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52th SNOW 雪女の結束、狂いゆく

閻魔眼の説明を最初にやったあとに雪羽VS桃悦の後編となります。

多分、皆さんが見たくなかったシーンが見れるんじゃないでしょうかね。


登場人物紹介、今回は蝿崎です。


蝿崎五月(はえざきいつき) 23歳 「馬仙院教」副教祖兼ボディーガード 186センチ 73キロ 好きな食べ物 アップルパイ


馬仙院教の最初の信者であり、桃悦の右腕である。

冷静な性格で、忠誠心が強く、また身の回りの世話も出来るほどの器用な男。

刻印者の1人で、能力は「ベルゼブブ」。

蝿の軍団を飛ばすことで、その蝿が触れた物を腐食させる攻撃を得意とし、自身の姿も蝿に変換させることができ、戦闘能力は非常に高い。

普段はスーツを身に包んでいる。

桃悦の実情をただ1人知っている男。

馬仙院教の広告塔にもなっているほどの美形ではあるが、何処か影がある。

高慢さがなく、謙虚な男ではあるが、敵対する者には一切の容赦をしない冷酷な男でもある。


 「閻魔眼」を解放した雪羽。


そもそも閻魔眼とは何か、というと、一部の雪女のみが習得できる、「左眼」のみに発現できる「青い眼」のことで、苦手な系統の雪女の術も()()()()()()()()()()()ことができ、得意な系統も1()2()0()%()()()()()()()ことができる、まさに本気モードの眼だ。


氷華はそもそもこの眼の存在を知らなかったので使えなかったが、「邪眼」とセットで使うので、氷華もいずれ習得できる可能性もあった。


雪羽もまだ戦闘であまり使わなかったのは何かというと、「使用後に虚無感に陥る」からだ。


閻魔眼は()()()()()と引き換えに、妖力の系統の練度を高めるので、使用効率が良くなる。


ただ、邪眼の半分の時間の30分しか使えないので、それ以上使う場合、自分の中にある「感情の何か」を犠牲にしなければいけないのだ。


例えば嫉妬だったり、喜怒哀楽のどれかだったり、傲慢な心でもいい、とにかく「心」を司るものならなんでもいいのだ。


雪羽は、この30分の中で桃悦と決着をつけようと試みていたのだった。



 「30分……それで貴方を倒しますわ……!! 私の全てを賭けて……!!」


そして、魔法陣を展開する。


「召喚獣……『地獄の大海蛇(リヴァイアサン)』……!!」


アイスタイラントとは違う、立髪の生えた巨大な竜を生成し、桃悦に向かって放った。


顎を唸らせて桃悦に襲いかかるリヴァイアサン。


だが、桃悦はこれを見ても怯む気配が全くない。


「簒奪の魔手……『溶岩の宝玉(マグマ・アルス)』。」


桃悦が溶岩の手を突き出して受け止め、リヴァイアサンはマグマの熱で溶けた。


「『創造』でEMP砲を生成……!! 砲身にマイナスイオンを集中させる……!!」


雪羽は巨大な電磁砲を生成し、桃悦に向ける。


「食らいなさい……!『氷の電磁砲(アイスレールガン)』……!!」


超低音のレールガンを桃悦に音速で解き放った。


桃悦もこれを避けきれず、クロスアームブロックでこれをガードした。


それも、身体に「イフリート」の炎を纏いながら。


「ふう……やるねえ……まさかこんな技を隠し持っているなんてね。」


まだまだ余裕の表情を見せる桃悦。


「……僕が炎系の技しか使えないと思ってた……?? だけど残念……僕は簒奪者、つまりは……()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()のさ……」


そういって、イフリートを解く。


「簒奪状態変更『鎌鼬』。」


そう唱えたあと、両手が鎌のようになった。


そして、両の手を磁石が離れるように真空刃を放った。


目に見えない攻撃を雪羽が受け止められるわけがなく、痛みなく切り裂かれた。


出血も出ている。


次々と真空刃を飛ばして雪羽を嬲っていく桃悦。


雪羽は空気を凍らせて真空刃を可視化するが、全てを防ぎきれず、出血量が嵩むだけだった。


だが、これも作戦だった。


「血飛沫凍結……凍結術魔導合技……! 『付着(アタッチメント)血液爆弾(ブラッドボム)』……!!」


自身の血を利用した、血の氷の爆弾で桃悦の身体に返り血を浴びせる。


隙を突いた雪羽は大きく踏み込んで、「創造」で槍を作り出す。


「雪女槍術……!! 『氷結一閃(ひょうけついっせん)』!!」


桃悦の心の臓へ向かって槍技を放った雪羽。


桃悦も避けきれずにその部分に突き刺さったが、()()()()()()()()()


尚も動き続ける桃悦に動揺を隠せない雪羽。


「なんで……!? ()()()たしかに()()()()()はず……!!」


感覚には心臓の手応えがないのはあったが、何故動けるのか……甚だ疑問だった。


その答えとは。


「いやー、悪いね、雪羽……♪ 僕は……『()()()()』の当事者でもあるんだよねぇ……?」


目を見開き、笑みを浮かべる桃悦。


そして、槍を左手で叩き割り、右手で槍の先を引き抜いた。


一瞬で雪羽の懐に踏み込んで、桃悦は技を叩きこんだ。


「簒奪の魔手……『破壊の右手(バーストエレメント)』。」


右手に溜めた渾身のパワーを一瞬のうちに放出し、雪羽の腹部に叩き込んだ。


内臓が破裂したかのような衝撃を受け、(実際には破裂していないのだが)雪羽の意識は真っ暗闇に沈んでいった。



 気絶した雪羽を見下ろしながら、桃悦は蝿崎に電話をかける。


「蝿崎、そっちはどうだ? 僕の方は終わったが。」


蝿崎も電話越しに返す。


『ええ。こちらもたった今、霰塚家の制圧を終えたところです。』


桃悦はこの報告を受け、不敵な笑みを浮かべた。


「じゃあ、此方まで来てくれ。雪羽を拉致し洗脳する。」


『……承知いたしました。では、また後ほど。』


「ああ、ちゃんとマップを送るからそれに従ってくれ。それじゃ、また後で。」


こうして桃悦が電話を切った。


「さて……後は雪羽をオモチャにするだけだが……どうやって僕に()()()()()()()に仕立てあげようか……。雪宮氷華を()()()()()()()()()()には必要不可欠だからな……雪羽が……。」


この呟きを聞いていた雪羽は、朧げな意識の中、氷華の身を案じていた。


(氷華さんを……何故……狙っているの……? この男は……早く……10傑のみんなに……知らせ、ない……と………)



 雪羽はそのまま数時間、意識を失っており、気づいた時には教団本部で目が覚めていたのだった。



 このことが氷華だけでなく、雪女全体を巻き込んだ一大騒動となるのだが、氷華はその頃、クラスメイト達と体育祭の打ち上げに行っていたのだった。

これにて第3章終幕です。

雪羽も強いんですが、桃悦は別格ですね……

圧倒しちゃうんですから。

これでも桃悦はまだ、30%も実力を出してません。

今後雪羽がどうなるのか、雪女一族がどう巻き込まれていくのか、そして氷華はどうなるのか、それは次章までお待ちください。

尚、次章から死人が出ますので、グロが苦手な方はお気をつけください。

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