41st SNOW 馬仙院教
今回から新章に入ります。
ここで氷華のΣとの相関図を語りたいと思います。
氷華→晴夜……男性として好き。だけど本人の鈍感さにはヤキモキしている。
氷華→文香……話してて楽しい人
氷華→北川……正直いうと怖い
氷華→怜緒樹……勘が鋭い人、でも頼りになる。
氷華→相澤……苦手
氷華→佐久間……すごい人だとは思っているが、氷華自身は佐久間が苦手
氷華→天狐……正直言って羨ましいけど、相談に乗ってくれるので案外頼りになる。
「馬仙院教?」
Σ本部で昼食を採っていた氷華たちは、聞き慣れない言葉に疑問符が浮かんだ。
牛鬼戦の翌日が運良く土曜日だったので、泊まりに来ていた氷華たちはコンビニで弁当を買ってきて昼食を採っている最中で「馬仙院教」という、謎の言葉を耳にしたのだった。
怜緒樹と晴夜は打撲程度で済んだが、氷華は打撲どころではなく、肋骨の骨折だったり右手には包帯だったり、額には絆創膏だったりとダメージがかなり深かった。
しかも邪眼の限界突破だ、妖力も氷華は相当使ったにしても、カップ焼きそばにガッツリ系の弁当二つ、おにぎり4個という大食らいぶりを発揮していたのだった。
氷華曰く、これくらいしないと体力が回復しないのだとか。
北川が説明する。
「『馬仙院教』ってのは……2年前に立ち上がって、ここ数ヶ月で信徒を伸ばした……所謂新興宗教だ。」
これに疑問を覚えたのか、晴夜が質問をする。
「新興宗教が……何か関係があるんですか?」
これに北川はそうだな、と切り出した。
「牛鬼の頸を持ってきて文香が調べてくれたんだが……その新興宗教と関係していたんだ。所謂そこの配下の妖怪だった、ってわけさ。」
といい、北川は馬仙院教のパンフレットを出した。
長身の男が写真として載っている。
「謳い文句は『あなたの願いを何でも叶えます』……っていうコンセプトらしいんだが……どうも怪しくてな。これはホームページのやつを印刷しただけに過ぎないが、これを元に今、別の組織で馬仙院教を調べてもらっている。」
ここで氷華も北川に質問をする。
「そもそもなんで……牛鬼がその新興宗教の配下に付いたんでしょうか……ただ信者を増やすのでしたら……妖怪を使役させる理由がないはずですけど……」
北川は唸り声をあげる。
「そこは俺にもわからねえ……ただ……牛鬼のタフさをものともしねえ強さを誰かが持っているのは確かだ、ってことしかわからん。……だから今、『Ω』って組織でアレを調べてもらってるんだ。」
Ω、という言葉を聞いて、ハッとして氷華は立ち上がった。
「そこ……お姉ちゃんが眼を取られる前にいた組織なんです!! まさかここで出てくるなんて……」
「ああ、それなら話は早えな。……まあお前らにも一応説明しとくとな、所謂『妖魔調査及び研究組織』だな。ウチじゃ対処しきれねえ妖怪を捕らえて研究材料に使っている集団だ。……要は鑑識役だ。一応あそこも警察組織から派生している。」
そして北川が言うには、クセが強いやつばかりだが腕が立つ奴が多い、とのことだ。
と、そこにインターホンが鳴った。
北川がドアを開け、応対する。
するとそこには、冬菜がいた。
「あの……Σの本部って、ここでよろしかったでしょうか……?」
「まあそうだが……というか、来るなら事前に連絡よこしとけよお前……まあいいわ、上んな。お茶くらい出してやるから。」
そういって、冬菜はΣ本部のリビングへと上がっていった。
ということで、面接もちゃっかり進み、冬菜は晴れてΣの一員となった。
「お、落雪冬菜です……改めて宜しくお願いします……。」
緊張した面持ちだったが、全員に改めて挨拶をした冬菜。
みんな、快く受け入れたようだ。
と、ここで、佐久間が話題を馬仙院教に戻した。
「で、北川くん……馬仙院教をどうする気だい? 悪い噂が絶えないところだ、叩くなら早い方がいいけど……」
「……まあ報告次第だが……Σってのはあくまでも裏組織だ。表立って行動はできねえ。……だから今はまだ泳がせる。もし罪が警察内部で明るみになったら早急に逮捕まで漕ぎ着けられるしな。」
「なるほどねえ……とりあえずわかった。」
「しかし……あの牛鬼より強えってことは……最悪死人も覚悟しねえといけねえよな……」
北川の不安は現実となって的中するのか、それはまだ誰にも知る由はなかった。
祝・冬菜がΣに加入!
……といってもそんな出番ないけどwww
次回から体育祭の準備に取り掛かりますので、お楽しみに。




