50th SNOW 桃悦、動く。
節目の50話目です。
体育祭のアフターストーリーと共に、今回は今作の外道系悪役・「羅生門桃悦」サイドをお送りします。
長野に行った、ということは……誰がどうなるのか、お分かりですね?www
一方何も知らない氷華は、晴夜と距離を縮めていきます。
体育祭が終了し、氷華と晴夜は共に帰ることとなった。
「いやー……疲れたね、この2日さ……」
氷華が晴夜を労っていた。
それもそうだろう、二人とも大活躍だったのだから。
この体育祭ではMVPといっても差し支えはないだろう。
「そっちこそ。雪宮さん、ガンガン動いてたからね。」
晴夜は軽く笑って氷華を褒め称えていた。
「とはいえさ……あのアリウープ、まさか決まるとはね……昨日練習したばっかりでさ……。」
「まあ……あれは雪宮さんを信じただけだから……決めれたのはたまたまだよ。」
アリウープの話題になっても晴夜は謙遜しっぱなしだ。
「でも終わってホッとしたよ、私は。……これで文化祭に集中できるしね〜。」
「ああ、そういやあ、文化祭が来月だったね。……雪宮さん、今回何するか決めてるの?」
文化祭に話が切り替わる。
氷華はうーん、と少し考えて、こう答えを出した。
「私はさ……今年、コズ達とバンド組もうかなー、って思ってて……というか、決定事項なんだけど。私がボーカルとベースで、さ?」
「へー、凄いじゃないか。気になるな、雪宮さんの歌。」
「そんなんじゃないよ! あんまり……期待、しないでおいて……ただ単にあのメンバーの中で私が歌、一番上手かったってだけだから!!」
そう言った氷華の顔は照れている。
気恥ずかしいのだろうが、本音で言えば聴いて欲しそうな氷華だった。
「じゃあ……どんな歌、歌うのか決めてる?」
晴夜が質問攻めしてくる。
氷華は今決まっている範囲でこう、答えた。
「そー……だなー……4曲歌うのは決まってるんだよねー。で、まあ3曲はJPOPで……残り一曲は私達のオリジナル曲、作詞ろうって思ってて……作曲は玲香がやるんだけど、まだ内容が決まってないんだよねー……今どんなのがいいかなー、って模索してる段階。」
「そっかー……僕はそんな歌聴かないからなー……楽しみに待ってていい?」
晴夜の目は心なしか輝いている。
相当楽しみにされているようだ。
「んー……玲香の音楽とマッチできるかどうかは分かんないけど……頑張るね、私も。」
と、ここで梢からメールが来た。
その内容とは。
【氷華ー、この後みんなで打ち上げあるんだけど来ない??】
晴夜にこの内容を見せ、顔を合わせる。
「……行こっか。折角だし。」
晴夜が柔和な笑みで誘いに乗ることにした。
「……分かった。」
といって、梢が送った場所に向かうことにしたのだった。
と、ここで氷華が晴夜に話しかけた。
「……そのー……さ、………これから………『晴夜』……って、呼んでいい、かな……?」
氷華の顔は完全に照れと乙女心で顔が朱に染まっていたのだった。
晴夜は気にせず笑いかけた。
「じゃあ……僕も『氷華』、……って呼ぼうかな……?」
晴夜もどこか照れ臭そうだったのだが、いつもの柔らかい笑顔でこの申し出を承諾した。
「……なんか……ホントの友達になった感じだね、晴夜……」
氷華も面白おかしそうに笑いかけた。
「そうだね……これから……頑張っていこう、氷華。」
その後も終始照れ臭くなりながら、二人は梢達が待っている打ち上げ会場まで歩いていったのだった。
一方同じ頃、桃悦の方では。
「教祖様……お迎えにあがりました。」
蝿崎はスーツ姿に黒い車で、近くの駐車場まで桃悦を迎えに来ていた。
「ああ、お疲れ蝿崎……これから長野へ向かうけれど……準備は出来てるかい?」
「……勿論でございます。交通費も、整えております故。」
「じゃ、頼むよ。長野まで。……狙いは……『霰塚家次期当主』……『霰塚雪羽』だ。」
といって、桃悦は助手席に乗り込み、黒いローブを被った。
蝿崎は何も言わずに車を発進させ、高速道路に乗り込んだ。
1時間半が経過し、二人は長野に到着した。
「それじゃあ……蝿崎は霰塚家の籠絡を頼みたい。抵抗するやつは最悪殺してもいいから。」
「仰せのままに。」
「で、僕はターゲットの雪羽を引き入れる。……大丈夫だよ、蝿崎、そんな心配しなくても。僕が負けるわけがないんだから。」
「では……私はこれにて。」
といって、二人は別々に分かれて行動していった。
数分後、雪羽が歩いてきた。
幸か不幸か、現在人気もない。
今がチャンスと見たのか、桃悦は雪羽の背後から襲いかかった。
ハッと気づいた雪羽は咄嗟に手持ちカバンを凍らせて桃悦の攻撃を受け止めた。
「ハーイ♪ こんばんはー、霰塚雪羽さーん♪」
陽気な声で雪羽に喋りかけた桃悦。
一方、突然襲撃された雪羽は慌てていた。
「な……何なんですの、貴方!! 何の用ですの!?」
それと同時に雪羽は桃悦の得体の知れない妖気にビリビリとした気を感じていた。
(な……何なの、この男……関わったらいけない奴じゃないの……!? 妖気が尋常じゃない……!!)
一方、桃悦の方は余裕そうに笑っていた。
ただし、ニチャァッ………とした、気色悪い笑みで、だが。
「そんな身構えなくてもいいよ……だって君は……この後僕の部下になるんだから。」
といって、桃悦は右手右足を突き出して戦闘態勢に入った。
「……冗談はその格好だけにしてくださいます!? そこを通して頂戴!!」
やるしかない、そう思った雪羽は、「邪眼」を解放した。
この後、この二人の戦いが雪女一族の根幹を揺るがす事態になるのだが、それはまだ、誰も知る由もないことだった。
次回から2話は……雪羽VS桃悦となります。
桃悦のバトルシーンを見せれる日が来るとはねー……
とにかく次から2話は全力で頑張ります。
今後、この戦いが次章のカギを握ってきますのでね。




