表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
42/128

42nd SNOW 梢と氷華、変わらぬ友情

体育祭の準備と梢と氷華の思い出話の回です。

しかし、その中で氷華は梢に……

という回です。


ということで、今回は晴夜のΣ内での相関図です。(冬菜は入ったばかりなので除きます。)


晴夜→氷華……優しくて真面目な人。なんだかんだで一番話している。

晴夜→北川……いいおじさん

晴夜→文香……悪い人では無い、ただしつこい人

晴夜→怜緒樹……頼れる女性でしっかりしている

晴夜→相澤……いい兄貴分

晴夜→佐久間……東京に来てから一番頼りにしている人

晴夜→天狐……いい相談相手。一緒にいて楽しい。

 氷華達が通っている高校の名前は「多摩東陵(たまとうりょう)高校」。


わりかし偏差値の高い人間が入る進学校で、普通の公立校よりかは校則は緩い。


なのでまあ、梢のようなギャル系でも普通に注意されずに生活できるので、()()()()()()()()()()


実際成績さえ良ければお咎めはほぼ無いので退学総数も少ない。


そんな高校が体育祭を開催するというタイミングだ。


それも10月に。


その前準備で体育祭の練習にクラス毎で入ることになった。


多摩東陵高校の体育祭は少し変則的で、初日が屋外で、二日目が体育館で行う仕組みになっている。


勿論全員参加。


クラス全員リレーがこの学校の名物だったりする。


氷華はクラス全員リレーでまさかのアンカーを務めることとなってしまったのだった。


氷華は固まっていたのだったが、実際雪女なので人間よりも身体能力が高いうえ、足も陸上部よりも速かったりするので全員万場一致だった。



 この日は何も無いので、体育祭の練習後に梢と一緒に帰っているところでの河川敷に2人は座った。


「いやー、氷華頑張ってよ? 全員リレーさ!」


と、梢に肩をバンバン叩かれる氷華。


「普通男子でしょそこは……なんで私なのよ……」


氷華がため息を吐いて嘆いた。


氷華はこの時ばかりは雪女の生まれであることを恨んでいた。


「実際氷華運動神経いいじゃん! ……アタシはさ、アンタに初めて会った時のこと……今でも覚えてるよ。最初ホント2人でよく遊んでたけど途中で玲香達も混ざって……それが今の関係じゃん。」


と、急に中学時代のことを話しだした梢。


脈絡は無かったが、氷華もこの話に乗る。


「そう……だね。……懐かしいね、こうやって2人で話すのって。」


氷華にとっては初めての「人間」の友人が梢だったりするので、今でも大事にしているのが梢との関係だったりしている。


梢もノリに乗る。


「氷華と初めて会って話したのって……アレさ、入学式終わって……そっから部活の勧誘だなんだので……一、二週間経った辺り……だったよね?」


「そう……だね。あれ、コズからだったっけ? 話しかけてきたのって。」


「そうそう、最初はさ、他の子達と話してたんだけど……アタシさ、自分から主導権握ったりするじゃん、話の。だからあんまり乗れなくてね……主導権の奪い合いで……でさ、氷華、アンタグループに入ったりしないでずっと本とか読んでたよね? ホントにそこすっごい覚えてんの。そういう子、小学生の時いなかったからさ。」


「アハハ……そうだったね……その頃本当に人見知りばっかりしてたから……」


「で、まあさ、中学が校則結構厳しかったから氷華ポニテだったじゃん、髪下ろせないから。でさ……その時メガネ掛けてたじゃん、氷華。でもなんか……()()()()()()()でさ? アタシそこに惚れたの、第一印象で。なんだろ、今までに見たことなかったような。」


「まあ……うん、学校で私に話しかけてくれたのって……割と()()()()()()だったりするから……」


「でも話してみたらさ……めっちゃコミュ障で……すっごいテンパってて、なんか面白くってさ。」


「コズさ、私が読んでた本無理矢理取って見たよね? 中身。それであのテンションで話しかけてくるから戸惑うって、私みたいなタイプは……」


「氷華さ、なかなか話題に乗ってくれなくて……どうしようかなって思ってアタシが2人っきりで遊びに誘ったのがキッカケだっけ? そっからなんか……距離が詰まってったような気がしてさ。」


「最初イジメの標的になったのかな!? って思ったからめっちゃ怖かったんだよ!? 今だから言えるけど、めちゃくちゃビクビクしながら行ってたし……だってコズ、他の子とも話してるし……」


「いや……アタシはさ、2人っきりの方が氷華は話しやすいのかなーって思ったから……それでショッピングモールとか行ったりして……その中で氷華の人柄が分かってさ。……オドオドしてたなって思ったけど、その中で優しさも垣間見得たしね。……その時さ、今だから言えるけど正直どう思ってた?」


「いやー……どう思うもなにも……私()()()()()()()()()()()()から……全然落ち着かなかった……」


「でもそっからだよね? 氷華もちょっとずつ話すようになってきてさ。」


「……そう、だね。今もあんまり目立つのは好きじゃないんだけど……私はさ、コズが初めての友達で良かったなって思う。」


「アハハ、ありがと、氷華。……でもさ……氷華、何か……アタシらに隠してることない? ……晴夜がうちのクラスに来てから特に。」


悪い顔で氷華の顔を覗き込む梢。


氷華は「え!?」と声を出した。


「実際どうなの? 長い付き合いじゃん、アタシら。……何か言えないことってある? 右手に包帯してるし、なんかあったんじゃないかなーって思ってるからさ。」


流石にここまで言われたら隠しきれないと思った氷華。


氷華は独白せざるを得なかった。



 「……わかったよコズ……ちゃんと話すから……右手、貸して。」


霊力を送るためだろうか、氷華はちゃんと納得してもらうためにそう、梢に言った。


「え? いいけど……なにすんの??」


氷華は両手で梢の右手を取り、一つ息を吐く。


そして気を集中させて梢に霊力を送った。


「……いいよ、コズ……目、開けて。」


そして梢が目を開けて見た光景は……


「え……!? ちょ、氷華何これ……!! 氷華の周り……すっごいことになってるんだけど……!!」


()()()()()()氷華が纏っているオーラ、つまり霊力だった。


「……それが私が見てる景色なんだよね……だから今まで言えなかったんだ……」


「いや……あのさ氷華、それは分かったんだけど……ちゃんと話して? 氷華が何者なのか……」


「……コズ……嫌いに……ならない? 私のこと……」


「当たり前じゃん! どんと来いって感じだよ!」


「……分かった……うん。……『雪女』……なんだ、私……ごめん、今まで……言えなくて。」


梢はこの独白を聞いて、妙に納得してしまった。


確かに今まで見なかった美貌で、極端な色白なのでまあ……予想していたといえばしていたのだが、昔話で出てくるような妖怪が現代日本に現存するというのが梢には衝撃を与えていた。


「うーん……氷華さ、他に雪女の親戚っているの?」


「そう……だね。全国に……約30000人……かな?」


「えー! そんないるの!? すごいな……憧れるわ……」


「……え?? コズ……怖くないの……?」


意外な反応に氷華は困惑した。


それもそのはず、憧れの対象になるとは思ってもいなかったからだ。


「怖くないって! いいじゃん、激レアさんみたいで!! それにさ、氷華……」


「え? う、うん……」


「それ抜きにしてもさ……氷華、マジで優しいし……真面目だしね。」


梢は眩しい笑顔を浮かべている。


どうやら腑に落ちた部分があったようで、氷華の全部を受け入れる、という気持ちになったのだろう。


「……コズ……いいの? 私……私は………」


「だーいじょうぶだって! アンタのこと一番知ってんのアタシじゃん! ズットモでしょ? これからもさ!」


氷華は嬉しかったのか……心なしか泣いてしまった。


氷華は本当に、いい友人に恵まれたと思った。


「うん……あ……ありがと……コズ……!」


「氷華嬉しいの? そんなに!! 何泣いてんのさ!」


梢は対照的に笑っていたが、お互い幸福感が包んでいたのだった。

氷華と梢の友情フォーエバー!

友達って、マジで大事ですよ、ホントに。

次回は体育祭の裏側で馬仙院教の実情を語る回です。

Ωのメンバーも出てきますので抑えといてください。

あんまり出てこないですけど、マジで情報源として大事になってきます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ