……」
晴夜からしたら、恥ずかしすぎて、尊すぎて気絶しそうだった。
自己評価が低めだからこそ、ここまで言われるのは流石に照れ臭いを通り越す愛の列挙。
固唾を飲む晴夜に対して氷華は意を決してこう、晴夜に言った。
「だから……私の……私のハジメテを全部貴方に捧げたい! 私でよければ……付き合ってください!!!」
顔は明らかに恥じらっている。
が、氷華のその目は真剣そのものだった。
この申し入れを受け入れないわけにはいかないが、晴夜にとっても初恋が氷華なので、返答に困っていた。
晴夜としては同じ感じで氷華に告白する予定だったので、先手を取られた感覚だった。
「……ダ……ダメ………かな…………??」
氷華の心音が急激に高まってくる。
これで断られたらどうしよう……と、いった感じに。
晴夜は一息吐く。
「……ダメなわけ……ないじゃないか……! だけど氷華……僕からも言わせてほしい……!」
そういって、晴夜は固い、赤面した表情のまま、氷華の顔付近に、右手を壁に押し当て、「壁ドン」を氷華に返した。
心音がまた更に高まってくる晴夜。
これ以上、ないくらいに。
「僕も…僕も君と一緒だ、氷華……! 僕も……氷華が初恋の人だから………!! だから今日……こういった感じで君に伝えようと思ってた!! 僕は……氷華が愛おしいくらいに好きだって!!!」
渾身の想いを、氷華に対する想いを伝える晴夜。
「だから僕からもお願いしたい! 氷華! 僕と付き合ってほしい!! 君とおんなじ想いで……こんなに嬉しいことはないよ……!」
氷華はこの、晴夜の熱い想いに、嬉し泣きをした。
嗚咽を漏らしながら。
「……私もよ、晴夜……! まさか晴夜も……私のことが好きだったなんて………!!」
晴夜は緊張が解れたのか、とびっきりの笑顔を見せた。
壁ドンした右手は下ろした。
「……正直言っちゃうと一目惚れだった……! だけど……この違和感に気付けなかった……でも……それでも……氷華の真面目さと優しさを知っていくうちに……! 氷華のことをもっと知りたい……! 僕だけのモノにしたい! 一生……側にいて欲しいって想うようになっていったんだ……! だから……!!」
と、氷華は晴夜に抱きついた。
「わ、ちょっ!? 氷華!?」
「ありがと、晴夜……! 私を……選んでくれて……!! 今までで一番……幸せだよ……!!」
「ハハ、僕もだよ氷華。……僕もすっごい、幸せな気分だよ……。」
晴夜は氷華の肩を軽く叩き、ホールドを解かせる。
晴夜は体を屈める。
190近い長身なので、そこら辺は晴夜も気を遣っている。
同じ目線で顔を、目を合わせる二人。
「え……っと………き、キス……??」
「うん……」
晴夜が氷華の小さな顔に、右手をうなじ辺りに、左手を背中に添えた。
氷華は両手で晴夜の頬を挟む。
二人が目を閉じる。
そして。
「「んっ……………」」
二人は唇を重ね合わせた。
それも深く、長く、ジッと動かないまま数十秒間。
氷華の雪女特有の、ほんのり冷たくて柔らかい唇と、晴夜の品のある唇がくっつき、二人の恋の成就を祝福するかのように。
晴夜が先に唇を離した。
吐息を吐き、お互い唇を覆い隠す。
「頭……ボーッとする……」
晴夜は素直な感想を零した。
「うん……私も………。こんな……すごいんだね、キスって…………」
氷華も同感だった。
こうして二人は晴れて結ばれた。
晴夜はこう言った。
「こんな幸せなことはないな……だから……これからは……『恋人』としてよろしくお願いします。」
氷華も眩しい笑顔で返した。
「うん……!! こちらこそ!!」
二人は一緒に帰る事になった。
だがまだ、お互い距離は少し置いたままだ。
まだお互い、意識しすぎている部分があるのだろう。
その証左に、顔が紅くなっている。
この沈黙を打破したい氷華から声を掛けた。
「せ……晴夜……」
「う、うん……。」
そういって氷華は左手を差し出した。
「手……繋ご?」
「そ……そう、だね……もう、恋人、だもんね……」
晴夜はその大きい手を、氷華の手を包み込むように優しく握った。
晴夜の手には冷たい温もりが、氷華の掌には大きく暖かい感覚がそれぞれ伝わってきた。
氷華はそこから大胆にも身体を晴夜の腕に寄せた。
氷華の柔らかく、大きな胸の感触が晴夜の腕に当たる。
「ずっと……このままならいいのにね、晴夜……」
「僕もだよ、氷華。このまんま、時間がさ……流れてくれればいいのにね……」
ウブな幸せとでもいうべきだろうか、ほっこりとした幸せな雰囲気が二人の周囲を包んだ。
しばらく歩いた後、氷華から切り出した。
「晴夜……明日さ……デート、いかない?」
「さ、早速? まあ……いいけど……」
急なことに驚いた晴夜だったが、これを了承した。
「じゃあ……1日いっぱい遊ぼう? 明日何も予定ないしさ……?」
「だね。思う存分遊ぼうか、氷華。」
氷華と晴夜の間には、絶対不可侵的な領域が、幸せという形になって張られていたのだった。
初めて告白シーン書いたけどさ……死ぬほど小っ恥ずかしい……
何せ俺、そういう経験皆無だからねwwww
さて、次回から新章です。
その一発目は二人の初デート回となります。
お楽しみにしていてください。




