49th SNOW アリウープ
体育祭本編終了でーす。
美男美女だからこそ映える絵を用意してます。
最終第4クオーターが開始となる。
3年生は何故か晴夜にのみダブルチームを組んでいる。
まあ氷華のマークには女子が付いているのである種の配慮なのかもしれないが。
氷華が井沢からボールを受け取り、マークマンの女子と1on1になる。
3秒、一瞬の静寂が流れる。
氷華がボールを突くのに、静寂の中にその音だけが響き渡る。
3年生のマークマンがスティールを狙うが、その瞬間も氷華は見ていた。
左手で切り返し、ドライブでマークマンをぶち抜いた。
ヘルプに入った晴夜のマークマンの一人、氷華はそれを嘲笑うかのごとく、左にいた森原にパスを出した。
森原が決め、第4クオーター最初の得点が2年3組に入った。
そして次の攻防で、3年生があろうことか、氷華のゾーンを強引にぶち抜いて、センター線にボールを回した。
とはいえ晴夜にダブルチームが付いている、つまり晴夜をブロックに行かせないための戦略でもあるのだ。
易々とシュートを打てる状態なのだが……氷華が走り込み、高く跳び上がって追いついた。
打たれたシュートを、おりゃ! と叫びながら防いだ。
ただ、方向が方向だっただけに、ゴール下のラインを割って、アウトオブバウンズになって3年生ボールになった。
「雪宮さん、ナイスブロック。」
「いいよそんなの今……とにかく止めるよ、陽陰君。」
そう掛け合って二人はポジションに戻っていった。
その後は決められたのだが、依然流れは氷華達にあった。
だが、ここで手を緩めないのも2年3組の良さでもある。
田中が思い切り放り投げ、氷華が思い切り走り込んだ。
クラスのリレーのアンカーを務めるほどの俊足を持つ氷華にはいくら3年生の身体能力とはいえ、追いつけない。
氷華は独走態勢でダンクシュートを放った。
勢いよく走って跳んだのだが、着地が鳥のように柔らかく、神々しさすら見えた氷華なのだった。
その後も2年3組ペースで試合が進んでいき、時間は残り1分。
104-89となっていた。
最後となるだろう攻防で、3年生ボールだ。
とにかく回して時間を少しでも稼ぐ作戦に出たようで、氷華のスティールに的を絞らせない。
と、ここで氷華が井沢にマークチェンジを指で伝達し、ポジションを晴夜に楽をさせるようにし、氷華がセンターに回った。
3年生は痺れを切らしたのか、氷華がセンターに回ってチャンスと見たのか、スリーポイントシュートを放った。
外れてリバウンドになる。
氷華がディフェンスリバウンドを取り、カウンターを仕掛ける。
氷華はまず、森原にパスを出し、ゆったりと攻め上がる。
晴夜が戻るのを確認してから氷華は仕掛ける。
氷華がドリブルで切り込む。
すかさず晴夜のマークマンがヘルプに入ったが、氷華はこれを狙っていた。
いつもより高めにシュートのような高いパスを出し、晴夜に繋げた。
マークマンを引き剥がした晴夜はそれを見て両足でジャンプし、右手でボールを掴んだ。
そして、晴夜は躊躇いなくボールをゴールへと叩きつけたのだった。
まさかのアリウープが決まって、これで試合を完全に決定づけた。
体育館内も赤い声援と黄色い声援とが木霊して、2年3組を後押しした。
試合終了のブザーが鳴り、2年3組が優勝で、バスケットボールの決勝戦は幕を閉じた。
クラス全体で喜びに沸き立つ2年3組。
氷華も梢達と抱き合って喜びを分かち合ったのだった。
その裏で、試合を観戦していたある男が動いていた。
羅生門桃悦だ。
桃悦はギャラリーから離れた後、洋式トイレの個室に籠り、スマホを介して蝿崎に連絡を取った。
「ああ、蝿崎か? ……今終わったよ、こっちは。」
『……お疲れ様です、教祖様……お迎えに上がりましょうか?』
「そうだな……集会所から高校まで来るにはホームルームもちょうど終わるだろうからな……なるべくバレないように頼む。」
『畏まりました……では、そのようで準備いたします。』
「その後で長野へ向かうからな……しっかり、準備をしておいてくれ。」
『仰せのままに。』
「それじゃ、また後で。」
といい、桃悦は電話を切った。
「……さて……戻るか。僕が『馬仙院教』の教祖だとバレるわけにはいかないからな……」
よくみると、彼のクラスTシャツの背には、「ISHIDA」とローマ字で書かれていた。
おそらく桃悦の本名なのだろうが……まだベールに包まれているのがこの「羅生門桃悦」なのだ。
不敵な笑みを浮かべながら、桃悦は教室へと戻って行ったのだった。
新興宗教の教祖様は何と高校生だったのです。
彼が何故長野に行くのか、氷華とどういった関係があるのか……
長野の件はすぐ明らかになりますが、氷華との関係もいずれ明かします。
ただまあ……桃悦の過去はなかなかダーティなので、ゲロ重になると思います。




